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2009年6月15日 (月)

時系列分析で地方研究をする限界

2週間ほど前の6月3日に「九州7県における人的資本の推計」なる新しいペーパーを書き上げましたが、引き続き、九州や長崎に関する地域研究に取り組もうとしています。でも、少しずつ限界が見えてきた気がしないでもありません。というのは、私の専門分野は時系列分析で、何かが何かの原因となるという意味での構造的なアプローチと違って、経済データそのものが確率的な過程を経て現れるのを分析するアプローチですから、何が何でも大量のデータを必要とします。そのデータに対してランダムウォークとか、VARのプロセスを当てはめて推計するわけですから、統計的に有意な結果を得ようとすれば大量の時系列データを必要とします。しかし、全国レベルでは経済データはかなり整備されていて、役所や日銀のホームページにExcelで読めるファイルが大量にアップされているんですが、地方レベルの経済データは地銀のシンクタンクや県庁・市役所の統計課を煩わせても、全国レベルと同等まで整備されているわけではありません。「九州7県における人的資本の推計」で使った高校生の上級学校への志願率に関するデータはシコシコと手入力を余儀なくされました。もしも、Excelで読めるファイルが利用可能であるなら、九州7県なんてケチなことを言わずに全国47都道府県をすべて対象に出来るんですが、この年齢に達して大量のデータを手入力するには体力的にも限界があります。東京に勤務していたころは、BloombergやDataStreamなどのデータサービスが充実している部署もありましたが、地方大学の予算の限界も同時にまざまざと見せつけられた気がします。でも、時系列分析を続ける以上、新しい手法で分析するか、人に知られていないデータで勝負するか、どちらかしかない一方で、私は計量的な難しい手法は能力的に及びもつかないわけですから、既存研究でエラい先生がやった手法を見かけないデータで分析するしか、研究者として生き残る道はないような気がしないでもありません。

九州や長崎に関する地域研究については、もう少し模索が続きます。国際派のエコノミストとして、思い切って、海外に目を転じようかと思わないでもありません。なお、経済について評論したわけではありませんので、今夜のエントリーは普通の日記に分類しておきます。

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