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2010年6月24日 (木)

貿易統計に見る輸出の鈍化は続くのか?

本日、財務省から5月の貿易統計が発表されました。輸出が前年同月比で32.1%増の5兆3110億円、輸入は33.4%増の4兆9868億円、差引き貿易黒字は3242億円でした。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

貿易統計、輸出額32%増6カ月連続プラス
財務省が24日発表した5月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額は前年同月比32.1%増の5兆3110億円となり、6カ月連続でプラスとなった。米国向けを中心に自動車が伸びたほか、アジア向けの鉄鋼や半導体も好調だった。輸入額は33.4%増の4兆9868億円。原油や石炭、鉄鉱石など素材価格の上昇もあってプラス幅が拡大した。
輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は3242億円となり、14カ月連続の黒字。輸入の増加で黒字水準は4月の半分以下になった。為替レートは対ドルが1ドル=92円98銭と前年同月比5%の円高・ドル安、対ユーロが1ユーロ=120円94銭と同7%の円高・ユーロ安だった。
地域別の輸出動向では、米国向けが前年同月比17.7%増。自動車や同部品、鉄鋼などが伸びた。欧州連合(EU)向けは17.4%増。ドイツ向けの自動車部品やポーランド向けの液晶機器などが増えた。
アジア向け輸出の伸びは34.4%増と、好調を持続。うち中国向けは自動車や液晶などを中心に25.3%増となった。
直近の動きを示す季節調整済みの前月比でみると、5月の輸出は1.2%減と2カ月ぶりに減った。欧州経済の先行き不安などから、調整が進んでいる可能性もある。

続いて、いつもの貿易統計のグラフは以下の通りです。一番上のパネルが季節調整していない原系列の輸出入と貿易収支、真ん中のパネルは季節調整した系列、一番下は原系列の金額ベースの輸出指数を数量と価格で寄与度分解したものです。

貿易統計の推移

貿易収支に関して、市場の事前コンセンサスの4800億円よりもかなり下回ったのは、基本的に、価格上昇の影響から金額ベースの輸入が増加したためですが、輸出の伸びが鈍化していることも事実です。上のグラフの真ん中のパネルを見ても、今年2月の春節効果でマイナスとなった以降は、ほぼ横ばいに近い動きとなっていることが読み取れます。季節調整済みの輸出額は2月3月と連続で前月比マイナスをつけた後、5月も前月より減少しました。一番下のパネルでも、昨年の Great Recession 期からの反動のため、現時点でも、輸出は前年同月比でプラスを続けているものの、そのプラス幅が急速に縮小していることも確かです。

輸出数量指数と OECD/CLI 及び 米国 ISM/PMI

上のパネルは OECD の先行指標を3か月ずらして前年同月比を取ったものと輸出数量指数の前年同月比をプロットし、下のパネルは米国の ISM 指数の PMI と輸出数量指数をそのままプロットしてあります。いずれも、我が国の輸出の伸びが先行き鈍化することを示唆していると受け止めています。為替相場を別にしても、米国の金融規制強化、欧州のソブリン・リスク、さらに、中国も今週月曜日6月21日のエントリーでお示ししたように、すでに景気が反転している可能性すらあり、Great Recession からの回復期を終えて、世界経済はゆっくりと景気が鈍化する方向です。もちろん、日本も例外ではないと考えるべきです。ゲタを入れて今年はまだ2%超の成長を記録すると私は見込んでいますし、一昨日の政府の経済見通しでもそうなっていますが、そろそろ潜在成長率水準に回帰する動きが始まる可能性があります。景気の谷である昨年3月ころから我が国の経済をけん引して来た輸出とその輸出に後押しされた生産の伸びもそろそろ鈍化する局面を迎えつつあります。でも、私は景気の腰折れまでは想定していません。逆に、景気の主役が内需に転換し、設備投資と雇用が本格的に増加する局面を迎える可能性が十分あると見込んでいます。その意味で、7月1日発表の日銀短観の設備投資計画と雇用判断DIに注目しています。

貿易統計とは何の関係もないことながら、決勝トーナメント進出目指して、今夜のデンマーク戦は、
がんばれニッポン!

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