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2009年3月30日 (月)

鉱工業生産は底打ちの兆しを示唆しているか?

本日、経済産業省から今年2月の鉱工業生産指数が発表されました。ヘッドラインの鉱工業生産指数の季節調整済み前月比は5か月連続のマイナスとなり、▲9.4%の低下とほぼ市場の事前コンセンサス通りでしたが、同時に公表されたた製造工業予測指数は3月+2.9%、4月+3.1%と2か月連続で前月比プラスに転ずるとの結果でした。まず、いつもの通り、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

経済産業省が30日発表した2月の鉱工業生産指数(速報値、2005年=100)は68.7となり、前月に比べて9.4%低下した。5カ月連続のマイナスで、1983年3月以来の低い水準に落ち込んだ。自動車などの輸送機械や一般機械の大幅減産が続いている。その一方で、在庫は2カ月連続で減少。同時に発表した3月と4月の生産予測指数はともに前月比プラスで、生産が底打ちする可能性も出てきた。
生産指数の前月比マイナス幅は1月の10.2%低下に比べると縮小したものの、過去3番目の大きさで厳しい情勢が続いている。5カ月連続の低下は、01年3月から11月にかけての9カ月連続以来の長さ。前年同月比は38.4%低下で、統計上さかのぼれる1954年以降で最大の落ち込みになった。経産省は生産の基調判断を4カ月連続で「急速に低下している」とした。

次に、いつものグラフは以下の通りです。季節調整済みの鉱工業生産の月次指数で、影を付けた部分は景気後退期です。

鉱工業生産指数の推移

少し詳しく業種別に生産と在庫の指数を見ると、引き続き、輸送機械が前月比▲23.2%減、一般機械も▲15.2%減、電気機械も▲10.4%減などと、主要輸出関連組立産業の大幅な減産が続いています。しかし、輸送機械では在庫が前月比▲20.3%減、在庫率指数も4か月振りに前月比3.1%低下し、先行きも3月4月と連続で増産する計画となっており、メディアで報道されているように主要自動車メーカーでは4-5月ごろまでに生産や在庫の調整を終了するという計画を着々と進めているようにも見受けられます。また、大きく在庫調整が遅れていた電子部品・デバイス工業でも在庫が前月比▲10.6%減と2か月連続で減少していますし、その川下である情報通信機械工業では、在庫は前月比▲13.2%減と4か月連続で減少、在庫率指数も2か月連続低下していますから、楽観的に見れば、最悪の時期を脱しつつあることが示唆されているのかもしれません。
しかし、問題は最終需要です。消費については定額給付金の支給が本格化するとしても、一時的な効果にとどまる可能性が高いでしょうし、設備投資を考えても、先行指標である資本財出荷は前月比▲8.9%減と5か月連続で低下していますし、例えば、一般機械の在庫は前月比▲1.2%減の小幅な低下にとどまっている一方で、在庫率は+18.6%増とまだ大幅な在庫の積上りが見られます。明後日の日銀短観で明確に示されると思いますが、設備投資環境がまだ好転するには時間がかかることを示唆していると受け止めるべきです。3月14日のエントリーで主張した通り、最終需要動向が弱いままで推移するのであれば、鉱工業生産動向に明るさの見える現状も W 字型の景気回復の最初の上昇局面にとどまり、再び景気が下降することも十分視野に入れておく必要があります。

最後に、3-4月の製造工業予測指数をそのまま当てはめると、GDPに2割強のシェアを有する鉱工業生産の寄与だけで1-3月期のGDPは▲4-5%のマイナス成長となります。実際にはマイナス寄与を示すセクターはもっとある可能性が高く、今から1-3月期のGDP成長率は少なくとも年率で2桁マイナスとなることは確実です。

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