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2010年1月31日 (日)

「日経グローカル」にインタビュー記事が掲載される

昨年末に取材を受けた結果が、今年になって2010年1月18日付け「日経グローカル」140号に掲載されています。プレミアム付き商品券に関していろいろとおしゃべりしたんですが、非常にコンパクトな記事に仕上がっています。長崎ローカルではテレビ出演もありますが、全国メディアに顔写真付きで初登場だったりします。

取材を受けた後、今年になってから、どこかでこの雑誌が見られないかと大学の図書館司書に相談したら、長崎ウエスレヤン大学の図書館で購読していると知らせてくれました。聞き慣れない大学なので、どこにあるのかと尋ねると、諫早であるとの答えでした。行動半径の狭い私ですから、早々に雑誌の編集部から郵送してもらうことにし、諫早に行くのはアッサリと断念してしまいました。

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2010年1月30日 (土)

ダボス会議に注目

World Economic Forum logo

世界経済フォーラムの年次総会、通称ダボス会議が今週27日から始まり、明日31日で終了の予定です。日本での報道はイマイチですが、私がよく見る海外紙では、一例として、以下のような特集サイトが開設されていたりします。

週末ですので簡単に紹介しておくと、Executive Summary から、会議の主要なテーマの柱を引用すると以下の6点に要約されています。

  • How to Strengthen Economic and Social Welfare
  • How to Mitigate Global Risks and Address Systemic Failures
  • How to Ensure Sustainability
  • How to Enhance Security
  • How to Create a Values Framework
  • How to Build Effective Institutions

ついでながら、ダボス会議の少し前に世界経済フォーラムは Global Risk Network Report を発表することにしており、今年のリポート p.13 Figure 4 Key risks and themes from the Global Risks reports over the past five years を引用すると以下の通りです。

  • 2006
    • Asset prices/indebtedness
    • Chinese growth slowing to < 6%
    • Fiscal crises
    • Oil price spikes/supply shocks
    • US current account deficit/fall in US$
    • Critical infrastructure
  • 2007
    • Asset prices/indebtedness
    • Chinese growth slowing to < 6%
    • Fiscal crises
    • Oil price spikes/supply shocks
    • US current account deficit/fall in US$
  • 2008
    • Asset prices/indebtedness
    • Chinese growth slowing to < 6%
    • Fiscal crises
    • Oil price spikes/supply shocks
    • Rising and volatile food prices
    • An abrupt, major fall in the value of the US$
  • 2009
    • Asset price collapse
    • Chinese growth slowing to < 6%
    • Fiscal crises
    • Global governance gaps
    • Chronic diseases
    • Increase resourcerelated risk (water, land and energy)
  • 2010
    • Further falls in asset prices
    • Chinese growth slowing to < 6%
    • Fiscal crises
    • Global governance gaps
    • Chronic diseases
    • Underinvestment in infrastructure

今年は米中などの大国の元首クラスが欠席とかで、特に我が国ではダボス会議の注目度が低いんですが、私はそれなりに興味を持っています。

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2010年1月29日 (金)

各種経済統計が発表される

今日は、月末最終営業日の閣議日ですから、昨年12月の経済統計が一挙に発表されました。以下の通りです。上の2項目を雇用でひとくくりにして、順に見て行きたいと思います。

まず、日経新聞のサイトから関連する記事を引用すると以下の通りです。

雇用なお一進一退 12月、失業率5.1%・求人倍率0.46倍に改善
総務省が29日発表した2009年12月の完全失業率(季節調整値)は5.1%と前月比0.1ポイント低下した。失業率の低下は2カ月ぶり。厚生労働省がまとめた昨年12月の有効求人倍率(同)も4カ月連続で改善し、前月比0.01ポイント上昇の0.46倍だった。雇用情勢は一進一退の状況にあり、当面は厳しさが継続するとの見方が多い。
完全失業率は15歳以上の働く意欲のある人のうち、職に就いていない人の割合。09年12月の完全失業者は317万人で、前年同月比47万人増加。増加幅が同11月の同75万人に比べ縮小し、失業率の低下につながった。
09年12月の就業者数は6223万人と前年同月に比べ108万人減。製造業や卸売・小売業での減少が目立つ。一方、医療・福祉は増加が続く。
鉱工業生産持ち直し続く 12月指数2.2%上昇
経済産業省が29日発表した2009年12月の鉱工業生産指数(速報値、05年=100)は89.9となり、前月に比べて2.2%上昇した。上昇は10カ月連続で、輸出の増加や国内の政策効果などに支えられて生産は持ち直しの動きが続いている。ただ生産の水準はピーク時の8割程度にとどまり、本格回復にはなお時間がかかりそうだ。
12月の生産の上昇率は11月と同じだったが、市場予測の平均(前月比2.5%)よりは低い水準だった。
業種別の生産指数では電子部品・デバイス工業が前月比6.5%上昇。携帯電話向けの半導体メモリーや中国向けの液晶テレビ部品などの生産が好調だった。米国やインドネシア向けの蒸気タービン部品なども増加し、一般機械工業も6.1%上昇した。一方、自動車を含む輸送機械工業は2.9%低下し、10カ月ぶりにマイナスとなった。経産省は11月の水準が高かったことの反動が表れたとみている。
物価の下落、10カ月連続 12月1.3%低下
総務省が29日発表した2009年12月の全国消費者物価指数(CPI、05年=100)は変動の大きい生鮮食品を除くベースで99.8となり、前年同月比で1.3%低下した。10カ月連続で前年同月を下回った。昨夏まで高騰したガソリン価格の下落による影響は一巡する一方、物価下落が広範な品目に波及した。
食料とエネルギーの影響を除いた指数(欧米型コアCPI)は1.2%低下と、低下率は比較可能な1971年以来で過去最低となった。エネルギー価格を除くベースでの指数の低下は、日本経済がデフレ状況にあることを改めて裏付けた。生鮮食品を含む総合指数は前年同月に比べ1.7%低下した。
12月は前の月まで指数を押し下げていたガソリン価格が前年同月比でプラスに転じた。だが物価の調査対象となる585品目のうち上昇したのが147、下落したのが377と下落品目が前月に比べて増加。食料品や家電、日用品などに価格下落が目立った。
12月消費支出、実質2.1%増 ボーナス減で臨時収入落ち込み最大
総務省が29日発表した12月の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は物価変動の影響を除いた実質で前年同月に比べて2.1%増加した。2008年秋以降の景気の落ち込みで消費マインドが急激に冷え込んでいた昨冬の反動増が主因。政策効果を反映した自動購入なども下支えした。
一方、個人消費を裏付ける実収入は名目で6.5%減。冬のボーナスが減ったことで、世帯主の「臨時収入・賞与」は11.1%減と12月としては比較可能な1971年以来最大の落ち込みになった。
総務省は個人消費の状況について「おおむね順調な回復を続けている」と分析。物価の変動を加味した名目消費は0.3%増で1世帯あたり33万7887円だった。物価下落が実質消費を押し上げている面も大きい。

まず、雇用のグラフは以下の通りです。上のパネルから順に、失業率、有効求人倍率、新規求人数、産業別雇用者数の前年同月差増減です。上の3つのパネルは季節調整済みの系列で、一番下は季節調整していない原系列です。一番下のパネルの単位を忘れましたが、万人となっています。上の3つのパネルで影をつけてある部分は景気後退期ですが、直近の景気の谷は昨年3月と仮置きしています。グラフからも明らかなように、雇用は最悪期を脱して反転しましたが、改善のペースは極めて緩やかになっています。ですから、雇用が本格的に回復し、例えば、失業率が4%程度になったり、有効求人倍率が1倍に近づくのにはかなり時間がかかると受け止めるべきです。

労働力統計の推移

次に、鉱工業生産の推移は以下のグラフの通りです。影をつけた部分は上の雇用と同じで景気後退期です。上のパネルが季節調整済みの生産指数、下のパネルは在庫循環図です。1999年1-3月期に上向きの緑色矢印から始まって、2009年10-12月期に下向きの矢印に至り、とうとう45度線を超えました。上下の順が逆になりましたが、月次指数は12月の季節調整済み指数の前月比は+2.2%の増産と、市場の事前コンセンサスを少し下回りましたが、ほぼ順調な回復過程にあると受け止めています。しかし、この先は鉱工業生産は減速の見通しとなっています。すなわち、製造工業予測指数で、今年1月が+1.3%、2月が+0.3%と急ブレーキがかかる形になっています。特に、電気機械、情報通信機械、輸送機械、化学などでは2月に減産に転じる見通しとなっており、やや息切れの様相を呈しています。11月統計がドカンと下がった機械受注も気がかりなポイントです。

鉱工業生産の推移

3番目に、消費者物価はデフレが続いています。下のグラフは生鮮食品を除くコア CPI の前年同月比上昇率とエネルギー・食料品・その他の寄与をプロットしていますが、コア CPI が前年同月比でゼロに近づいているのは、マイナスの寄与を示しているエネルギーがその幅を縮小しているためであり、エネルギーと食品を除く欧米流のコアコア CPI はほぼ一貫してマイナス幅を拡大しているのが見て取れます。緩やかながら景気拡大が続いている中で、需給ギャップも緩やかながら縮小していると考えるべきですから、このマイナス幅を拡大し続けるコアコア CPI は循環的なものではなく、何らかの構造的な要因を反映していると受け止めるべきです。このことが理解されているのであれば、私が今週火曜日1月26日付けのエントリーで根拠なく宣言したように、日銀が何らかの追加的な緩和策を取るべきタイミングが近付いていると考えるべきです。もっとも、日銀ではこのことが理解されていない、あるいは、理解した上で無視している可能性も否定できません。

消費者物価の推移

最後に、昨冬のボーナスが大きく減少した影響を受けて、所得が一向に冴えないにもかかわらず、家計消費はかなり順調な回復を示しています。もっとも、実質の伸び率が名目を上回っていますから、物価下落で大きく見えているという側面も否定できません。下のグラフは2人以上世帯の名目と実質の消費指数で、2005年を100とする季節調整済みの系列です。

家計消費の推移

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サリンジャー死去

広く報じられているところですが、戦後文学界を席巻したサリンジャー (Mr. Jerome David Salinger) がニューハンプシャー州コーニシュの自宅で亡くなりました。謹んでご冥福をお祈りします。91歳だったそうです。『キャッチャー・イン・ザ・ライ』は言うに及ばず、グラース家の兄弟を取り上げた「グラース・サーガ」のシリーズなど、戦後文学界に大きな足跡を残しました。晩年は謎に包まれた引退生活だったようで、作品には解説やあとがきを許さなかったことでも有名です。サリンジャーの死は戦後文学界のひとつの区切りなのかもしれません。ニューヨーク・タイムズのサイトから最初のパラだけ記事を引用します。

J. D. Salinger, Literary Recluse, Dies at 91
J. D. Salinger, who was thought at one time to be the most important American writer to emerge since World War II but who then turned his back on success and adulation, becoming the Garbo of letters, famous for not wanting to be famous, died Wednesday at his home in Cornish, N.H., where he had lived in seclusion for more than 50 years. He was 91.

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2010年1月28日 (木)

国際労働機関 (ILO) の「世界の雇用情勢2010年版」

昨日、ジュネーブに本部を置く国際労働機関 (ILO) から「世界の雇用情勢2010年版」 Global Employment Trends 2010 が発表されました。もちろん、pdf のフルリポートも公表されています。昨年の世界の失業者数は2億人を超え、失業率は6.6%に達し、いずれも過去最悪と報告されています。まず、日経新聞のサイトから関連する記事の最初のパラを引用すると以下の通りです。

国際労働機関(ILO)が27日発表した雇用情勢の年次報告によると、2009年の世界の平均失業率(速報値)は前年を0.8ポイント上回る6.6%となり、調査を始めた1991年以降で最高水準に達した。失業者数は初めて2億人を突破し、前年比14%増の2億1200万人に達した。金融・経済危機を受け、主に先進国の企業が人員を大幅に削減したためだ。ILOは「10年の失業率も高水準で推移する」と予測している。

リポートの p.10 Figure 2 から引用した総括的なグラフは以下の通りです。凡例に示されている通り、棒グラフは失業者数で左軸の単位は100万人、折れ線グラフはいずれも右軸のパーセンテージに対応し、ピンクの破線がGDP成長率、青が失業率です。2009年の統計だけは速報で確定しておらず、上下に信頼区間が設定されています。失業者数の棒グラフは緑色で示されており、青い折れ線グラフは実線が速報値です。

Global unemployment trends

経済政策のもっとも重要な目標は雇用だと私は考えています。国民が適切な職、ILO のいうところの decent work に就くことが出来、憲法25条的な意味ではなく、健康で文化的な生活を営むに足る所得を得ることが経済政策の最大の目標であると受け止めています。私が財政赤字に能天気な理由のひとつです。

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2010年1月27日 (水)

国際通貨基金 (IMF) の最新経済見通しと我が国の貿易統計に見る世界経済の順調な回復

昨日、国際通貨基金 (IMF) から「改定世界経済見通し」 World Economic Outlook Update が発表されました。いつもながら、pdf ファイルのフルリポートも公表されています。今年の世界経済の成長率は昨年10月の見通しから+0.8%ポイント上方修正されて+3.9%と、また、来年2011年は+4.3%と見込んでいます。なお、副題は A Policy-Driven, Multispeed Recovery とされています。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

国際通貨基金(IMF)は26日、最新の世界経済見通しを発表した。2010年の世界経済の実質経済成長率は3.9%と予測し、前回の昨年10月の見通しから0.8ポイント上方修正した。11年は4.3%との見方を示した。日本は10年が1.7%で前回と変わらず、11年は2.2%で0.2ポイント下方修正した。
IMFは世界経済について「当初の予測以上に力強く回復しているが、その速度は地域ごとに異なる」との見解を示した。多くの先進国は景気回復力が弱い半面、新興国などは好調な内需に支えられ、経済活動が比較的力強いと分析した。
先進国では、在庫循環の改善が景気回復に寄与しているという。米国の成長率は10年に2.7%になると予測し、前回から1.2ポイントの大幅上方修正。金融危機で懸念が高まっていた米個人消費は「予測以上に強力だった」と指摘した。ユーロ圏も上方修正したが、1%台の成長にとどまる。

まず、IMF の記者発表のサイトから引用した成長率見通しのサマリーは以下の通りです。引用した記事にもありますが、日本の成長率見通しは今年2010年が+1.7%、来年2011年が+2.2%と見込まれています。昨年10月の見通しと比較して、今年は変わらずで、来年は▲0.2%ポイント下方修正されています。

Latest IMF projections

IMF の見通しが正しいとすれば、明らかに世界経済は順調に回復し始めています。我が国の成長率もユーロ圏各国に比較すればやや高く、これまた、順調に回復すると見込まれています。しかし、リポートの副題に表れているように、回復のスピードは跛行性が高くなっています。今年来年を通じて、先進国は+2%台前半の成長率と見込まれているのに対して、新興国は+6%を超えます。アジアでも、ASEAN5か国が新興国平均に達しない+5%前後であるのに対して、中国は約+10%の成長を達成すると見通されています。リスクはアップサイドとダウンサイドの両方にあるんですが、リポートでは後者のひとつの要因となりうるものとして "a premature and incoherent exit from supportive policies" を上げています。

貿易統計の推移

この世界経済の順調な回復を裏付けているのが、上のグラフで示した我が国の貿易、特に輸出です。本日、財務省から12月の貿易統計が発表されました。輸出は15か月振りに前年同月比でプラスに転じ、特に数量の伸びが大きく寄与しました。以下、簡単に日経新聞のサイトから記事を引用しておきます。

財務省が27日発表した2009年12月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額は前年同月比12.1%増の5兆4128億円となった。リーマン・ショックに見舞われた08年9月以来、1年3カ月ぶりの増加に転じた。中国を含むアジア向けは2カ月連続で伸び、欧州連合(EU)向けも1年5カ月ぶりに増えた。世界経済の回復に支えられ、日本の景気は輸出主導で持ち直している。ただ企業収益の改善が設備投資や雇用の拡大に波及するまでには時間がかかりそうだ。
輸出額の伸びが2ケタに乗ったのは2年2カ月ぶり。09年11月は中国向けとアジア向けが増加に転じたが、09年12月はEU向け、大洋州向け、中南米向けもプラスになった。品目別では自動車の輸出額が1年3カ月ぶりに増え、中国向けは過去最高を更新した。
ただ輸出額の水準自体はまだ低い。ピークだった08年3月(約7兆7000億円)の7割程度、08年の月平均(約6兆8000億円)の8割程度にとどまっている。

この世界経済の順調な回復やそれに支えられた輸出の伸びを見ていると、今年前半に日本経済が2番底を回避する確率は半々より高くなったように私は受け止めています。

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2010年1月26日 (火)

来年度予算政府案に見る我が国の財政事情と日銀の追加緩和策の予想

やや旧聞に属する話題かもしれませんが、財務省から22日の金曜日に平成22年度予算政府案の詳細が発表されています。pdf で「我が国の財政事情」と題する資料から今夜は我が国の財政事情について取り上げます。まず、日経新聞のサイトから政府財務残高に関連する記事を引用すると以下の通りです。

「国の借金」の総額が2010年度末に過去最大の973兆1625億円に達する見通しとなった。財務省が25日、国会へ提出した予算参考資料で明らかになった。今年1月1日時点の推計人口(概算値)の1億2747万人で計算すると、1人あたりの借金は約763万円に上る。
「国の借金」は国債と借入金、政府短期証券を合わせた債務残高の総額。初めて900兆円の大台を超す09年度末見込み(900兆1377億円)に比べ、73兆248億円増加する。
国の借金が急増するのは10年度予算案で、財源不足を賄うため、当初予算段階で過去最大となる約44兆3000億円の国債を新規発行するのが主因だ。08年秋に世界金融危機が深刻化して以降、政府は景気を下支えするため、国債増発を伴う大規模な財政出動を繰り返しており、国の借金は過去最大を更新し続けている。

先に触れた「我が国の財政事情」と題する資料の p.2 から引用したグラフは以下の通りです。いずれも政府予算の一般会計から赤い折れ線が歳出、青が税収、棒グラフはピンクが赤字国債発行額、水色が建設国債発行額です。いずれも左軸に対応して単位は兆円です。なお、1990年度の赤字国債は他の年度と異なり、湾岸戦争への貢献です。

我が国の財政事情

従来から主張している通り、私はリフレ派のエコノミストとして財政赤字には能天気な態度を貫いているんですが、財政タカ派の与謝野元財務大臣はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで日本の国債発行残高は2010年度予算案で債務が雪だるま式に拡大し抑制が利かなくなる「発散過程」に入り、長期金利急上昇を惹起する素地が出来たとの認識を明らかにしたりしています。
もちろん、私が昨年の今ごろ大学の紀要に書いたペーパー、「財政の持続可能性に関する考察」に取り上げた財政の持続可能性に関する時系列検定の中で、カリフォルニア大学サンディエゴ校 (UCSD) のボーン教授の検定がもっとも緩やかな検定だと私は考えていて、このボーン検定は直感的にはプライマリー・バランスが赤字であっても、その赤字幅が縮小しているのであれば財政は持続可能との結果を示すんですが、この検定でも我が国の財政が持続可能と判定されるか怪しいと受け止めています。もっとも、私が財政赤字に能天気な背景には国民の貯蓄があるからで、日銀の資金循環統計によればネットで1000兆円を超えます。国と地方を合わせたグロスの債務残高はこの額に近づいていますが、ネットはまだ500兆円くらいでネットの貯蓄残高の半分にも満たないレベルです。今しばらく、私は財政赤字や国債残高に能天気な態度を取り続けるような気がします。もっとも、日経新聞の報道によれば、スタンダード・アンド・プアーズ (S&P) は日本の外貨建てと自国通貨建ての長期国債 (ソブリン) 格付けのアウトルックを「安定的」から「ネガティブ」に変更したそうです。マーケットが動けば、私の能天気な態度が吹っ飛ぶ可能性は残されています。

最後に、昨日から開催されていた日銀の金融政策決定会合は、報道されている通り、「展望リポート」の中間見直しとして、物価や成長率見通しをやや上方修正しました。しかし、誠についでながら、私は来月かさ来月には日銀が追加的な緩和措置を講じる可能性が十分あると見ています。大胆かつやや無責任、さらに何ら根拠を示さない予想を披露しておきます。

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2010年1月25日 (月)

ポケモンの進化と人間の成長

どうしても、東京に帰った時は下の子と話をする機会が多くなります。上のおにいちゃんは中学校に上がってから、親の相手をしてくれることが少なくなったからです。でも、伊坂幸太郎や東野圭吾などの読書案内は私がする場合もあるんですが、そろそろ思春期ですし、難しい年頃に差しかかっているのかもしれません。
ということで、下の子と私の間で交わされた会話で、ポケモンの進化についてです。昨年の年末に毎週木曜日に12チャンネルでやっている「ポケモン」のアニメでサトシがフカマルをゲットして、いっしょに旅を続けることになったんですが、このフカマルの進化したガバイト、さらにガバイトが進化したガブリアスと、進化するごとに段々とおどろおどろしくなっていきます。実は、このフカマルだけでなく、そもそも、ポケモンずかんのNo.1の先頭に位置しているフシギダネ ⇒ フシギソウ ⇒ フシギバナ、がそうですし、そんなにおどろおどろしくならない ピチュー ⇒ ピカチュウ ⇒ ライチュウについても、少なくとも体は確実に大きくなります。当然ながら、ワザもパワーアップしHPも高くなります。ひょっとしたら、人間の成長に合わせているんではないかと私は想像しています。もちろん、ポケモンの進化に使われることのある雷の石とかは人間は必要としませんが、体は大きく力強く頭の回転も速くなり、やや人相が悪くなるところは、ポケモンの進化と人間の成長は軌を一にしているところがあります。

もっとも、アニメの「ポケモン」のストーリーが展開される星は地球ではないと我が家では解釈しています。明らかに、ポケモン以外の普通の地球上の動物が出現しないからです。ある意味で、「ポケモン」はSFなのでしょう。

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2010年1月24日 (日)

重松清『小学五年生』 (文春文庫) を読み、文庫本について考える

重松清『小学五年生』 (文春文庫)

重松清さんの『小学五年生』 (文春文庫) を読みました。どうして読んだのかというと、下の子への読書ガイドのためです。上のおにいちゃんは中学生になって、東野圭吾さんのガリレオ・シリーズや伊坂幸太郎さんのミステリなどの文庫本をバンバン読み始めて、また、中学校からも読書案内に文庫本を紹介したりしています。もちろん、私も文庫本を読みます。もっとも、ジャカルタを出発する際に大量の文庫本と新書を処分してから、可能な限り文庫本は図書館で借りるようにしています。一昨年、堂目教授の『アダム・スミス』 (中公新書) を読んだ後、最近、新書は読まなくなったような気がします。いくつか読んで、論理の運びが雑に感じられるようになったからです。でも、猪木教授の『戦後世界経済史』なんかも読みたいと思わないでもないです。
個人の読解力にもよりますが、通常、文庫本は中学生くらいからと考えられていて、我が家でもおにいちゃんが昨年あたりから文庫本を読んでいます。下の子も今まで見慣れなかった小さいサイズの文庫本に大いに興味を示し、文庫本を読んでみたいと顔に書いてありましたので、私の方で少しセレクションをかけてみました。何冊か読んだ中で、この『小学五年生』がベストと判断し、この週末に東京に戻った際に下の子に与えました。すると、この文庫本に収められている「おとうと」は国語の教材として読んだことがあるそうで、せっせと読み始めてくれました。
私が愛読している「居眠り磐音 江戸双紙」シリーズなどのように書下ろし文庫本という例外もないではないんでしょうが、一般的には、何かの雑誌や新聞に連載されていた作品が単行本に取りまとめられ、何年かすると装丁を変えて文庫本として出版される、という段取りになるような気がします。本学の学生に、私と同じように伊坂幸太郎さんのファンがいて、文庫本になったら買って読むらしいんですが、かなりの通だという気がします。というのは、伊坂さんは単行本から文庫化する際に、必ず何かしらの修正を加えるという話は知る人ぞ知るといったところです。

久し振りに東京で過ごす週末に、子供達の顔を見て読書について考えてみました。『小学五年生』の感想は取り上げませんでしたが、もちろん、「読書感想文の日記」に分類しておきます。

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2010年1月23日 (土)

小学校の学校公開日に行き俳句を披露する

小学校の休憩時間

今日は朝から久し振りに下の子が通う小学校の学校公開日に行って来ました。ちょうど2時間目と3時間目の間、普通の休憩時間より少し長めの「中休み」と呼ばれる休憩時間で、ウチの子の教室を見に行っても女子がほんの少し残っているだけで、上の写真の通り、多くの子供達は元気よく校庭で遊んでいるところでした。
次の3時間目は国語の授業です。ウチの子の通う小学校には、当時の呼び方で尋常小学校と言われていたころ、中村草田男先生が4-5年生に在籍したことがあるそうで、この3時間目の国語の時間に子供達が俳句をひねっていました。伊藤園のおーいお茶新俳句大賞にも小学校を上げて応募するそうです。応募は6句までで、担任の先生が「一般からも応募できます」とか言って、用紙を父兄にも配ります。私も受け取って、いくつか書いていたら、いきなり先生から当てられて一句披露してしまいました。ウチの子の後ろ姿に軽いいらだちを感じたんですが、あの状況ではいたし方ありませんでした。
帰り道に小学校の正門そばにある中村草田男先生の句碑の写真を撮りました。中村草田男先生の俳句の中でももっとも有名で、ウチの子が通う小学校を訪れた際に詠んだ句であり、この季節によくマッチした冬の句です。

降る雪や

明治は

遠くなりにけり

中村草田男の句碑

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2010年1月22日 (金)

「世界経済見通し 2010」 Global Economic Prospects 2010 を読む

昨日、タイの首都バンコクにて世銀から「世界経済見通し 2010」 Global Economic Prospects 2010 が発表されました。副題は Crisis, Finance, and Growth となっています。もちろん、pdf のフルリポートも明らかにされています。ただし、このフルリポートは Pre-Publication Draft であって、Subject to Further Change である旨が明記されています。まず、世銀のサイトから和文の記者発表文の最初の4パラだけ引用すると以下の通りです。

現在回復基調にある世界経済は、一年後に各国の財政刺激策の効果が薄れるため、回復ペースが落ちる見通し。金融市場はなおも不安定で、失業率は高く、民間セクターの需要も低迷する、と世界銀行の最新の報告書は指摘。
本日発表された「世界経済見通し 2010」は、金融危機の最悪期は脱しても世界的な回復は脆弱であると警告し、危機の後遺症により今後10年間の金融と成長の状況は従来と異なるものとなると予測している。
世界のGDPは2009年に-2.2%と収縮したが、今年は2.7%、2011年には3.2%と、それぞれ成長する見込みである。途上国は、2009年の1.2%から今年は5.2%、2011年には5.8%と比較的力強く回復するであろう。2009年に富裕国のGDPは-3.3%と収縮した後、途上国ほど急速には回復せず、2010年は1.8%、2011年には2.3%となるだろう。世界の貿易量は、2009年に-14.4%と大きく落ち込んだ後、今年は4.3%、2011年には6.2%の拡大が予想されている。
以上は最も可能性の高いシナリオだが、不確定要因も多く、今後の見通しはなおも不透明だ。そのため、2011年の成長率は、今後の数四半期に消費者と経営者の心理がどの程度回復するか、さらに財政・金融刺激策の停止のタイミングによっては、最低2.5%から最高3.4%の幅が想定される。

上の引用のように、世銀見通しは「金融危機の最悪期は脱しても世界的な回復は脆弱」であり、今後10年くらいは成長が緩やかになると警告しています。詳細な経済見通しの表は pdf のフルリポートの p.17 Table 1.1 The global outlook in summary にあります。これを地域別にさらに要約したものが p.40 Table 1.2 Prospects remain uncertain ですので以下に引用します。なお、気になる日本の成長率見通しは Table 1.1 にあり、2009年▲5.4%の後、2010年+1.3%、2011年+1.8%と見込まれています。下の表の高所得国の中でも低い方に位置しています。

The global outlook in summary

成長率見通しでほぼ終わりなんでしょうが、前文150ページを超える英文リポートをすべて読んだわけではないものの、いくつか、pdf のフルリポートから私の興味を引いたグラフを引用すると、まず、今回の景気後退局面の深さを象徴するものとして、p.48 Box figure 2.1.1 GDP growth and output gaps in global crises since 1970 があります。以下の通りなんですが、日本だけでなく世界を見渡しても、今回の景気後退局面の深さは従来に比べて大きいものであったことがうかがわれます。

GDP growth and output gaps in global crises since 1970

最後に、3枚目のグラフとして、付録の Regional Economic Prospects から東アジア地域の成長率見通しを示したのが以下のグラフです。p.122 Figure A7 East Asia will enjoy a moderate rebound in 2010-11 を引用しています。日本としては、「輸出主導」といわれようと、これらの東アジア諸国の成長力を取り込むような成長戦略が必要とされているような気がします。

East Asia will enjoy a moderate rebound in 2010-11

今日の新聞では、今年中にもGDP規模で中国が日本を追い抜くとの話題が報じられていますが、上のグラフを見ると、勢いの差が大いに感じられます。

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2010年1月21日 (木)

環境クズネッツ曲線に関する新しいペーパーを書き上げる

環境クズネッツ曲線に関する新しいペーパー "Estimation of Environmental Kuznets Curve for Various Indicators: Evidence from Cross-Section Data Analysis" を書き上げました。すでに、昨年9月21日付けのエントリーで世銀の「世界開発報告2010」を紹介した際や、10月7日に国際エネルギー機関 (IEA) のリポートを取り上げた際など、環境クズネッツ曲線については興味を示していたんですが、今回、本格的にペーパーを書いてみました。3月に発行される本学の『東南アジア研究所年報』に収録される予定になっています。

1人当たり二酸化炭素排出量

上のグラフは「世界開発報告2010: 開発と気候変動」World Development Report 2010: Development and Climate Change の p.197 Figure 4.6 Where the world needs to go: Energy-related CO2 emissions per capita から引用しています。1人当たり二酸化炭素排出量が所得とともに反転して逆U字型をなし、ターニング・ポイントを過ぎれば、経済発展とともに二酸化炭素排出量が減少に転じる可能性を示唆しています。これが環境クズネッツ曲線と呼ばれるもので、オリジナルのクズネッツ曲線は所得と不平等の間に逆U字型の関係が見いだされるというものですが、これを援用して、所得と環境負荷の間に逆U字型の関係が観察されることを主張するのが環境クズネッツ曲線仮説です。この仮説が成り立てば、経済開発と環境保護は両立する可能性が生じます。

経済データの分析

ただし、この環境クズネッツ曲線の仮説を計量的に検証するには、どういったデータで当たればいいのかの問題が生じます。「世界開発報告2010」から引用したグラフは国ごとに時系列的なグラフを書いているんですが、上に示したように、経済データは赤で囲ったタイム・シリーズと呼ばれる時系列と、紺で囲ったクロス・セクションがあります。私の今回のペーパーでは米国のイェール大学とコロンビア大学の共同研究の成果として発表された Environmental Performance Index (EPI) を用いて、2006年のクロス・セクション・データに基づいて推計しています。EPI が所得に応じて低下した後、ターニング・ポイントを過ぎて所得が上昇すれば EPI も向上するかどうかを確かめています。EPI にはいろんなコンポーネントがあり、統計的に有意に計測できたのは6つあるカテゴリーのうちエネルギー関係だけで、ターニング・ポイントは1人当たりGDPで2万ドル弱でした。水資源や大気汚染などもパラメータの符号は期待通りだったんですが、統計的に有意ではありませんでした。EPI 総合指数についてはまったく逆の符号で、所得の増加とともに環境パフォーマンスが改善し、一定点を過ぎると悪化するような推計結果になってしまいました。

今回のペーパーでは、推計対象にクロス・セクション・データを利用し、ペーパーのタイトル通りにさまざまな環境変数に対して所得を説明変数として推計を試みましたが、昨年12月のコペンハーゲン合意のように、世界の関心は二酸化炭素に大きくシフトしており、幅広い環境指標よりも二酸化炭素排出に特化して、クロス・セクション以外のデータを用いた分析にも手を伸ばしたいと考えています。

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2010年1月20日 (水)

チリでも政権交代

チリ国旗

やや旧聞に属することで、これも、私がセンター試験の監督に気を奪われている間の虚を突いて、でもないんでしょうが、チリで大統領選挙の決選投票が実施されました。昨年の段階では過半数を制する候補がなく、中道右派「チリのための同盟」 (Alianza por Chile)のセバスティアン・ピニェーラ (Sebastián Piñra) 候補が、元大統領である中道左派「コンセルタシオン」 (Concertación) のエドゥアルド・フレイ (Eduardo Frei) 候補を抑えて次期大統領に選出されました。まず、地元紙の El Mercurio のサイトから記事を最初の3パラだけ引用すると以下の通りです。なお、数字については、スペイン語圏ではコンマとピリオドが日本とは逆ですのでご注意ください。

Con poco más de tres puntos porcentuales de ventaja respecto del candidato oficialista, Eduardo Frei, el abanderado de la Coalición por el Cambio, Sebastián Piñera, se impuso en la segunda vuelta de la elección presidencial.
A las 19:40 horas, y cuando ya el senador DC había reconocido su derrota, el subsecretario del Interior, Patricio Rosende, entregó los resultados del segundo cómputo con el 99,2% de las mesas escrutadas, equivalentes a 6.903.358 votos.
Piñera se impuso en el primer lugar de la votación con el 51,61% de los sufragios, lo que representa 3.563.050 votos, una votación histórica para su sector, que en el año 2000, con Joaquín Lavín logró 3.495.569.
チリでは、世界で初めて選挙で選ばれた社会主義政権だった当時のアジェンデ大統領をクーデタで追い落とした悪名高き独裁者のピノチェット将軍から1990年に民政移管され、民政移管後初代となるエイルウィン元大統領、今回も立候補したフレイ元大統領、ラゴス前大統領、現在のバチェレ大統領と4代にわたってコンセルタシオンの中道左派が政権の座にあったんですが、米国や日本に少し遅れてチリでも政権交代となりました。なお、どうでもいいことですが、私が在チリ大使館に勤務していたのは1990年代前半のエイルウィン元大統領からフレイ元大統領のころにかけてです。 一応、我が国のメディアの表記に従って、「中道右派」と「中道左派」とこのエントリーでも書きましたが、今どき、まともな国で極右や極左が大統領選挙に立候補して話題になるのはフランスくらいのもんですから、チリにおいてもいずれも「中道」が冠してあっても、私はかなり違いは大きいと受け止めています。専門外ながら政治的にはピノチェット将軍時代の政治に近いかどうかの差もありますし、経済政策的にも保守的な市場経済重視か社会民主主義的かの違いはあります。私がチリから帰国してから15年以上もたっていますので確かなことは分かりませんが、我が国の自民党と民主党の違いより大きそうな気がしないでもありません。

いずれにせよ、民主主義に基づく直接選挙で選ばれた政権ですから大統領のリーダーシップは強大です。ピニェーラ次期大統領の下で、チリがいかなる道を歩むのか、私も大いなる興味を持って見ています。

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2010年1月19日 (火)

定額給付金の経済効果はどれくらいあったのか?

私がセンター試験で気もそぞろだった虚を突いて、というわけでもないんでしょうが、内閣府から先週金曜日1月15日に「定額給付金に関連した消費等に関する調査」の結果についてと題するリポートが発表されていました。もちろん、pdf ファイルの全文リポートも公表されています。
で、最終的にどれくらいの経済効果があったのかというと、実はリポートには明記してありません。明記してあるのは定額給付金受取額に対する限界的な支出増加割合だけであり、「定額給付金がなければ購入しなかったとするもの」の支出金額は定額給付金受取総額に対して29.0%、「うち定額給付金によって増加した支出額」の定額給付金受取総額に対する割合は3.8%ですから、回りくどい計算ですが、定額給付金受取額に対して合わせて32.8%の支出増加効果があったことになります。定額給付金の支給総額が1兆9570億円ですから、約6400億円の消費増と計算され、2008年度の名目GDPが494兆1987億円に対して0.13%の比率を占めます。デフレータが同じと仮定するのは無理のないところですから、実質成長率を0.13%ポイント高めたことになります。
評価の難しい数字だと私は受け止めています。どのメディアのサイトで見かけたのかは忘れましたが、当初、内閣府が弾き出していた経済効果が0.15%だったことから、内閣府の政務官は「経済効果は限定的だった」といった旨の発表をしていました。政権交代がなければ、「当初の目論見通り」と強気に発表していた可能性もあります。繰返しになりますが、この経済効果の大きさは評価の難しいところだろうという気がします。なお、誠についでながら、私が昨年2009年4月21日付けのエントリーで明らかにした長崎県内の定額給付金の経済効果は0.17%でしたから、少し過大評価したと見なされそうですが、言い訳をしておくと、全国の0.13%は2008年度の名目GDPを分母にしているのに対して、私の長崎県内の0.17%は統計のアベイラビリティの関係で2006年度を分母にしていますので、どうしてもこの2年のズレで大きくなってしまっています。

定額給付金による消費増加効果

私が注目したのは、pdf ファイルの全文リポートのp.12図表13から引用した上のグラフです。水色が子供のいない世帯、オレンジが18歳以下の子供のいる世帯で、確実にどの所得階層でも子供のいる世帯の方が消費増加効果が大きくなっています。こども手当に対する強力な実証的根拠であると考えられます。

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2010年1月18日 (月)

テキサスバーガーを食し、日本の豊かさを実感する

マクドナルド Big America

今日は基本的にマクドナルドの提灯記事です。お気に召さない向きはパスして下さい。

昨日のランチタイム、経済学部ではなく文教地区にある本学の本部キャンパスの近くのマクドナルドに行き、先週金曜日から期間限定で全国発売が始まっているテキサスバーガーを試しました。ややお値段は高めながら、ボリュームがあり満腹感が楽しめます。なお、テキサスバーガーはマクドナルドの Big America キャンペーンの第1弾で、上の写真を引用したマクドナルドのサイトによれば、以下の第4弾までが予定されているようです。いうまでもありませんが、上の写真はこの並び順になっています。

  1. テキサスバーガー
  2. ニューヨークバーガー
  3. カリフォルニアバーガー
  4. ハワイアンバーガー

私は全部試してみたい気がします。一部店舗では1週間早く1月8日から販売されていたようですが、やっぱりというか、長崎では通常通りの1月15日からでした。それにしても、15年以上も前の1990年代前半ながら、私が大使館勤務をしていたチリの首都サンティアゴでは、赴任当時に2店舗しかなかったマクドナルドが私の帰国間際に大使館近くに3店舗目が出来て、ある意味で、チリの経済発展を目の当たりにした感慨がありましたが、私が「貧しい」と言い切った長崎ですら軽く10店舗以上ありそうなので、日本の豊かさというものを実感します。

何となく「海外生活の思い出の日記」に分類しておきます。

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2010年1月17日 (日)

長崎が広島とのオリンピック共同開催を断念

オリンピック・ロゴ

一昨日、長崎市長が市議会各派代表者会議において、2020年オリンピックに関して広島との共同開催を断念すると表明しました。ローカル新聞である長崎新聞のサイトへのリンクを張っておきます。なお、このサイトはすぐに記事が更新されて削除されてしまいますので、ウェブ魚拓に保存してあります。

私が即日判断したのに比べて時間がかかりましたが、正しい判断だと受け止めています。なお、私はすでに昨年2009年10月12日付けのエントリーで明確に反対を表明していました。東京も再び立候補するようですし、オリンピックはやりたいところに任せておくべきであり、長崎は最後の被爆地として核兵器廃絶に向けてオリンピック開催とは別の大切な役割があると私は考えています。これも、エコノミストの目からすれば、大学生の就職と同じで、比較優位に基づく理論的な当然の帰結です。

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2010年1月16日 (土)

センター試験第1日目の英語のリスニングが無事に終わる

広く報じられているように、今日から明日にかけてセンター試験が実施され、受験シーズンが本格的に幕を開けました。先日の雪も融けていいお天気になりました。しかし、大学教員になって1年半、授業内容をなかなか理解してもらえない学生を相手にするのも気が進みませんが、センター試験の英語のリスニングの監督ほどストレスを生じる業務はありません。無事に終えて大きく安心しました。もちろん、監督教員でもこうなんですから、受験生はもっとストレスフルなんだろうと想像しています。

何はともあれ、
がんばれ受験生!

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2010年1月15日 (金)

大学生の就職内定状況と就職先企業人気ランキング

昨日、厚生労働省から「平成21年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査」が発表されました。今年3月の大学卒業生の就職内定率は12月調査時点で73.1%とここ数年で最低を記録したようです。以下のグラフは記者発表資料から12月調査の計数を抜き出して引用しています。

大学生就職内定率の推移

少なくとも、ここ数年に限ってみれば、大学生の就職が厳しくなっているのは明らかです。この大学生の就職に関して、少し前の日経新聞のサイトで見かけたんですが、ダイヤモンド・ビッグ&リード社が今年も大学生の就職先人気企業ランキングを発表しています。昨年もこの時期の2009年1月16日のエントリーで取り上げています。今夜のエントリーではこのランキングに着目したいと思います。まず、ランキングの表を引用すると以下の通りです。

文系・男子
順位企業名
201020092008
111三菱商事
232三菱東京UFJ銀行
323三井物産
457三井住友銀行
575東京海上日動火災保険
698伊藤忠商事
786丸紅
8119大和証券グループ
91014野村證券
101411三菱UFJ信託銀行
理系・男子
順位企業名
201020092008
11011東芝
212パナソニック
323ソニー
481日立製作所
555三菱商事
659三井物産
734シャープ
898キヤノン
91853東日本旅客鉄道 (JR東日本)
103943富士フィルム
文系・女子
順位企業名
201020092008
121東京海上日動火災保険
242三菱東京UFJ銀行
315ベネッセコーポレーション
458三井住友銀行
536ジェイティービー (JTB) グループ
61113三井物産
72041明治製菓
81710伊藤忠商事
9715オリエンタルランド
10104三菱商事
理系・女子
順位企業名
201020082008
1219明治製菓
211資生堂
366ロッテ
41614味の素
5519森永製菓
6228花王
71022富士フイルム
847サントリー
9915武田薬品工業
102916カゴメ
101810三菱東京UFJ銀行

同じサイトからランキングの特徴も引用すると以下の通りです。

文系・男子
三菱商事が4年連続1位に。
金融・総合商社のトップクラス企業へ人気が集まる。
電機・自動車メーカー人気は、さらに低迷。
理系・男子
東芝、初の1位に!!
自身の専攻が活かせるメーカーに対する人気が復活。
文系・女子
東京海上日動火災保険、2年ぶりに1位奪還。
「憧れの3社」が崩壊し、「大手安定志向」だけが目立つまだら模様の結果に。
文系・女子
明治製菓、初の1位に。
トップテンの半数以上が食品関連メーカーに。

引用の通りで、私から付け加えるべきことも少ないんですが、文系・男子は総合商社を中心にメガバンクや証券会社がトップテンを占め、メーカーは入っていません。理系・男子は電機メーカーが人気ですが、自動車メーカーはトップテンにありません。文系・女子はまだら模様で、理系・女子は食品会社がトップテンに6社もあり人気となっています。いうまでもなく、大手安定志向が強く表れています。理系・男子でトップテン入りしたJR東日本なんかは典型といえそうです。対象が企業らしいですから表には現れていませんが、公務員なんかも人気が高そうな気がします。

明日からのセンター試験を前に、週末前ということで軽く取り上げてみました。一応、「経済評論の日記」に分類しておきます。

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2010年1月14日 (木)

まだまだプラスに転じない機械受注統計と企業物価統計

本日、内閣府から昨年11月の機械受注統計が、また、日銀から昨年12月の企業物価指数が、それぞれ発表されました。相変わらず、どちらもプラスに転じません。特に大きなマイナスを記録したのは機械受注で、船舶と電力を除く民需のコア機械受注が季節調整済みの前月比で▲11.3%減と大きく減少しました。市場の事前コンセンサスではわずかながらもプラスと見込まれていただけに、ネガティブ・サプライズと受け止められています。内閣府も基調判断を下方修正しています。まず、日経新聞のサイトから関連する記事を引用すると以下の通りです。

機械受注統計
内閣府が14日発表した昨年11月の機械受注統計によると、設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」(季節調整値)は前月比11.3%減の6253億円だった。2カ月連続で前の月を下回り、受注額は比較可能な1987年4月以降で最低になった。通信業者が携帯電話の受注を減らしたことが大きく影響した。景気の先行き不透明感から企業の設備投資がふるわない状態だ。
今回の統計を受け、内閣府は機械受注について「下げ止まりつつあるものの、一部に弱い動きがある」と基調判断を下方修正した。下向きに見直すのは1年ぶり。会見で津村啓介政務官は「景気回復は外需中心で自律性に乏しい」と指摘。「足元では為替が安定してきた上、昨年12月にまとめた成長戦略を実行することで、企業の投資回復を期待したい」との認識を示した。
昨年11月時点の10-12月の受注見通しは前期比1.0%増と7四半期ぶりに増加に転じる予想だった。11月の大幅マイナスで、見通しを達成するには12月に前月比22.0%増になる必要がある。
企業物価指数
日銀が14日発表した2009年の国内企業物価指数(05年平均=100、速報値)は103.0となり、前年に比べて5.3%低下した。これまで最低だった1986年の4.7%低下を更新し、60年の統計開始以来過去最大のマイナス幅となった。08年秋以降の世界経済の減速で、原油や資源などの需要が大幅に後退し、価格が低下したことが響いた。
国内企業物価指数は出荷や卸売りの段階で企業同士がやり取りする価格から算出する。企業物価が下がると消費者物価も連動して下がることが多い。デフレにもつながることから、企業収益の圧迫要因にもなる。09年12月は前年同月比3.9%低下と12カ月連続のマイナスだったが、マイナス幅は4カ月連続で圧縮した。
09年の年間平均の前年比変動率を品目別でみると「石油・石炭製品」が33.9%と大幅に低下。「化学製品」も9.3%下がった。どちらも原油価格の影響を色濃く受ける。原油はここにきて上昇の兆しをみせているものの、09年の平均価格が過去最高値をつけた08年と比べると下がっており、反動が表れている。

まず、コア機械受注のグラフは以下の通りです。青の折れ線が毎月の季節調整済みのコア機械受注額、赤がその後方6か月移動平均です。いずれも左軸の単位は兆円です。影をつけた部分は景気後退期なんですが、直近の谷は昨年2009年3月と仮置きしています。

コア機械受注の推移

この11月の大きな減少は、引用した新聞記事にもあるように、携帯電話など何らかの特殊要因による単月のイレギュラーな動きなのかもしれません。少なくとも、11月下旬のドバイ・ショックによる円高の進行との関連性は薄いと私は受け止めています。ですから、先行きについても悲観的になる必要はないと考えていますが、そもそも、今年いっぱいくらいは設備投資がほぼゼロ近傍で推移すると予想していますので、さらに大きく落ち込むことは想定していません。12月統計でどのくらいリバウンドするかに注目したいと思います。

企業物価の推移

次に、企業物価の前年同月比上昇率は上のグラフの通りです。赤い折れ線が国内物価、緑が輸出物価、水色が輸入物価のそれぞれの前年同月比上昇率です。国内物価は12月になっても前年同月比で▲3.9%の下落と、マイナス幅は縮小しているものの、依然として、デフレが続いています。他方、輸出入物価は12月から水面上に顔を出しプラスに転じました。原油価格が上昇していることと円高の影響です。輸出入物価に比較して、国内物価は persistent ですから、日銀が現在の金融政策に固執する限り、プラスに転じるのはもう少し時間がかかりそうな気がします。

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2010年1月13日 (水)

大雪の影響で予定が遅れまくり

長崎の雪化粧

長崎だけでなく、日本全国でそうだったんでしょうが、今日は朝起きたら銀世界でした。南国九州にしては大雪が積もっていました。上の写真は、研究室に置いてあるデジカメで撮影したものです。一昨年の8月に赴任した折には、南国らしく棕櫚や蘇鉄の植えられている研究室の建物が夏の盛りに暑苦しかったんですが、その南国の植物も雪化粧です。
大学教員の当然の反応として、この土日に予定されているセンター試験の日でなくてよかった、というものでした。本学の教員の中にも滑って転んで大変なことになった某教授もいると聞き及んでおり、それはそれで誠にお気の毒ながら、この大雪がセンター試験に重ならなかったのは不幸中の幸いかもしれません。雪への備えの手薄いであろう長崎で、センター試験の当日に大雪が降れば大混乱は間違いのないところだろうと勝手に想像しています。なお、某教授の「大変なこと」の実態も聞き及んでいるんですが、広く公開しているブログでは差し控えます。

私の仕事も予定がキャンセルされたりして大わらわでした。いろんな予定が遅れまくりです。でも、定例の教授会だけはしっかり開催されたりしています。

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2010年1月12日 (火)

国際収支と銀行貸出しと景気ウォッチャー調査

本日、財務省から11月の経常収支をはじめとする国際収支統計が、また、日銀から12月の銀行貸出などの貸出・資金吸収動向を含むマネーストック統計が、さらに、内閣府から12月の景気ウォッチャー調査の結果が、それぞれ発表されました。まず、経常収支と銀行貸出しについて日経新聞のサイトから関連する記事を引用すると以下の通りです。

経常収支
財務省が12日発表した2009年11月の国際収支速報によると、モノやサービス、投資など海外との総合的な取引状況を示す経常収支は1兆1030億円の黒字になり、前年同月比76.9%増の大幅増になった。アジア向け輸出が持ち直したことなどが影響した。投資による収益を示す所得収支は企業の海外子会社の業績悪化などから、5カ月連続で前年同月を下回った。
貿易・サービス収支は4395億円の黒字で、前年の赤字から黒字に転じた。金融危機の影響で経常収支は急激に縮小したが、世界経済の持ち直しに合わせて増加傾向が続いている。輸出額から輸入額を引いた貿易収支は4906億円の黒字。輸出入とも前年同月を下回ったが、輸入の減少幅の方が大きく、差し引きで黒字になった。
貿易動向を通関統計ベースでみると、輸出額は米欧向けが前年を下回ったが、アジア向けが増えたことで、全体では7.0%減の4兆7044億円と、小幅なマイナスにとどまった。中国向けのプラスチック原材料や自動車部品が伸びた。輸入額は18.2%減の4兆2138億円だった。
銀行貸出し
日銀が12日発表した2009年12月の「貸出・資金吸収動向」によると、全国銀行の貸出残高(月中平均)は前年同月比1.2%減の402兆2097億円で、06年1月以来の減少に転じた。金融危機の影響で企業の貸し出し依存が強まった前年の反動が出たうえ、運転資金や設備投資などの資金需要が弱めに推移していることが響いた。
内訳をみると、都銀が3.1%減の208兆4016億円で、2カ月連続で減った。前年同月は社債やコマーシャルペーパー(CP)などによる資金調達が難しくなった大企業などから融資要請が相次ぎ、貸出残高が大幅に伸びていた。地方銀行と第二地方銀行の合計は0.9%増の193兆8081億円で、57カ月連続で増えた。
12月末のCP引受残高は15.7%減の11兆4040億円で、15カ月連続で前年同月を下回った。市場自体は回復してきているが、企業の資金需要が引き続き弱いうえ、既に手元資金を厚めに確保していることもあり、需要が伸びなかった。

まず、経常収支は順調に回復過程にあります。内外の景気回復テンポの差が表れています。下のグラフは経常収支とそのコンポーネント収支を寄与度の形で表しています。いずれも季節調整済みの系列で、青い折れ線が経常収支、積上げ棒グラフは経常収支の構成項目です。簡単に済ませておきます。

経常収支の推移

次に、銀行貸出しはとうとう前年同月比でマイナスを記録しました。引用した記事にもある通り、全国銀行ベースで▲1.2%減、信金を加えても▲1.0%減です。特に、都銀が▲3.1%減と下げ幅を加速させています。下のグラフは銀行貸出しの前年同月比なんですが、上のパネルは銀行と信金の合計の貸出し平均残高、下は全国銀行の末残ですから、微妙にベースは異なりますが、大雑把に、上のパネルの寄与度を下のパネルが表していると考えて違和感ありません。なお、下のグラフの直近月は11月です。

銀行貸出の推移

この銀行貸出しの減少は、基本的には内需の伸びの鈍化による資金需要の減退だと私は考えています。信金が貸出しを増加させ、都銀が減少させている点からも、また、中小企業の資金繰り判断などを商工中金などの発表資料で見る限りにおいても、中小企業や地場産業などの資金繰りが大きく悪化しているとは考えられません。しかしながら、2点だけ注意しておきたいと思います。第1に、12月4日から施行されている「中小企業金融円滑化法」の影響です。いうまでもなく、この法律は中小企業や住宅ローンの借り手の申込みに対して金融機関が貸付条件を変更するよう促すもので、貸し手によっては厳格審査に走った金融機関もある可能性を排除できません。第2に、統計的なテクニカルな点も含めて、日銀の当座預金残高が今年に入ってから急激に減少していることです。昨年末時点では20兆円を超えていた当預残高が先週末には15兆円を下回っています。単に、年末年始の通例通りのオペの結果で、私が知らないだけかもしれませんが、やや気にかかる点ではあります。

景気ウォッチャー調査の推移

最後に、景気ウォッチャー調査の結果は上のグラフの通りです。9月のシルバーウィークの反動や年末賞与の減少予想などから10-11月は下げていたんですが、実際にボーナスが支給された12月は3か月振りにチョッピリ上昇しました。これだけのデフレですから、マインドのさらなる向上は難しそうな気がします。

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2010年1月11日 (月)

東野圭吾「ガリレオシリーズ」短編集を読む

この冬休みにおいて、いろいろと本は読みましたが、最も印象深かったのは東野圭吾さんの「ガリレオシリーズ」でした。短編5編ずつを収めた短編集と『容疑者Xの献身』、さらに、『聖女の救済』という2本の長編が刊行されています。このうち、直木賞を受賞した『容疑者Xの献身』はすでに4年も前の2006年1月31日付けのエントリーで取り上げましたので、今夜は短編集3冊に注目します。なお、恥ずかしながら、『聖女の救済』はまだ読んでいません。短編の3冊は出版順に以下の通り、『探偵ガリレオ』、『予知夢』、『ガリレオの苦悩』で、最初の2冊は文庫本になっています。

「ガリレオシリーズ」短編集

まず、手抜きで東野圭吾ガリレオシリーズ特設サイト『倶楽部ガリレオ』から引用したあらすじ集です。出版している文藝春秋のサイトですから、ネタバレはないと思います。

『探偵ガリレオ』
「第一章 燃える」
街路にたむろしていた少年たちが火災に見舞われ、一人が死亡する事件が起きた。目撃者証言によれば、焼死した少年の後頭部が突然発火し始めたという。特別な熱源のない場所で、なぜそのような現象が起きたのか。一部で囁かれる、プラズマによる自然発火説の実現の可能性を確認するため、警視庁捜査一課の草薙俊平は母校・帝都大学工学部物理学科で教鞭をとる、かつての学友・湯川助教授を訪ねた。彼の提示する驚くべき仮説とは?
「第二章 転写る」
中学生がひょうたん池から引き上げた物体は、失踪した柿本進一の顔を写し取ったアルミニウム製のデスマスクだった。池を捜索した警察は柿本の他殺体を発見するが、わざわざ死に顔から型を取った犯人の動機を量りかね、捜査は混乱する。そのころ草薙刑事は、柿本と多額の金のやりとりをしていた人物に疑いの眼差しを向けていた。しかし鉄壁のアリバイが容疑者を護っているのだ。謎を解く鍵は、湯川 学の行う驚異の物理実験にある。
「第三章 壊死る」
女は、ある男に殺意を抱いていた。彼女を思慕するもう一人の男が女の前に現れ、絶対に露見しない殺人方法があると伝えた……。今回取り上げられるのは、スーパーマーケットを経営する高崎邦夫という男が、自宅の浴室内で奇妙な死に方をしたという謎だ。死因は心臓麻痺だが、高崎の死体は右胸の一部の細胞だけが完全に壊死した状態だったのだ。事件の関係者を観察した湯川は一目でその職業を見抜き、草薙刑事に捜査の糸口を与える。
「第四章 爆ぜる」
海岸で謎の爆発が起き、ビーチマット上で休憩していた女性が命を奪われた。帝都大学工学部出身のエンジニアが撲殺死体として発見された。一見なんの関係もない二つの事件が、一点で結びつく。エンジニア殺人事件を捜査中の草薙刑事から情報を得た湯川は、自ら事件の現場を巡り謎解きのための手がかりを集めるが……。珍しく湯川 学が草薙刑事に先行して単独行動をとり、現場を飛び回る。研究者の矜持に触れた幕切れも鮮やかな一篇だ。
「第五章 離脱る」
二十七歳の長塚多恵子が自室で他殺体として発見されたとき、捜査陣の面々は誰もが痴情絡みの犯行を疑った。予想通り、ある保険会社員が容疑者として身柄を拘束される。だが意外な人物が現れて、彼が殺人現場から離れた場所にいたという証言を行った。驚いたことにその証人は子供で、高熱に浮かされて幽体離脱をし、その場面を目撃したというのだ。幽体離脱なるものが本当にあるのか確かめろと草薙刑事に迫られ、湯川 学しぶしぶ出陣。
『予知夢』
「第一章 夢想る」
十六歳の森崎礼美の寝室に忍び込んだ坂木信彦は、礼美の母親に見咎められて逃走し、轢き逃げ事故を起こした。奇妙なことに坂木信彦は、十七年前から自分はいつかモリサキレミという名前の女性と結ばれるのだという夢想を口にしていたという。坂木の弁護士が精神異常を申し立てる可能性があるため、草薙刑事は湯川 学に出馬を要請した。坂木が予知夢を見たというのは本当なのか。だが湯川の推理は、予想外の方向へ進んでいってしまう。
「第二章 霊視る」
長井清美が小杉浩一によって殺害されたほぼ同時刻、現場から離れた場所で彼女の姿を目撃した者がいた。いわゆる霊視の可能性はないかと、草薙刑事から相談を持ちかけられた湯川は、単なる錯覚だと笑い飛ばした。だが草薙の漏らした一言が湯川の顔色を変え、現場へと誘うことになる。湯川によれば、この一件は小杉が自供した通りの単純な衝動殺人ではなく、さらに裏があるというのだ。長井清美のライフスタイルに隠された秘密とは?
「第三章 騒霊ぐ」
草薙刑事は、姉の友人の神崎弥生から相談を持ちかけられた。彼女の夫が五日前から行方不明になっていたのだ。その足取りは、高野ヒデという老婦人の家で途絶えていた。草薙が高野家を訪ねると、そこにはヒデの親類と称する男女がいた。数日前に老婦人は亡くなったのだという。彼らの挙動に不審な点を感じた草薙は高野家を張り込む。やがて、家全体を揺るがす、強烈な振動が……。ポルターガイスト騒動の謎を解き明かす湯川 学の活躍。
「第四章 絞殺る」
町工場を経営する矢島忠昭は、旧い借金を返してくれる人が現れたと言い残して外出し、そのまま帰らなかった。忠昭の娘・秋穂は、前夜火の玉を見たと語り、不安に震える。翌日、忠昭はホテルの一室で絞死体として発見された。奇妙なことに、現場の床にはそれまで無かった焼け焦げの痕があったのだ。草薙をはじめとした捜査陣は忠昭の妻・貴子のアリバイが不完全であることに着目する。だが湯川のみは、事件の違った側面を見ていた。
「第五章 予知る」
菅原直樹は眼前の光景に凍りついた。愛人の瀬戸富由子が、向かいのマンションの部屋で、彼に見せつけるように首を吊って死んだのだ。警察が現場検証のためにやってきたが、事件当時の直樹には完璧なアリバイがあり、状況はすべて自殺の方向を示していた。ただ一点、菅原家の隣室に住む少女が事件の三日前に、富由子の部屋で女性が首を吊っている姿を見たと証言していることを除いては。草薙刑事の要請で、再び予知の謎に挑む湯川 学。
『ガリレオの苦悩』
「第一章 落下る」
一人住まいの女性がマンションから転落して死亡した。自殺ではない。何者かが彼女を殴って昏倒させ、突き落としたのだ。警視庁捜査一課の刑事・内海 薫は、被害者の恋人が犯人であると直観する。犯人は時限装置を用いて犯行時間を偽装し、アリバイ工作を行ったのだ。物理トリックを暴くため、薫は草薙から湯川 学への紹介状をとりつける。事件捜査から身を引いた湯川を、再び現場へ向かわせることができるのか。薫の手腕が問われる。
「第二章 操縦る」
帝都大学理工学部に助教授として在籍中、「メタルの魔術師」の異名をとっていた友永幸正は、脳梗塞の後遺症のため現在は車椅子に頼って生活をしている。かつての教え子が彼の自宅に集うことになっていた日に惨劇は起きた。離れが火事になり、長男の邦宏の他殺体が発見されたのだ。かけつけた捜査陣の前に、招待客の一人であった湯川 学が姿を現す。湯川は、友永の言動に不審を感じ取っていた。彼は何かを隠しているようなのだ。果たして事件との関連は……?
「第三章 密室る」
湯川 学の大学時代の友人・藤村は、ペンション経営者だ。その彼のペンションの泊り客が、部屋を抜け出して崖から転落死するという事件が起きた。藤村から事件の背景を解き明かすよう依頼された湯川は、現地で調査を開始する。死亡した泊り客の部屋は、施錠され、一種の密室になっていた。その点は確かに怪しかったが、湯川の嗅覚はほかにも不審なことを嗅ぎつけていた。当日の状況について調べるうちに、彼は意外な真相にたどり着く。
「第四章 指標す」
留守番中の老婦人が強盗殺人の犠牲者になった。現場からは、十キロもの金塊が消えていたという。捜査の過程で、被害者宅を覗き込む保険外交員の女性が目撃されていたことが判明した。その中学生の娘が、奇妙な行動をとり始める。水晶の飾りがついた“真実を教えてくれる振り子”を使って、被害者宅から消えた犬の死体を捜し当てたのだ。母親の無実を証明するために水晶の力を使ったと称する彼女の言葉に裏はないのか。科学的な根拠を検討するため湯川 学に出馬が求められる。
「第五章 撹乱す」
「悪魔の手」と名乗る者によって、警視庁に怪文書が送りつけられてきた。見えざる手によって人を葬ってみせるとする内容で、湯川 学に対して挑戦の意志を示していた。やがて送られてきた第二の挑戦状で、悪魔の手は実際に手を下したと宣言する。手紙に記されていた被害者は実在し、建築現場で転落死を遂げていた。だが、どう見ても事故死にしか思えない状況だ。現場に姿を現さず、指の一本も触れることなく人を死なせる手段とは一体何か。

ご存じの方も多いと思いますが、『探偵ガリレオ』と『予知夢』の2冊に収められた計10話は2007年10-12月にフジテレビでドラマ化されています。実は、この2冊とついでに『容疑者Xの献身』には女性の内海刑事は出て来ないんですが、テレビドラマの中では湯川助教授とともに主人公だったりします。なお、内海刑事の初出は『ガリレオの苦悩』の第1話です。なお、昨年12月末にフジテレビで一挙に10話を3日に分けて再放送されました。私は再放送1日目の1-3話を撮り逃したんですが、残りの4-10話を我が家のおにいちゃんとともに楽しみました。
テレビドラマの方に関連する話題で、『探偵ガリレオ』文庫本のあとがきは俳優の佐野史郎さんが書いていて、その理由は原作者である東野圭吾さんのガリレオのイメージが佐野さんだったから、というものなんですが、フジテレビのドラマでは福山雅治さんがガリレオこと湯川助教授を演じていて、小説の方でも段々とそのイメージに変化して来ているような気がするのは私だけではないと思います。なお、ドラマにあったように、湯川助教授が事件に関して何かひらめいて、突然、数式を解き始めるシーンは小説にはありません

最後に、テレビドラマのタイトルバックに現れる時計台は間違えようもなく、我が母校の京都大学でした。天才物理学者 ⇒ 湯川 ⇒ 京都大学、というのは自然な連想かもしれません。

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2010年1月10日 (日)

行動半径が狭い!

そろそろ、2月で長崎大学に来て1年半になります。ツラツラと考えるに、この間、私の行動半径の狭さに磨きがかかったような気がします。九州一円は言うに及ばず、ほとんど、長崎県内も出歩いていません。ある意味では、せっかくの機会が与えられながら、もったいないような気もしないでもありません。
元来、私は行動半径が狭いので、ジャカルタにいる時なども、「インターネットに接続したパソコンがあれば、インドネシア国内を見て回る必要はない」などとうそぶいて、かなり強引に同僚に説得されるまで国内出張はせず、家族で東南アジア一帯やオーストラリアを旅行するくらいだった記憶があります。帰国して青山に居を定めてからも、中央線に区切られた山手線の南半分でほとんど用が足りていました。この正月休みも、初詣は近くの港区内の神社で済ませ、山手線の外に出たのは数えるくらいです。長崎に来てからも、飛行機に乗るために空港に行く以外は路面電車の駅から1キロと離れたところには行ったこともありません。長崎では欲しいものを手に入れるためにもう少し歩き回るかと想像していましたが、逆に、長崎では入手できないために通信販売を利用することを覚えてしまいました。ひょっとしたら、自動車を持っていないということが最大の原因かもしれないと思いつつ、減税や補助金を強調するコマーシャルを見ても食指が動かず購入の予定はありません。

お出かけしたわけではありませんが、エントリーの趣旨から「お出かけの日記」に分類しておきます。

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2010年1月 9日 (土)

米国雇用統計のグラフィックス

昨日、米国の労働省から昨年12月の米国雇用統計が発表されました。ヘッドラインとなる非農業部門雇用者数は季節調整済みの前月比で▲85千人の減少、失業率も同じく季節調整済みの系列で10.0%と前月から横ばいでした。この結果、2009年を通じた雇用者数の減少は▲4,164千人となり、直近の12月の統計から見ても、まだまだ厳しい雇用情勢が続いており、米国の景気回復力は鈍いことが明らかになりました。
週末ですので、論評抜きに関係するグラフィックスだけ取り上げておきます。まず、いつものグラフは以下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差で、下のパネルは軍人を除く失業率です。いずれも季節調整済みの系列で、影をつけた部分は景気後退期ですが、直近の米国景気の谷は2009年6月と仮置きしています。

米国雇用統計の推移

次に、New York Times のサイトから引用したフラッシュは以下の通りです。毎月のように工夫が凝らされていて、見ていて感心します。

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2010年1月 8日 (金)

景気動向指数はそろそろ曲がり角に達したか?

本日、内閣府から11月の景気動向指数が発表されました。ヘッドラインとなる一致指数CIは10月の89.4から91.2へと+2.0%上昇しました。基本的に、好調な外需に支えられて景気は拡大しています。しかし、そろそろ、昨年10-12月期あたりから今年前半にかけて、好調な外需と政策効果が切れ始めた内需の綱引きの段階に入りかけていると私は認識しています。昨年1-3月期を谷とする現在の景気回復過程がいきなり踊り場に入った可能性があります。取りあえず、いつものグラフは以下の通りです。上のパネルはいずれも季節調整済の景気動向指数CIですが、赤い折れ線が一致指数、水色が先行指数です。下のパネルはDIです。上下のパネルとも影をつけた部分は景気後退期ですが、直近の谷は昨年2009年1-3月期と仮置きしています。

景気動向指数の推移

他方、日経産業天気インデックス (日経DI) では今年2010年1-3月期は▲31.7と4四半期振りに低下する見通しとなっています。日経DIは昨年10-12月期まで2四半期連続で合わせて+13.3ポイント改善しましたが、一貫して日が差していたアミューズメントがほぼ11年振りに「曇り」に転落するため、1-3月期には天気が改善する業種はなくなります。 下のグラフは日経新聞のサイトから引用しています。

日経産業天気インデックスの推移

最後に、ダメ押しではないんですが、帝国データバンクのTDB景気動向調査でも、最新の12月調査では11月に続いて2か月連続の低下を示しています。下のグラフの通りです。縮小したので見づらい向きは、引用元の帝国データバンクのリポートご覧下さい。

TDB景気動向調査の推移

景気はマクロでは回復に向かっているように見受けられますが、何を見るかで大きく様相が異なる局面に差しかかっています。大雑把に、輸出に支えられている大企業や製造業と政策効果が剥落し始めている中小企業や非製造業のどちらを見ているのかで景気判断が異なる可能性があります。今年年央から後半にかけて、本格的な景気回復の前にどのような踊り場を迎えるのか、エコノミストとして注目しています。

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2010年1月 7日 (木)

正月特番「陽炎の辻」を見て、佐伯泰英『更衣の鷹』上下(双葉文庫)を買う

お正月の元旦7時過ぎからNHKで正月時代劇「陽炎の辻スペシャル」を放送していました。私はこの番組のファンでしたので、しっかりと見ました。原作のうちの『照葉の露』の前半のお話をベースにしたドラマでした。いつもの直リンしたフラッシュは「陽炎の辻スペシャル」のサイトから引用しています。また、原作の最新刊が今日から発売されていて、これもしっかりと買い込みました。双葉文庫から佐伯泰英『更衣の鷹』上下として出版されています。私のことですから、3連休の前に読み終わってしまいそうな気もします。

佐伯泰英『更衣の鷹』上下(双葉文庫)

少し気にかかるのは、ドラマでは少しずつ原作と異同が生じて来ていることです。この正月特番ではそれが拡大したように思います。私の見たところ、深川の浪人仲間だった竹村武左衛門とその一家に原作とドラマの異同が大きいように見受けられます。武左衛門の長女の早苗は原作では尚武館佐々木道場に奉公に出るんですが、ドラマでは今津屋になっていますし、このお正月スペシャルで、竹村武左衛門自身が仇討を助太刀した直参旗本設楽家のお屋敷の下働きに入ることになってしまいました。原作では奏者番安藤対馬守の下屋敷の門番ではなかったかと記憶しています。また、正月特番では設楽家の仇討には品川柳次郎と竹村武左衛門が佐々木磐音に同行するんですが、原作では南町奉行所の同心である木下一郎太が主導していたように思います。ドラマではどうも木下一郎太とその上司である年番方与力の笹塚孫一などとともに南町奉行所の影がものすごく薄いような気がします。

一応、「読書感想文の日記」に分類しておきます。

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2010年1月 6日 (水)

村上春樹新訳になるフィッツジェラルド『冬の夢』(中央公論社)を読む

フィッツジェラルド『冬の夢』(中央公論社)村上春樹さんの新訳で出版されたフィッツジェラルド『冬の夢』(中央公論社)を読みました。(1)「冬の夢」、(2)「メイデー」、(3)「罪の赦し」、(4)「リッツくらい大きなダイアモンド」、(5)「ベイビー・パーティー」、の5作品が収められた短編集です。もっとも、(2)「メイデー」などはかなり長くて、中編といってもおかしくないくらいです。なお、(1)「冬の夢」、(3)「罪の赦し」、(5)「ベイビー・パーティー」については光文社から、(2)「メイデー」、(4)「リッツくらい大きなダイアモンド」も岩波文庫から既訳が出ていますから、本邦初公開はありません。まあ、フィッツジェラルドの短編なんですから当然でしょう。それに、すでに翻訳が出版されているとはいっても、村上春樹さんが新訳を出すといえば、私のように、もう一度読みたいと読書意欲をそそられる読者も少なくないと思います。もっとも、私独自の分類ながら、この本は本来であれば文句なく「買う本」に当たるんですが、なぜか、図書館で借りられたので、「借りて読む本」になってしまいました。我が家の子供達が高校生くらいになると買い与えるかもしれません。
繰返しになりますが、短編5編が収められています。しかし、圧倒的に表題作の「冬の夢」がいいです。訳者である村上さんのご指摘をまつまでもなく、ジュディに対するデクスターの恋心は『グレート・ギャッツビー』におけるギャッツビーのデイジーへの想いに相当します。ただし、ジュディ・ジョーンズはデイジーと違って、やや魔性の小悪魔的な要素を持ち合わせています。デクスター・グリーンはギャッツビーのように殺されたりはしません。しかし、いずれもはかない恋の物語です。

最後の解説にあるように、この『冬の夢』は『グレート・ギャッツビー』以前の短編集という位置づけで翻訳されています。当然、『グレート・ギャッツビー』以降の短編集も準備されているようですから、今から楽しみです。

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2010年1月 5日 (火)

NHK大河ドラマ「龍馬伝」の視聴率やいかに?

龍馬伝一昨日の1月4日の夜からNHK大河ドラマ「龍馬伝」の放送が始まりました。福山雅治さんの主演です。すでに、昨年11月3日のエントリーで軽く取り上げておきましたが、経済効果は高知県で234億円、長崎県で210億円と、それぞれ日銀の支店で試算されています。どうでもいいことですが、龍馬の生誕の地である高知県が観光客増を37万人と見込んでいるのに対して、長崎県は141万人と見込んでいます。長崎県の観光にかける意気込みが過大評価につながっていないことを願っています。もっとも、一昨年に放送された「篤姫」の経済効果では、当初予測では観光客数増加率を+8.6%と見込んでいたそうなんですが、2008年実績は前年比+4.8%に止まったそうですから、どこまでアテになるかは分かりません。
昨日の夕刊各紙で取り上げていたのは「龍馬伝」の初回放送の視聴率でした。ビデオリサーチのサイトから、最近、2001年以降のNHK大河ドラマの視聴率を引用すると以下の通りです。数字はいずれもパーセントで、関東地区をベースにしています。

放送番組名初回最高平均
2010龍馬伝23.2??
2009天地人24.726.021.2
2008篤姫20.329.224.5
2007風林火山21.022.918.7
2006功名が辻19.824.420.9
2005義経24.226.919.5
2004新選組!26.326.317.4
2003武蔵 MUSASHI21.724.616.7
2002利家とまつ・加賀百万石物語26.127.622.1
2001北条時宗19.621.218.5

見れば明らかなんですが、初回視聴率はそこそこ稼いでも、平均視聴率は初回より下がるという傾向が読み取れます。極端なのは2004年の「新撰組!」で、表を見る限り、初回が最高視聴率で後は低下して行ったように見受けられます。例外は2008年の「篤姫」と2006年の「功名が辻」だけで、特に、「篤姫」は放送ごとに評価を高めていったのを私でも記憶しています。なお、この2本に共通しているのは、私の好みの女優さんが主演していることかもしれません。果たして、「龍馬伝」はどちらのパターンになるんでしょうか?

ついでながら、今日の朝刊で見かけましたが、「芥川賞」「直木賞」の候補作合わせて11作品が発表されました。以下の通りです。

氏名作品
芥川賞
大森兄弟
(おおもりきょうだい)
「犬はいつも足元にいて」 (文藝冬号)
羽田圭介
(はだけいすけ)
「ミート・ザ・ビート」 (文學界12月号)
藤代 泉
(ふじしろいずみ)
「ボーダー & レス」 (文藝冬号)
舞城王太郎
(まいじょうおうたろう)
「ビッチマグネット」 (新潮9月号)
松尾スズキ
(まつおスズキ)
「老人賭博」 (文學界8月号)
直木賞
池井戸潤
(いけいどじゅん)
「鉄の骨」 (講談社)
佐々木譲
(ささきじょう)
「廃墟に乞う」 (文藝春秋)
白石一文
(しらいしかずふみ)
「ほかならぬ人へ」 (祥伝社)
辻村深月
(つじむらみづき)
「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」 (講談社)
葉室 麟
(はむろりん)
「花や散るらん」 (文藝春秋)
道尾秀介
(みちおしゅうすけ)
「球体の蛇」 (角川書店)

私の記憶が正しければ、直木賞にノミネートされた葉室麟さんと道尾秀介さんは、前回も候補に上がっていたような気がします。いずれも14日夕刻、東京築地の新喜楽で開かれる選考会で授賞が決定します。いつも通り、私も「文学賞メッタ斬り!」のサイトでも参考に、文学賞レースを見て行きたいと思います。

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2010年1月 4日 (月)

干支をポケモンで表すとどうなるか?

正月休みも昨日までで、今日から仕事というサラリーマンも多いかもしれません。カレンダーがピッタリそうなっているから仕方ないような気もします。他方、学校は7日か8日に始まりますので、教師はそれまで惰眠をむさぼれそうな気もします。ただし、大学教員は次の次の週末、すなわち、1月の16-17日の土日にセンター試験がありますので、その準備に追われる人もいたりします。

といった話題とは何の関係もなしに、昨年と今年の干支について考えます。言うまでもなく、昨年は丑年で今年は寅年です。いずれも実在の動物です。もっとも、干支の12支がすべて実在の動物かというと、辰年などは怪しいかもしれません。我が家ではポケモンで丑と寅を考えてみます。まず、丑はケンタロスという感じではないかと思います。

ケンタロス

ケンタロスは「あばれうしポケモン」です。しかし、ポケモンの中にはミルタンクもいます。

ミルタンク

ミルタンクは「ちちうしポケモン」です。ケンタロスにもミルタンクにも「うし」という言葉が入っています。

ライコウ

最後に、寅はライコウだろうと決まりました。

ポケモン映画「幻影の覇者 Z」

今夏に封切られるポケモン映画のタイトルは「幻影の覇者 Z」というらしいんですが、映画のポスターには猛獣型ポケモン3匹の上にセレビィが配されています。猛獣型ポケモンは向かって左からエンテイ、ライコウ、スイクンと並んでいます。エンテイは「かざんポケモン」で茶色っぽいのでライオン、スイクンは「オーロラポケモン」で水色、真ん中のライコウが「いかずちポケモン」で黄色っぽいのでトラではないかと考えられます。もっとも、黄色いのは雷型ポケモンの特徴で、ピカチュウと同じです。

久し振りに「ポケモンの日記」をアップしておきます。

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2010年1月 3日 (日)

下の子が書初めをする

書初めをする下の子

本来、昨日の1月2日が古来より書初めの日とされているんですが、我が家の下の子が今日になって小学校の宿題をこなしています。おにいちゃんの中学校では書初めは宿題になっていないようです。

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2010年1月 2日 (土)

笑う門には福来たる!

笑う門には福来る

毎年、お正月には同じようなエントリーをアップしているんですが、これもそうです。テレビのお笑い番組を見て笑い転げる子供達です。例年の前例にならって、「笑う門には福来たる」とのタイトルにしておきます。

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お正月のゲームと言えば!

一家で人生ゲーム

私の単身赴任と子供達の成長のため、昨年は回数がグッと減ったんですが、やっぱり、お正月ですので一家で人生ゲームを楽しみます。今年1番の勝負では下の子がトップになりました。ゴールインするのも1番早ければ、稼いだ金額も1番でした。
夕食はお節料理にも飽きたので、下の子のリクエストで一家そろって餃子の王将に行きました。我が家では、小学生ながら下の子がグルメ関係は大きな影響力を持っていたりします。

一家で餃子の王将に行く

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2010年1月 1日 (金)

一家で乃木神社に初詣

改めて、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

一家で乃木神社に初詣

一家で初詣に行って来ました。例年と同じく家から近い乃木神社です。昨年ほど人出は多くなく、参拝もおみくじも時間はかかりませんでした。おみくじは、なぜか、私とおにいちゃんが同じ番号で「吉」、女房と下の子も同じ番号で「大吉」でした。偶然としか言いようがありません。

今年もみなさまにとってよい年でありますように。

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あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

新しい年2010年が明けて、少しでも世界経済が上向くことを願っています。
それでは、もう寝ます。おやすみなさい。

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