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2010年2月26日 (金)

鉱工業生産と消費者物価の動向を占う

本日、経済産業省から鉱工業生産指数が、また、総務省統計局から消費者物価指数が、それぞれ発表されました。いずれも今年1月の統計です。鉱工業生産は季節調整済みの前月比で+1%程度の増産との市場の事前コンセンサスに対して、+2.5%と大幅に上回りました。また、消費者物価は生鮮食品を除くコアCPIの前年同月比で▲1.3%と11か月連続のマイナスを続けています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

鉱工業生産、2.5%上昇 1月、11カ月連続プラス
経済産業省が26日発表した1月の鉱工業生産指数(速報値、2005年=100)は91.9と、前月に比べて2.5%上昇した。輸出の増加や国内の政策効果などに支えられて11カ月連続で前月を上回った。ただ、2月の予測指数は0.8%低下となり、トヨタ自動車のリコール問題を受けた生産減など先行きにはリスク要因も残っている。
1月の生産指数は09年5月以来の伸び率で、市場予測の平均(1.0%上昇)を上回った。経産省は基調判断を「持ち直しの動きで推移している」に据え置く一方、生産の水準はなお低いとして、民間部門の自律的回復には至っていないという見方を示した。
業種別の生産指数では輸送機械工業が2カ月ぶりに5.5%上昇。国内や欧州などの海外向けの普通乗用車の生産が伸びた。合成洗剤やファンデーションなどの生産も好調で、化学工業は3.3%上昇した。一方、国内のゲーム機や海外の携帯電話機向けの半導体集積回路などの生産が落ち込み、電子部品・デバイス工業は1.3%低下した。
消費者物価、11カ月マイナス 1月1.3%、デフレ状態続く
総務省が26日発表した1月の全国消費者物価指数(CPI、2005年=100)は変動の大きい生鮮食品を除くベースで99.2となり、前年同月比で1.3%低下した。マイナスは11カ月連続。指数は1993年3月以来、約17年ぶりの低い水準となった。原油高騰の反動による大幅なマイナスは一巡したが、モノやサービスの値段が幅広く下がっていることが改めて裏付けられた。
食料とエネルギーを除いた指数(欧米型コアCPI)は前年同月比1.2%低下し、過去最低だった前月と並んだ。生鮮食品を含む総合指数は1.3%のマイナスだった。
1月は前の月まで指数を押し下げていた灯油が前年同月比でプラスに転じた。一方でCPIの調査対象である585品目のうち、上昇したのが139、下落したのが382。前の月に比べて下落品目が増えた。

続いて、鉱工業生産指数の動向は下のグラフの通りです。赤い折れ線が月次の季節調整済みの系列です。影をつけた部分は景気後退期なんですが、直近の景気の谷は昨年2009年3月と仮置きしています。

鉱工業生産指数の推移

前月比の+2.5%は市場の予想に比べてかなり大幅な増産だと受け止めるべきでしょうが、引用した記事にもある通り、2月の製造工業予測指数は▲0.8%の減産となっていますから、ならして見れば大きなサプライズではないのかもしれません。一昨夜に取り上げた貿易統計から春先くらいまでは輸出が順調で、おそらく輸出との連動性の強い生産も増産を続けると私は考えているんですが、気にかかるのは極めて不透明なトヨタのリコール問題です。昨年の今ごろは自動車産業とともに生産も雇用もすべて大きく傾いた記憶が残っていますから、気がかりではあります。
もうひとつの気がかりは次に詳しく取り上げる物価です。昨年2009年5月14日付けのエントリーで取り上げたように、生産の変動は在庫を通じて拡大され、景気循環を増幅させるんですが、実は、物価がデフレを続けていると、在庫が大きく圧縮されます。当然です。在庫品がデフレにより評価額を下げて行くんですから、どの企業も在庫を持ちたがりません。消費者や企業の消費や投資の先送りとともに、景気拡大の波及が大きく阻害されることになります。

消費者物価指数の推移

ということで、上のグラフは消費者物価の推移です。青い折れ線が生鮮食品を除くコアCPI、赤がエネルギーと食料品を除くコアコアCPI、グレーが東京都区部のコアCPI、のそれぞれの前年同月比上昇率です。棒グラフは青い折れ線のコアCPI前年同月比上昇率を寄与度分解したもので、緑色が食料品、黄色がエネルギー、水色が食料品とエネルギー以外のその他となっています。
コアCPIの前年同月比は一時の▲2%超から、大きくマイナス幅を縮小して、▲1.3%まで達しましたが、この大部分はエネルギーのマイナス寄与が縮小したものであることは明らかです。エネルギーと食料品以外のその他寄与度がグングンとマイナス幅を大きくし、2001-02年のデフレ期に迫っているのが見て取れます。エネルギー価格のかく乱的な動きはほぼ収束し、この先はコアとコアコアのCPI前年同月比上昇率がほぼパラレルな動きを示すという意味で、2001-02年のデフレ期と同じ状態に入ったと私は受け止めています。要するに、エネルギーの寄与が底を尽きましたから、上のグラフで青いラインで示したコアCPIの前年同月比が、これからさらにゼロ以上を目指す動きは止まったといえます。なんと、▲1%超の上昇率で止まってしまいました。戦後の先進国では驚くべきことといえます。ですから、物価上昇率をさらに引き上げたいのであれば、物価に責任を持つべき政策当局、すなわち、中央銀行が何らかの政策を発動することが必要です。

再び、三たび、大胆な予想ですが、来月16-17日に開催される金融政策決定会合において、私は何らかの追加的な金融緩和策が決定されると考えています。

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