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2009年4月23日 (木)

国際通貨基金の「世界経済見通し」World Economic Outlook (WEO) 見通し編

今週の月曜日にも取り上げましたが、昨日、国際通貨基金 (IMF) が「世界経済見通し」World Economic Outlook (WEO) の第1章と第2章の見通し編を発表しました。いつもの通り、日本語サマリーもあります。第1章と第2章のタイトルは次の通りです。

  • Chapter 1. Global Prospects and Policies
  • Chapter 2. Country and Regional Perspectives

次に、見通しの概要は以下の通りです。画像をクリックすると、第1章の pp.10 にある Table 1.1. Overview of the World Economic Outlook Projections から引用した、もう少し詳細な表が別画面で開きます。

Latest IMF projections

一目瞭然で、今年2009年の先進国は軒並みマイナス成長で、世界全体の成長率も▲1.3%に落ち込むと見込まれています。第1章の pp.9 から引用すると、"By any measure, this downturn represents by far the deepest global recession since the Great Depression."ということになります。中でも、我が日本は今年▲6.2%のマイナス成長と先進国のトップを走っています。さらに、先進国を中心に金融のひっ迫が2010年に入っても続くことなどから、来年も世界経済は+1.9%と緩やかな成長にとどまると見込んでいます。他方、2010年もゼロ成長のままの米国やマイナス成長の続く欧州と違って、日本経済は緩やかながら2010年にはプラス成長に転ずると見込まれています。ついでながら、2009年1月時点での前回見通しからの下方改定改定幅も、先進国の中では日本が際立って小さくなっています。決して V 字型の力強い回復とは言えませんが、ある意味で、4月9日付けのエントリーで書いたように、日本経済は fast-in fast-out の景気後退・回復の可能性が諸外国と比べて相対的に高いのかもしれません。

Risks to World GDP Growth

しかも、この見通しはややダウンサイドリスクの方が大きいと見込んでいます。上のグラフの通りです。その主たる理由は、第1章の pp.17 によれば "a dominant concern is that policies will continue to be insufficient to arrest the negative feedback between deteriorating financial conditions and weakening economies in the face of limited public support for policy action" なのだからだそうです。政府や中央銀行に対する風当たりが強いのは日本だけではないようです。また、図表の引用はしませんが、第2章の pp.65 にある Table 2.1. Advanced Economies: Real GDP, Consumer Prices, and Unemployment によれば、日本と米国は今年と来年は消費者物価がマイナスになると IMF では見通しています。このブログでも、すでに4月18日付けのエントリーで、デフレという意味で足元における物価安定がすでに損なわれていると私は特筆大書しましたが、日米両経済大国がそろってデフレになると、世界経済への影響が軽微で済むとはとても考えられません。

第67期名人戦7番勝負第2局投了図

最後に、ガラリと話題を変えて、一昨日の4月21日から熊本城内で指し継がれていた第67期名人戦7番勝負第2局は昨夜終局し、挑戦者の郷田九段が羽生名人に競り勝って、対戦成績を1勝1敗のタイに戻しました。上は152手までの投了図です。朝日新聞のサイトから引用しています。第1局と同じようにがっぷり四つに組んだ相矢倉で、最後は後手番の郷田九段が先手番の羽生名人を押し切りました。立会人は加藤九段、記録係は渡辺三段でした。第3局は5月7-8日に広島県福山市の福寿会館で行われる予定です。

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