経済協力開発機構の先行指標 (OECD/CLI) に見る先進国の景気回復
先週から少しボケボケしていて、あまり経済をウォッチしていないんですが、そのためか、10月9日金曜日に発表された経済協力開発機構の先行指標 (OECD/CLI) をすっかり見逃していて、しかも、部分的ながら先週末は OECD のサイトがアクセス不可でデータをダウンロードできなかったものですから、今夜に取り上げたいと思います。まず、日米欧のグラフは以下の通りです。太めの赤い折れ線が Reference series で鉱工業生産指数 (IIP) だったと記憶していて、細めの青が Composite leading indicators すなわち CLI そのものです。
グラフを見れば一目瞭然なんですが、上に掲げた先進各国はすでに景気の谷を超えて、今年の年央時点で景気回復期に入っていることは明らかです。でも、先行きは楽観できず、年末年始あたりに2番底を迎える可能性は私が春先から指摘している通りです。今日の午後に開催された日経の景気討論会でも、日経新聞のサイトからヘッドラインを拾っただけでも、「中国経済、12年までは高成長持続」といったヨソの国の景気のいい話だけではなく、我が日本については「経済の本格回復、10年後半以降に」とか、あるいは、ヨソの国でも「日経センターの小島氏『米消費低迷、数年続く』」といった意見も出たようです。
私がこのブログで W 字型の2段階調整論を言い出したのは3月12日のエントリーが初めてで、その後、7月上旬までのデータを基に書いた本学紀要9月号の研究ノートでも堂々と W 字型の景気パスが V 字型や L 字型に比べて最有力と位置づけました。いずれも政権交代のずっと前から同じことを繰り返しています。現時点で、その確率はますます高まっているように感じています。
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