2009年ノーベル経済学賞はオストロム教授とウィリアムソン教授に授賞
いつも普段から私は長風呂なんですが、3連休最終日で明日から大学に出勤となると、今夜は特に長くて、お風呂から上がると今年のノーベル経済学賞が発表されていました。インディアナ大学のエリノー・オストロム教授とカリフォルニア大学バークレイ校のオリバー・ウィリアムソン教授です。オストロム教授に対しては "for her analysis of economic governance, especially the commons" の貢献で、ウィリアムソン教授に対しては "for his analysis of economic governance, especially the boundaries of the firm" という授賞理由で、いずれもガバナンスを主眼にしているように見受けられます。
どうでもいいことですが、両教授とも日本式に言えば昭和1ケタ生まれの70歳代後半で、昨年のクルーグマン教授から若い一線のエコノミストに授賞する方針転換かと思わないでもなかった私にはやや肩透かしでした。ウィリアムソン教授は1991年受賞のコース教授と同じく取引費用の経済学が専門で、これを体系として完成させています。授賞理由にもある通り、直接投資の分析なんかで私もいくつか論文を参照したことがあります。広い意味では多国籍企業のガバナンスなのかもしれませんが、「ガバナンス」に入るのかどうかは少し疑問です。むしろ、「企業行動」といった方がすっきりするような印象があります。他方、オストロム教授はモロにガバナンスで、特に、同じインディアナ大学のヴィンセント・オストロム教授との共同研究 "Public Goods and Public Choice" を読んだ記憶があります。30年ほど前の論文だと思います。何となく、ガバナンスについてはヴィンセント・オストロム教授の方が有名なような気がしていますが、今回受賞したエリナー・オストロム教授とはご夫婦なんでしょうか。私はよく知りません。なお、女性がノーベル経済学賞を受賞するは初めてだと思います。
昨年来の経済危機の時期にはマクロ経済学が注目されて、金融や成長・景気の専門家が有力だと思ったんですが、私の予想は大きく外れてしまいました。
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