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2009年11月 5日 (木)

財政に関する IMF ポジション・ノートの意味するものは何か?

昨夜に続いて国際ニュースのカテゴリーに属するエントリーで、今夜は IMF のスタッフ・ポジション・ノート "The State of Public Finances Cross-Country Fiscal Monitor: November 2009" を取り上げます。一昨日の11月3日に公表されています。明日から英国セント・アンドリュースで開催される G20 財務相・中央銀行総裁会議に向けて示されたものです。日経新聞読売新聞でも取り上げられていますのでご参考まで。まず、リポートの p.10 Figure 1 から、以下のグラフは2009年において G20 各国が発動した財政刺激策の内訳を示しています。

G-20 Countries: Composition of Fiscal Stimulus Measures

上のグラフは内訳だけですから、ボリュームとしての財政発動の大きさは示されていませんが、リポートの p.35 Annex Table 1 に2009年、2010年と5年後の2014年の財政収支と一般政府債務残高のGDP比が示されています。上の段がいわゆるプライマリー・バランスではなく、全体の財政収支の対GDP比、下段はグロスの一般政府債務残高のGDP比です。特徴的なのは新興国では政府財政が好転する国が多いにもかかわらず、先進国では一向に改善しないことです。

G-20 Countries: Fiscal Balances and General Government Debt

IMF の結論は "Maintain Fiscal Support, but Devise Credible Exit Strategies" というものですが、やや後者に重点が置かれている印象で、リポートの p.41 から始まる Appendix では "An increase in the overall fiscal deficit of 1 percent of GDP pushes up bond yields by about 20 basis points over the medium term." との実証結果を示し、その次の p.42 Annex Figure 1 のグラフで、各国の置かれた状況別にGDP比1%の財政赤字拡大が10年物国債金利に及ぼす影響を試算しています。下の灰色の部分がベースライン、上のピンクの部分が付加的なインパクトとなっており、左軸の単位はベーシス・ポイントです。日本なんかは一番左の "Large initial deficit" とか、左から4番目の "Population aging" なんかに属するんだろうと思います。金利上昇圧力は大きいのかもしれません。

Impact of Fiscal Expansions in Countries with Selected Characteristics

私は従来から財政赤字に寛容なエコノミストと自覚しているんですが、我が国に対する財政拡張からの出口政策を求める声は内外で強まりそうな気もします。

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