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2010年5月24日 (月)

IMF の Article IV Consultation に見る日本の財政再建やいかに?

国際通貨基金による IMF 2010 Article IV Consultation の結果はいくつかのメディアに取り上げられていましたが、正式なリポートが IMF のサイトに先週5月21日付けでアップされましたので私のブログでも紹介したいと思います。まず、「見通しとリスク」 Outlook and Risks は4月23日付けのエントリーでお示しした「世界経済見通し」 World Economic Outlook 2010 April にほぼ準じており、以下の通り、簡単に表を引用して済ませておきます。

 200920102011
(Calendar Year, Growth Rate)
Real GDP-5.21.92.0
Total domestic demand-4.01.01.5
Net exports (contribution)-2.01.40.5
CPI inflation (average)-1.4-1.4-0.5
Current account balance
In billions of U.S. dollars141.7149.7131.1
In percent of GDP2.82.82.4
General government balance 1/-11.5-10.0-9.1
Structural balance 1/-8.7-7.8-7.6
Primary balance excluding social security 1/-8.9-7.2-6.2
Gross debt (in percent of GDP) 2/217.7227.4235.0
Net debt (in percent of GDP) 2/111.7121.8130.3
1/ In percent of GDP. Fiscal year basis.
2/ In percent of GDP. Calendar year basis.

私が特に注目しているのは、続く第2章の「信頼性ある財政改革戦略の道程」 Mapping A Credible Fiscal Reform Strategy と第4章「財政制度の強化」 Strengthening the Financial System です。我が国のネットの公的債務の2030年までの見通しは以下のグラフで示されています。

Japan: Net Public Debt

日本の財政は2010年度においてネットでGDP比122%、グロスで227%と推計し、先進国でも最高水準にあるとして世界の金融市場の注目を集めつつあります。上のグラフでは強力な財政調整策が適用される赤い折れ線と対策が遅れたり緩慢な gradual 財政調整しか行われないケースが青い破線で示されています。そして、財政調整策は主として消費税率の引上げにより達成される The fiscal adjustment could be achieved in a number of ways centered around an increase in the consumption tax rate と結論しています。そして、消費税率を14-22%に引き上げた試算を以下のように示しています。まあ、一見して明らかなんですが、さまざまなチェック項目から見て、15%まで消費税率を引き上げることを推奨しているようです。

Table: Potential Options for Gradual Fiscal Adjustment Over Next 10 Years

なお、第2章と第4章の間に置かれた第3章の「デフレ克服のための金融政策の選択肢」 Monetary Policy Options to Combat Deflation では6-12カ月のターム物の資金供給や日銀が明らかにした成長基盤強化のための資金供給などを追認している印象があります。

何度かこのブログでも書いた気がしますが、私は雇用を重視するエコノミストであり財政赤字には能天気な態度を取り続けて来たんですが、ギリシアの財政危機から世界の市場は日本の財政に厳しくなりつつあることは実感しています。

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