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2009年4月17日 (金)

大学生新卒の就職は意外と堅調

今週の日曜日4月12日に大学の授業の開講に当たって、大学生の就職についての雑感を書きましたが、リクルート社から敏感に反応いただいて、「ワークス大卒求人倍率調査(2010年卒)」がその翌日の4月13日に発表されました。いろんなメディアで取り上げられていて知ってはいたんですが、続けざまに同じようなテーマのエントリーをアップするのも気がひけましたし、溜まっていたテーマもありましたので、取り上げるのは今夜になってしまいました。まずこのリポートからハイライトとなる部分を引用すると以下の通りです。

求人倍率は1.62倍と、昨年、一昨年の新卒採用の過熱ぶりに一段落
学生の民間企業就職希望者44.7万人に対して、民間の求人総数は72.5万人に

来春2010年3月卒業予定の大学生・大学院生を対象とする求人倍率は1.62倍となった。
厳しい経済環境ではあるが、今年の求人倍率は、1996年3月卒(1.08倍)や、2000年3月卒(0.99倍)の就職難とされている時期ほどには落ち込まない見通しとなった。

ということで、リポートに示されているグラフと同じのをマネして書いてみました。以下の通りです。赤い棒グラフが企業からの求人総数、青が大学生の民間求職希望者数で、ともに左軸の単位は万人です。緑の折れ線グラフはこの比率として求められる求人倍率で、右軸の単位は倍です。ここ2年ほど2倍を超えていたのがガクンと下がっているのが見て取れます。しかし、全体としては私もリクルート社の見方に賛成で、雇用が社会的に大きな問題になっているにしては、大学生の新卒者に対する求人は意外と堅調だと受け止めています。

ワークス大卒求人倍率調査 (2010年卒)

カギカッコ付きでやや「狂気の沙汰」だったバブル期を除いて、最近2-3年間の大学生への求人が盛り上がっていたのは、リポートでも指摘しているように、長期の景気拡大とともに、いわゆる団塊の世代が退職する時期が重なっていたためです。来春卒の大学生への求人が大幅に減っているのも、全く同じこの2つの要因で、景気が大幅に後退しているのと退職した団塊の世代の人員補充が一巡したためです。他方、大学生の民間企業への就職希望者は増加を続けています。少子高齢化が進んでいて、小学校などは統廃合が進んでいるんですが、大学の場合は進学率がまだ上昇しているため、大学生の人数が引き続き増加を続けているからです。
リポートには従業員規模別と業種別の調査結果も報告されています。従業員規模別では1000人未満と1000人以上の2区分しかありませんが、両方とも全く同じ▲23.5%の求人数の減少率を示しています。これに対して大学生の大企業志向は引き続き根強く、求人倍率で見て、1000人未満企業では3.63倍と高倍率である一方、1000人以上企業では0.55倍と極端な狭き門になっています。業種別では「派遣切り」や「雇い止め」が話題になった製造業でも大学新卒への求人意欲は高く、求人倍率は1.97倍を示しており、慢性的な人手不足の流通業でも4.66倍と高倍率になっている一方で、金融業では0.21倍、サービス・情報業では0.67倍となっています。本学の学生諸君は、どのような就職活動戦略を立てているんでしょうか。やや気になるところです。

今週は経済指標の発表が少ない上に、授業が始まり少し忙しくなったため、こういった調査リポートのご紹介で終わってしまいました。

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