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2010年5月13日 (木)

経常収支は景気後退前の水準に戻り、景気ウォッチャーは強気を続ける

本日、財務省から3月の国際収支が、また、内閣府から4月の景気ウォッチャー調査が、それぞれ、発表されました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

3月経常黒字、輸出持ち直しで65.1%増 貿易収支、最大の伸び
財務省が13日発表した3月の国際収支(速報)によると、経常収支は2兆5342億円の黒字で前年同月比65.1%増加した。輸出の改善が続き、貿易収支の黒字幅が拡大したことが寄与した。
貿易・サービス黒字は約7倍の1兆891億円。うち貿易黒字は約8倍の745.4%増の1兆747億円と、比較可能な1986年以降で最大の伸び率を記録した。海外需要の持ち直しで自動車や半導体関連などの輸出が拡大。輸入額も増加したが、輸出額の伸びが上回った。
一方、サービス黒字は46.8%減の144億円。貿易量の増加で輸送業の赤字幅は縮小したが、海外への旅行者が増加した。
所得収支は1兆6540億円の黒字で2.6%減少。企業の海外子会社の業績不振で直接投資収益が減ったことが影響した。
同時に発表した2009年度の経常黒字は15兆6545億円で、前年度に比べ26.9%増と、2年ぶりに増加に転じた。外需の持ち直しで貿易黒字が約6倍の6兆6088億円に改善。貿易・サービス収支の黒字は4兆7784億円と、前年度の赤字から転換した。所得収支は17.9%減の11兆9553億円の黒字で、2年連続の減少だった。
街角景気5カ月連続で上昇 5月、雇用動向も改善
内閣府が13日発表した4月の景気ウオッチャー調査によると、街角の景気実感を示す現状判断指数は前月比2.4ポイント上昇の49.8だった。減税やエコポイントなど政策効果の波及や企業業績の改善を受け、5カ月連続で改善した。
指数を構成する家計動向、企業動向、雇用関連のすべての分野が改善。企業の受注や出荷が持ち直したほか、非正規社員などの新規求人が増加した。3月の家電エコポイント対象品変更前の駆け込み需要の反動で薄型テレビ販売は鈍化したが、エコカー減税で自動車の販売が引き続き好調だった。
2-3カ月先の先行き判断指数も2.9ポイント上昇の49.9と、5カ月連続で改善。子ども手当支給や、エコカー減税・補助金や家電・住宅のエコポイント制度の効果による需要増を期待する声が多かった。
内閣府は景気判断を2カ月連続で「厳しいながらも、持ち直しの動きがみられる」とした。
記者会見した津村啓介内閣府政務官は「非常にいい結果。設備投資の話や新規求人数の増加も確認でき、景気の自律的回復の前提条件のいくつかがクリアされつつある」と述べた。
調査は景気に敏感な小売業関係者など2050人が対象。3カ月前と比べた現状や2-3カ月先の景気予想を「良い」から「悪い」まで5段階で評価してもらい、「家計」「企業」「雇用」の3分野で指数を作り加工する。今回の調査期間は4月25日から月末まで。

次に、経常収支のグラフは以下の通りです。青い折れ線グラフが合計の経常収支、棒グラフはその内訳となっています。黒が貿易収支、緑がサービス収支、赤が所得収支、黄色が移転収支です。すべて季節調整済みの系列で、左軸の単位は兆円です。ほぼ前の景気循環の拡大期に当たる2005-06年の水準に戻ったと考えてよさそうです。

経常収支の推移

さらに、景気ウォッチャー調査の結果をグラフにすると以下の通りです。引用した記事にもある通り、一致指数も先行指数もほぼ50に達する水準まで上昇しました。過去の例からして、このマインド調査が50を超えることはめったにないことから、かなり高い水準まで達したと私は受け止めています。加えて、夏季ボーナスが上がるようであれば、もっと高まる可能性もあると考えられます。

景気ウォッチャー調査の推移

来週、5月20日に発表される1-3月期のGDP速報、エコノミストの業界で1次QEと称されている指標は、かなり高い成長率を示すことが見込まれています。私もそう感じています。設備投資が増加に転じ、さらに、雇用にも波及すると、少しずつですが力強い成長経路を取り戻すものと期待しています。

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