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2009年11月21日 (土)

夏川草介『神様のカルテ』(小学館) を読む

夏川草介『神様のカルテ』(小学館)

夏川草介『神様のカルテ』(小学館) を読みました。ご存じの通り、ベストセラー街道驀進中です。私が見た範囲では、ちょっと古いデータですが、11月6日から11月12日の1週間におけるオンライン書店本やタウンの週間ベストセラーを見ると単行本フィクションの部で村上春木さんの『1Q84』上下に続いて4位に入っていました。もっとも、もうすぐデータ更新があると思います。まず、『神様のカルテ』のサイトから画像ごと引用したあらすじは以下の通りです。

夏川草介『神様のカルテ』(小学館) あらすじ

そして、さらに、私のブログの大きな特徴となっているフラッシュへの直リンですが、今回は小学館の『神様のカルテ』のサイトにあるフラッシュに直リンしています。登場人物の相関図です。人物名をクリックすれば、もう少し詳細なキャラクターが現れます。主人公夫妻を中心に、メインの舞台は主人公が医者ですから病院、しかも、24時間365日をうたい文句にしているコンビニみたいな本庄病院なんですが、暮らしている御嶽荘の住人もクセのありそうな人物がピックアップされています。なお、フラッシュの一番上の行では「本庄医院の人々」となっていますが、「本庄病院」の間違いだと思います。他はすべて「本庄病院」で統一されています。

純文学として受け止めて、あくまで文学作品として評価すれば、少し疑問が残るかもしれない点がいくつかないでもありませんが、文句なしのベストセラーであることは読めば理解できます。読んでいて、あらすじにもある通り、終末期治療という重いテーマにもかかわらず、読後感はさわやかです。独特の漱石チックな文体も違和感ありません。しかし、どちらかというと、私のような中年向きではなく、多感な思春期くらいの少年少女文学の系統と考える人がいるかもしれません。事実、私もこの3連休の少し前から東京に戻っているんですが、我が家の中学生のおにいちゃんはすぐに読み終わりましたし、下の小学生の子も熱心に読み進んでいます。いずれにせよ、文句なしの5ツ星です。ひょっとしたら来年の直木賞の有力候補かもしれません。多くの方が手に取って読むことを願っています。

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