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2010年3月30日 (火)

在庫調整が一段落し政策効果が一巡した生産と雇用統計

本日、経済産業省から鉱工業生産指数が、また、総務省統計局から失業率が、さらに、厚生労働省から有効求人倍率などの職業安定業務統計が、それぞれ発表されました。いずれも2月の統計です。まず、いつもの日経新聞のサイトから関係する記事を引用すると以下の通りです。

2月鉱工業生産0.9%下落 1年ぶりに低下、基調判断は据え置き
経済産業省が30日発表した2月の鉱工業生産指数(速報値、2005年=100)は前月より0.9%低い91.3と、1年ぶりに低下した。これまでけん引役だった自動車や液晶テレビなどの生産が減少した。低下率は民間調査機関の予測平均(0.5%低下)を上回ったが、1月の伸び率が高かったことの反動が出た要素もある。経産省は基調判断を「生産は持ち直しの動きで推移している」に据え置いた。
業種別では輸送機械工業が2カ月ぶりに2.5%低下した。トヨタのリコール問題などの影響で、国内や欧州向けの小型乗用車の生産が減った。情報通信機械工業は4.7%低下。4月にエコポイント対象商品が切り替わり、液晶テレビの一部が対象から外れることなどが響いた。
その一方で、中国や韓国など主にアジア向けの半導体製造装置やフラットパネル・ディスプレー製造装置などの生産が増え、一般機械工業は5.1%上昇した。出荷指数は0.2%低い92.7で、1年ぶりの低下。在庫指数は1.0%上昇し、95.5になった。
先行きの生産予測指数は3月に1.4%の上昇に転じるが、4月には再び0.1%の低下になる見込み。経産省は「足元の動きは比較的堅実だが、今後さらに注意深くみていく必要がある」と説明している。
予測通りであれば1-3月期は前期比で4.7%程度の伸びになり、昨年10-12月期の4.5%をやや上回る。ただリーマン・ショック以前の水準の88%程度にとどまっており、景気の本格回復にはまだ時間がかかりそうだ。
失業率横ばい、2月4.9% 求人倍率は0.01ポイント上昇
総務省が30日発表した2月の完全失業率(季節調整値)は4.9%と前月に比べて横ばいだった。厚生労働省がまとめた2月の有効求人倍率(同)は同0.01ポイント上昇の0.47倍となり、2カ月連続で改善した。厚労省は「持ち直しの動きがみられるものの、依然として厳しい状況にある」と慎重な見方を示している。
完全失業率は15歳以上の働く意欲のある人のうち、職に就いていない人の割合。男女別にみると、男性が5.2%、女性は4.4%だった。
2月の完全失業者は324万人。前年同月に比べて25万人増えた。就業者数は6185万人と80万人減った。製造業は54万人減の1049万人だったが、減少幅は1月(75万人減)よりもやや縮小した。政府が雇用の受け皿として期待する医療・福祉は42万人増の659万人と10カ月連続で増えた。
2月は有効求人数が前月に比べて1.5%増えた。製造業の新規求人数が前年同月比30.1%増えたことなどが寄与した。ただ全体の新規求人数は建設業などの低迷で前月比0.4%減少し、新規求人倍率も同0.01ポイント低い0.84倍と6カ月ぶりに悪化した。

次に、鉱工業生産指数のいつものグラフは以下の通りです。赤の折れ線が月次の季節調整済みの鉱工業生産指数で、影をつけた部分は景気後退期なんですが、直近の谷は昨年3月と仮置きしています。

鉱工業生産の推移

引用した記事にもある通り、生産は1年振りの減産なんですが、市場の事前コンセンサスであった▲0.5%減に対する実績の▲0.9%減ですから、大きなサプライズはありません。ただし、この先の製造工業予測指数は3月に+1.4%の上昇に転じた後、4月には再び▲0.1%の減産を見込んでいます。今年年初にほぼ在庫調整を終え、さらに、エコカー減税や家電エコポイントなどの政策効果に支えられた需要が一巡し、この先、年央から生産は一進一退の動きになりますが、輸出が好調な間は増産が続き、輸出次第で減産に入るという動きを示すものと私は受け止めています。2番底の懸念はほぼ解消されたと考えられます。それにしても、足元の1-3月期で考えれば、製造工業予測指数で引き延ばすと、10-12月期に続いて1-3月期も前期比で4%台半ばの増産となり、これだけでGDP前期比1%成長に相当します。生産は足元までは堅調です。しかし、年央以降は輸出の鈍化とともに生産もいままでの増産の勢いがなくなりますから、内需の動向が重要となります。その内需を支える雇用の動向をグラフで見ると以下の通りです。

雇用統計の推移

一番上のパネルは失業率、真ん中のパネルが有効求人倍率、一番下のパネルが新規求人数です。一見して分かる通り、雇用指標はいずれも底打ちを示しているものの、圧倒的に力強さに欠けるといえます。産業別の雇用者数の前年同月比増減を見たのが下のグラフですが、引用した記事にもある通り、順調に雇用を増加させているのは緑色の医療・福祉関係くらいだという気がします。生産から雇用・所得へ、さらに雇用・所得から景気拡大への好循環ルートが決定的に破壊されているのかもしれません。

産業別雇用者数の推移

少なくとも、私の接する学生の就活を見ている限り、この先、企業の採用姿勢が劇的に回復することは考え難いと受け止めています。

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