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2010年2月 8日 (月)

順調に改善を示す景気ウォッチャー調査と経常収支

本日、内閣府から今年1月の景気ウォッチャー調査が、財務省から昨年12月の国際収支統計が、それぞれ発表されました。

景気ウォッチャー調査の推移

まず、景気ウォッチャー調査について、いつものグラフは上の通りです。1月の現状判断DIは、前月比+3.4ポイント上昇の38.8と2か月連続で上昇しました。先行き判断DIも前月比+5.6ポイント上昇の41.9と、同じく2か月連続の上昇となりました。家計部門ではエコカー減税・補助金と家電エコポイントが引き続きプラスに寄与し、企業部門ではデフレ圧力が強いものの、受注や出荷が上向いていることが要因です。雇用も上向きでプラスに寄与し始めましたので、現状・先行きとも1月はかなり大幅な上昇に見えます。基調判断は「景気は、下げ止まっていたものの、引き続き弱い動きがみられる」でなぜか据え置かれています。ただし、注意すべきなのは、いくつかの個別の景気判断理由集の中にチラホラと「株価の上昇により」という枕詞が散見されることです。ギリシアの sovereign crisis に端を発する現在の世界的な株安の動向が気にかかるところです。この株安がさらに大きな危機に発展するかどうか、私は現時点では楽観論と悲観論でニュートラルです。すなわち、より大きな危機に発展する可能性は控えめに言ってもゼロではないと見ています。

経常収支の推移

次に、国際収支の中の経常収支の推移は上のグラフの通りです。順調に回復していると私は受け止めています。でも、この時期に昨年の年間通年の統計が発表されると、メディアの関心が足元の景気よりも過去の年間統計に一気に傾くのを興味深く見ています。一例として、日経新聞のサイトから経常収支に関する記事を引用しておきます。

経常黒字2年連続減 09年18.9%、海外活動が縮小
財務省が8日発表した2009年の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、配当・利子など全体の取引状況を示す経常収支の黒字額は前年比18.9%減の13兆2782億円となり、2年連続で縮小した。金融危機の影響で海外子会社の業績が悪化し、投資による利益を示す所得収支が減ったことなどが響いた。09年12月の経常黒字は前年同月の5.5倍の9008億円と、足元は回復基調にある。
09年のモノとサービスの取引状況を示す貿易・サービス収支は2兆1196億円の黒字で、前年比12.2%増となった。2年ぶりに増加した。
輸出額から輸入額を引いた貿易収支は4兆611億円の黒字で、前年比0.8%増えた。ただ輸出額は34.3%減、輸入額は36.2%減といずれも比較可能な1986年以降で最大の落ち込み。08年秋からの金融危機で世界経済が悪化、貿易は全体的に縮小に陥った。また日本から海外に出かける旅行者が減ったことで海外で支払う宿泊や食事の支出が減少。サービス収支の赤字額が縮み、貿易・サービス収支を押し上げる結果になった。

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