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2009年7月13日 (月)

内閣府景気動向指数研究会における判断基準見直しの議論

この週末は、土曜日にラクイラ・サミットの首脳宣言のコピペ、日曜日にお台場ガンダム+ドラクエを取り上げ、金曜日に発表された興味ある話題をすっ飛ばしてしまいましたので、今週の冒頭はこれらを取り上げたいと思います。まず、今夜は景気動向指数研究会について、明日は出来れば『情報通信白書』を取り上げたいと思います。
7月10日の内閣府の景気動向指数研究会で話し合われたのは、主として、景気動向指数 (CI) による基調判断のあり方でした。公表された資料を見る限り、基調判断に加えて、指数そのものの採用系列に関する議論、トレンド処理の方法、外れ値の刈り込み処理なども議論されています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

内閣府の景気動向指数研究会(座長・吉川洋東大教授)は10日の会合で、景気動向指数のCIを使った基調判断について、複雑だった区分けを整理することを了承した。今後は指標の変化に応じて「改善」→「足踏み」→「局面変化」→「悪化」→「下げ止まり」というプロセスで景気の状態を判断する。指標の変化が小さい場合は、前月の判断を引き継ぐ。
会合後の記者会見で吉川座長は、今年1-3月だったとの指摘がある景気の「谷」の判定について「通常は1年ほどのデータ蓄積が必要」と述べ、まだ時間がかかるとの認識を示した。

今夜のエントリーで注目する基調判断のあり方については、いずれも7月10日の景気動向指数研究会の参考資料2-1 「『CIによる景気の基調判断』の基準」の一部見直し(案)についてから引用したんですが、下の表と概念図の通りです。

基調判断定義基準
改善景気拡張の可能性が高いことを示す。原則として3ヶ月以上連続して、3ヶ月後方移動平均が上昇した場合。
足踏み景気拡張の動きが足踏み状態になっている可能性が高いことを示す。3ヶ月後方移動平均の符号が変化し、1ヶ月、2ヶ月、または3ヶ月の累積で1標準偏差分以上逆方向に振れた場合。
局面変化事後的に判定される景気の山・谷が、それ以前の数か月にあった可能性が高いことを示す。7ヶ月後方移動平均の符号が変化し、1ヶ月、2ヶ月、または3ヶ月の累積で1標準偏差分以上逆方向に振れた場合。
悪化景気後退の可能性が高いことを示す。原則として3ヶ月以上連続して、3ヶ月後方移動平均が下降した場合。
下げ止まり景気後退の動きが下げ止まっている可能性が高いことを示す。3ヶ月後方移動平均の符号が変化し、1ヶ月、2ヶ月、または3ヶ月の累積で1標準偏差分以上逆方向に振れた場合。

基調判断の変更順序のイメージ図

上で明らかなように、今回の基調判断の変更は従来と同じミッチェル的な景気の2分法に基づき、景気の方向を拡張と後退だけでなく、景気転換点付近の景気をより正確に反映しようとするものです。CI の傾きが正か負かで拡張と後退を判断しつつ、その傾きがゼロに近づくのが足踏みと下げ止まりであり、ゼロになるのが局面変化=景気転換点となります。しかし、遠い昔に放棄された手法とはいえ、シュンペーター的な2分法を景気判断に盛り込むことが可能かどうかも検討として欲しい気もしないでもありません。

景気の2分法

上のイメージ図は5月15日付けのエントリーで取り上げたものですが、一般国民の間における景気実感はかなりの程度にシュンペーター的な2分法に近いことも確かです。しかし、圧倒的に先進各国でミッチェル的な景気の2分法が採用されているのは、マクロ経済安定化政策をシュンペーター的な2分法に従った景気判断に基づいて実施すると、認知・実施・波及の3つのラグがあると仮定すれば、意図した counter-cyclical よりもむしろ pro-cyclical な、別の言葉でいえば、景気循環をかえって拡大しかねず、意図と逆方向の政策になってしまうことに対する危惧が基本にあると言えます。しかも、現行の CI は景気に敏感な指標の量的な動きを合成した指標であり、一応、景気変動の量感を測定することを目的としているんですが、必ずしも、GDP や鉱工業生産指数のように経済活動の水準そのものを計測することを目的としたものではありません。もしも、シュンペーター的な景気の2分法を景気判断に取り入れるとすれば、この点、すなわち、経済活動水準そのものを表現できるような指数の開発が必要であることは言うまでもありません。

昨日のエントリーはお台場ガンダム+ドラクエで済ませてしまいましたが、午前中のテレ朝系で放映された「サンデープロジェクト」を興味深く拝見しました。司会者をはさんで慶応大学の竹中教授と双日総研の吉崎副所長が討論していましたが、竹中教授は私の持論である W 字型の景気パスを主張し、吉崎さんが現在の景気状況について方向は上向きながら水準は低いと結論していました。吉崎さんが私のこのブログを時折ご覧いただいているのは知っていたんですが、ひょっとしたら、竹中教授にも見ていただいているのかもしれません。単なる冗談として笑い飛ばして下さい。

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