景気動向指数はそろそろ曲がり角に達したか?
本日、内閣府から11月の景気動向指数が発表されました。ヘッドラインとなる一致指数CIは10月の89.4から91.2へと+2.0%上昇しました。基本的に、好調な外需に支えられて景気は拡大しています。しかし、そろそろ、昨年10-12月期あたりから今年前半にかけて、好調な外需と政策効果が切れ始めた内需の綱引きの段階に入りかけていると私は認識しています。昨年1-3月期を谷とする現在の景気回復過程がいきなり踊り場に入った可能性があります。取りあえず、いつものグラフは以下の通りです。上のパネルはいずれも季節調整済の景気動向指数CIですが、赤い折れ線が一致指数、水色が先行指数です。下のパネルはDIです。上下のパネルとも影をつけた部分は景気後退期ですが、直近の谷は昨年2009年1-3月期と仮置きしています。
他方、日経産業天気インデックス (日経DI) では今年2010年1-3月期は▲31.7と4四半期振りに低下する見通しとなっています。日経DIは昨年10-12月期まで2四半期連続で合わせて+13.3ポイント改善しましたが、一貫して日が差していたアミューズメントがほぼ11年振りに「曇り」に転落するため、1-3月期には天気が改善する業種はなくなります。 下のグラフは日経新聞のサイトから引用しています。
最後に、ダメ押しではないんですが、帝国データバンクのTDB景気動向調査でも、最新の12月調査では11月に続いて2か月連続の低下を示しています。下のグラフの通りです。縮小したので見づらい向きは、引用元の帝国データバンクのリポートご覧下さい。
景気はマクロでは回復に向かっているように見受けられますが、何を見るかで大きく様相が異なる局面に差しかかっています。大雑把に、輸出に支えられている大企業や製造業と政策効果が剥落し始めている中小企業や非製造業のどちらを見ているのかで景気判断が異なる可能性があります。今年年央から後半にかけて、本格的な景気回復の前にどのような踊り場を迎えるのか、エコノミストとして注目しています。
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