東野圭吾『名探偵の掟』と『名探偵の呪縛』 (講談社文庫) を読む
昨日は下の子のスカウト活動の関係でキャンプやバザーやと忙しくしていましたが、今日は打って変わってヒマになりましたので、エンタメのカテゴリーに属する本を読みます。一部にはギャグに通じるものもあります。すなわち、東野圭吾さんの『名探偵の掟』と『名探偵の呪縛』です。いずれも講談社文庫で読みました。表紙の画像は以下の通りです。どこから画像を借用したのかは失念しました。悪しからず。
知っている人も多いと思いますが、『名探偵の掟』の方はテレビでドラマ化されて、今年の4月から先月6月までテレ朝系列で金曜日の深夜の時間帯に放映されていました。私はホンの10分ほど見ただけなんですが、名探偵の天下一がチェックのヨレヨレスーツを着ていない上に、これも映画化された東野圭吾さん原作の『容疑者 X の献身』と同じで、なぜか、女性刑事役が付け加えられているので、そもそも、チャンネルをいじっているうちに偶然に見始めたものですし、ちょっと見ただけですぐに別の番組に切り替えてしまいました。原作を知らない人が見るものなのかもしれないという気もします。でも、金曜11時台の番組にしては10%近い視聴率だったらしいですから、それなりに人気があったようです。
私は『掟』と『呪縛』の両方とも、数年前に図書館で借りて文庫本を読んだ記憶があるんですが、今回は買い求めて再び読みました。生協の書店で文庫・新書の割引セールをやっていたこともありますが、夏休みに入ってヒマにしているおにいちゃんへの読書案内の一環でもあります。でも、夏休みに読んで読書感想文の宿題にする本はすでに決まっていて、伊坂幸太郎さんの本だそうです。『ゴールデンスランバー』ではなかったような気がします。図書館で私が借りて来た井伏鱒二の「山椒魚」はなかなか読んでくれません。どうして「山椒魚」を借りたかと言えば、基本的には、中学生や高校生のころに読むべき作品だというのは当然なんですが、先日、長崎でテニスを始める前、コートに散水しようと思って地面にある蛇口をひねると、その蛇口の窪地にカエルが入っていて、「山椒魚は悲しんだ」を思い出したからです。多感な中学生・高校生のころに読んでおくべき代表的な日本文学だと私は考えています。なお、井伏作品の中でも『黒い雨』や、あるいは、三島文学は大学生になってからでも遅くないような気もします。
さて、読書感想文なんですが、『名探偵の掟』も『名探偵の呪縛』も主人公は名探偵天下一と大河原警部です。一応、探偵が推理で難事件を解き明かし、警察は舞台回しをするという一般的な本格推理小説の構成のように見えるんですが、実は、前者では特にギャグの要素も含めて小説外の会話が主人公2人の間で交わされたりします。後者はパラレル・ワールドを思い起こさせる少し趣の変わった「本格推理」というもののない町に行った天下一探偵が推理を展開します。一応、いずれも推理小説ですから内容はここまでとしますが、『掟』の方にはメチャメチャな推理もありますから、それ相応の覚悟を持って読み進む必要があります。最初からギャグだと割り切ってしまえば、まあ、こんなもんでしょう。
「本格推理」ファンの大向こうをうならせる謎解きがあるかどうかはともかく、この本が謎解き以外の部分も含めて「本格推理」ファンに人気があるのは理解できるような気がします。
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