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2010年4月12日 (月)

減り続ける銀行貸出し、国民の預金は国債に向かうのか?

本日、日銀から2月のマネーストック統計が発表されました。マネーストック統計の速報といえる「貸出・資金吸収動向」については3月統計も発表されています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

3月の銀行貸出残高、2%減 4カ月連続マイナス
企業の設備投資意欲弱く

日銀が12日発表した3月の「貸出・資金吸収動向」によると、全国銀行の貸出残高(月中平均)は前年同月比2.0%減の401兆1327億円だった。4カ月連続のマイナスで、減少幅は2005年8月以来の大きさ。企業の設備投資意欲や資金需要が弱かったため。金融危機の影響で前年同月に貸出残高が大きく伸びた反動も出た。
内訳をみると、都銀が同3.6%減の206兆6757億円で5カ月連続で減った。地方銀行と第二地方銀行の合計は同0.1%減の194兆4570億円で5年ぶりにマイナスに転じた。3月末のコマーシャルペーパー(CP)引受残高は同34.1%減の8兆7131億円で、01年4月の調査開始以来、過去最低となった。
実質預金(手形や小切手を除き、譲渡性預金を含む)は同2.4%増の534兆2300億円だった。企業が手元資金を厚めに積んでおく傾向が続いており、高水準の伸びとなった。
09年度の全国銀行の平均貸出残高は前年度比0.8%増の402兆4027億円で4年連続の増加となった。上半期中に貸出残高が高水準で伸びたことから、年度ベースでもプラスを保った。

いつものグラフは以下の通りです。銀行貸出しとそのコンポーネントの前年同月比です。青の折れ線が合計の銀行貸出し、棒グラフはそのコンポーネントの寄与度となっています。

銀行貸出しの推移

グラフから明らかな通り、法人向けが大きく前年比マイナスを記録しています。大企業を中心とする設備投資資金が低調なことに起因すると私は考えています。GDPベースでは昨年10-12月期から設備投資は反転上昇を開始していますが、まだまだ金額ベースの水準が低く、減価償却などの自己資金で調達できる範囲であり、借入に依存するほどの資金需要はないと受け止めています。また、この先、住宅版エコポイントにより個人からの資金需要が出る可能性がありますが、資金需要全体を大きく押し上げることはないと考えるべきです。相変わらず、銀行は国債を買い続けるんでしょうか?

最後に、先月3月16-7日の日銀金融政策決定会合の議事要旨も公表されています。日経新聞が日銀の追加緩和に関する報道を行った3月5日付けのエントリーで書いたところですが、直前に観測気球を上げた野田審議委員は追加緩和策に反対しているようです。その心情を理解するに忍びないものがあります。

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