全産業活動指数に見る景気の停滞
本日、経済産業省から今年9月の全産業活動指数が発表されました。2005年を100とする9月の季節調整済み指数は93.2、前月比▲0.6%の低下となりました。産業別に見ると、先日発表されたばかりの第3次産業が前月比▲0.5%、建設業が同▲1.9%の低下となった一方で、鉱工業が+2.1%、公務等が+0.6%の上昇となっています。グラフは下の通りです。影を付けた部分は景気後退期ですが、今年3月を暫定的に景気の谷と仮置きしています。
過去のこのブログを振り返ると、今年の5月と8月に全産業活動指数を取り上げています。特に、四半期ごとに取り上げると決めているわけではありませんが、結果的にそうなっています。
上のグラフから読み取れるように、20%余りのシェアの鉱工業は順調に回復しているんですが、第3次産業が冴えません。グラフには明示的に取り上げていませんが、建設業なども回復が遅れています。鉱工業を除いて、建設業や第3次産業においては景気回復の足取りはまだまだ重いと言わざるを得ません。他方、上向き基調の鉱工業生産でも、まだ、第3次産業の水準に達していなかったりします。いずれにせよ、経済活動が方向と水準で順調な状態に戻るのはもう少し時間がかかるような気がします。
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