景気の現状やいかに?
本日、内閣府から今年3月の景気動向指数が発表されました。ヘッドラインとなるCI一致指数は3月の100.0兆度から1.1ポイント上昇して101.1となりました。DIも今年に入ってから3か月連続で100を続けています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。
3月の景気一致指数、12カ月連続上昇 基調判断は据え置き
内閣府が12日発表した3月の景気動向指数(CI、2005年=100、速報)によると、景気の現状を示す一致指数は前月比1.1ポイント上昇の101.1と12カ月連続で上昇した。12カ月連続の上昇は、1996年2月から97年1月まで以来。有効求人倍率(除学卒)など雇用関係の指数や商業販売額など消費関連項目が改善したことが寄与した。
内閣府は基調判断を6カ月連続で「改善を示している」とした。
記者会見した津村啓介内閣府政務官は「雇用についてはまだ過去最悪水準から抜け切れていない。内需の自律的な回復という判断までたどり着けるか少し慎重な議論もしなければならない。ギリシャ問題も踏まえ総合的な判断も必要」との認識を示した。
数カ月後の景気の先行きを示す先行指数は4.4ポイント上昇の102.8。プラスは13カ月連続と、80年1月の統計開始以降の最長と並び、伸び幅も過去最大だった。在庫率指数や新規求人数(除学卒)の改善が寄与した。
次に、いつものグラフは以下の通りです。上のパネルはCIの一致指数と先行指数、下のパネルはDIの一致指数です。いずれも影をつけた期間は景気後退期ですが、直近の景気の谷は2009年3月と仮置きしています。
多くのエコノミストは昨年2009年1-3月期が景気の谷であったであろうとのコンセンサスを共有していますので、景気の谷からほぼ1年が過ぎました。景気動向指数は経済活動の水準や付加価値額を代理する指標ではありませんが、この3月の一致指数である100から101という水準は、前回の景気循環における拡大期ではいつごろに当たるかというと、ほぼ2005年の年央から年後半くらいに相当します。私はまだ官邸スタッフをしていましたので記憶に新しいんですが、当時の小泉総理大臣が2005年8月にいわゆる「郵政解散」をして、9月の選挙で当時の与党であった自民党と公明党が圧倒的多数を占めた時期であり、株価が本格的に上昇軌道に乗ったころです。まだデフレは続いていたものの、かなり本格的な景気回復が実感できた時期ではなかったかと記憶しています。それに比べて、現時点の景気はというと、ギリシアの財政危機などの要因はあるとは言うものの、景気の力強さは実感できません。基本的に、今年あたりから設備投資が本格的にに回復を始めて、それに少し遅れる形で雇用の増加や賃金の上昇が始まると私は考えていますが、今少し時間がかかる可能性があります。
私自身はデフレの克服を第1の政策目標とすべきと考えていますが、現在の経済政策運営ではそうなっていません。経済政策運営の目標が国民一般に分かりにくくなっている気がしないでもありません。
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