第67期名人戦7番勝負第5局は郷田九段が先勝
このブログでいつも取り上げている第67期名人戦7番勝負は、一昨日の6月2日から昨夜にかけて秋田市の秋田キャッスルホテルで第5局が指し継がれ、昨夜、割合と早くに郷田九段が羽生名人に137手で勝って対戦成績を3勝2敗とし、名人位奪取にあと1勝と迫りました。今年の名人戦で先手が勝ったのは5局目にして初めてだそうです。下の画像は朝日新聞のサイトから引用した終了図です。
第3局と同じように横歩取りから乱戦模様となり、1日目から控室なんかでは「郷田有利」との声も上がったそうです。2日目も郷田九段が攻め、羽生名人が耐える展開が続きました。郷田九段は馬を2枚作り、羽生名人の飛車を攻めつつ盤上を制圧しようとする一方で、羽生名人は陣形を低く構え、驚異的な粘りで逆転のチャンスを待ちます。一時は千日手で指し直しの可能性も取り沙汰されましたが、郷田九段が千日手の成立に必要な4手目に達する前に手を変えて攻め続け、馬2枚を効果的に生かして、さらに、羽生名人の飛車も手に入れ、最後は押し切った格好になりました。
さて、上の終了図ですが、5月22日のエントリーで取り上げた前回の第4局と違って、誰がどう見ても詰みまでほど遠いように見えます。しかし、新聞などの解説によれば、後手番の羽生名人は攻めの糸口さえ見出せず、攻防ともにまったく見込みのない状態で、こうなったら名人戦クラスでは投了なんだそうです。シロート将棋なら、まだまだ30手くらいは続きそうな気がしないでもありません。なお、まったくどうでもいいことですが、5月22日のエントリーで取り上げた第4局の終了図について、このブログで5手詰めと書きましたが、よくよく数えると7手詰めの間違いでした。2週間ほど遅れましたが、お詫びして訂正します。
郷田九段が名人位に王手をかけ、注目の第6局はさ来週の15-16日に京都市の東本願寺渉成園で行われる予定です。枳殻邸とも別称される見事な庭園で、江戸初期に第3代将軍徳川家光から寄進された土地に東本願寺第13代法主宣如上人の隠居場所として石川丈山が作庭したものです。京都出身者からの一口メモでした。
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