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2009年12月25日 (金)

本日発表された経済指標から

本日、総務省統計局から消費者物価指数失業率が、また、厚生労働省から有効求人倍率などの職業安定業務統計が、それぞれ発表されました。いずれも11月の統計です。いずれも、物価はマイナス幅が縮小し、労働統計は失業率こそ0.1%ポイント上昇しましたが、有効求人倍率などはわずかとはいえ改善しました。まず、いつもの日経新聞のサイトから関連する記事を引用すると以下の通りです。

消費者物価
総務省が25日発表した11月の全国消費者物価指数(CPI、2005年=100)は変動の大きい生鮮食品を除くベースで99.9となり、前年同月比で1.7%低下した。低下は9カ月連続。下落率は前の月より縮小したが、前年に急騰したガソリン価格の反動による面が大きい。衣服や食料など身近なモノの値段が下がっており、日本経済は依然としてデフレ状況にある。
石油価格の影響を除いた指数でも大幅な物価下落が続いた。食料とエネルギーの影響を除いた指数(欧米型コアCPI)は1.0%低下。生鮮食品を含む総合指数は前年同月に比べ1.9%低下した。
需要低迷を背景に、身近な商品の値下げ競争が続いている。生鮮食品を除いた食料価格は前年同月比1.2%低下した。食用油やチーズ、マヨネーズなどの値段が下がったほか、大手チェーンなどがキャンペーン値下げした影響で、外食の牛丼の価格が3.8%低下した。価格競争が激しい衣料品も、男子ズボンや婦人スラックスの値段が低下した。
労働統計
総務省が25日発表した11月の完全失業率は4カ月ぶりに悪化した。とりわけデフレの影響で卸売・小売業の就業者数が大幅に減少。製造業中心だった雇用調整の波は非製造業にも押し寄せている。
アジア向け輸出の持ち直しなどで、国内経済は4-6月期から2四半期連続でプラス成長。ただ「リーマン・ショック」による傷跡は深く、国内の需要不足は35兆円規模ときわめて大きい。労働力の過剰感は依然として強く、雇用情勢は簡単には改善しそうにない。
同日発表した11月の全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く)は9カ月連続でマイナスとなった。値下げによる消耗戦で流通業やサービス業の収益は厳しさを増している。卸売・小売業はこれまで製造業からの離職者の受け皿となってきたが、先行きはそうした余裕が失われかねない。

まず、消費者物価のいつものグラフは以下の通りです。折れ線グラフは青が全国のコアCPI、赤が同じく全国のコアコアCPI、グレーが東京都区部のコアCPIの、それぞれの前年同月比上昇率です。棒グラフは全国のコアCPI上昇率に対する寄与度について、食料品、エネルギー、その他に分けて表示したものです。

消費者物価の推移

物価については、引用した記事にもある通り、かなり深刻なデフレが続いています。11月に下落幅を縮小したのはほとんどすべてエネルギーの寄与によるものです。エネルギーの寄与度が10月の▲1.28%から11月には▲0.67%になったので、その分、全体の下落幅も前年同月比で見て10月の▲2.2%から11月に▲1.7%になったに過ぎません。上のグラフから明らかな通り、赤い折れ線のコアコアCPIも、水色の棒グラフのエネルギーと食料品を除くその他の寄与度も、ここ2-3か月は横ばいであり、0.5%も下落率を縮小させた要因ではありません。上に引用した記事の通り、需給ギャップが35兆円規模あるそうですから、基本的には、この需給ギャップに応じたデフレなんですが、フリードマン教授が喝破したように、インフレやデフレはかなりの部分が貨幣現象ですから、日銀の金融政策が強力に発動されるべきであると私は考えています。

労働統計の推移

次に、上から赤い折れ線の失業率、青の有効求人倍率、緑色の新規求人数です。いずれも季節調整済みの系列で、影を付けた部分は景気後退期なんですが、直近は今年3月を谷と仮置きしています。引用した記事にもある通り、確かに、11月の失業率は0.1%ポイント上昇しましたが、先行指標の新規求人数、一致指標の有効求人倍率とも改善を示しています。もっとも、改善のスピードはかなり遅いと言わざるをえません、報道でみる限り、政府経済見通しでは来年度の失業率も5%台だそうですし、有効求人倍率が1に達するのは何年先か分かったものではありません。また、下のグラフは季節調整していない原系列の非農業部門雇用者数の対前年同月差を産業別に見たものですが、卸売・小売業が確かに減少幅を大きくし、全体の雇用者数の減少に拍車がかかっているように見えます。引用した記事にもある通り、明らかにデフレの悪影響です。医療・福祉の増加も縮小しました。ただし、情報通信業がプラス幅を拡大しているのは明るい材料かもしれません。

産業別雇用者数の推移

年の瀬も押し詰まり、今日で主要な経済指標の発表は終りかと思っていたんですが、来週の月曜日に今年最後の鉱工業生産指数の発表があるみたいです。

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