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2010年6月 8日 (火)

やや一段落の景気動向指数と順調な経常収支と天候不順で低下した景気ウォッチャー調査

本日、内閣府から4月の景気動向指数、5月の景気ウォッチャー調査、そして、財務省から4月の国際収支がそれぞれ発表されました。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

景気一致指数13カ月連続上昇 4月、判断据え置き
内閣府が8日発表した4月の景気動向指数(CI、2005年=100、速報)によると、景気の現状を示す一致指数は前月比1.1ポイント上昇の101.6と13カ月連続で上昇した。13カ月連続の上昇は、1986年12月から88年2月までの15カ月連続以来の長さで過去2番目。投資財出荷指数(除輸送機械)など設備投資関連の指数や、中小企業売上高(製造業)など生産関連項目が改善したことが寄与した。
内閣府は基調判断を7カ月連続で「改善を示している」とした。
一方、数カ月後の景気を示す先行指数は0.2ポイント低下の101.7と14カ月ぶりのマイナス。耐久消費財や株価指数などの伸びが前月に比べ縮小したためで、足元では改善が続いているという。
景気に数カ月遅れる遅行指数は2.2ポイント低下の82.6と5カ月ぶりに低下した。2008年12月(3.2ポイント低下)に次ぐ過去2番目の低下幅だった。雇用や家計消費など内需関連の指数が特に低下した。
内閣府は、先行指数や遅行指数の低下について「注視していく」としている。
経常黒字、88%増の1兆2421億円 4月
15カ月連続で黒字

財務省が8日発表した4月の国際収支速報によると、モノやサービス、配当、利子など海外との総合的な取引状況を示す経常収支は1兆2421億円の黒字だった。黒字は15カ月連続で前年同月に比べ88.0%増えた。世界的な景気低迷で落ち込んでいたアジアや米国向けの輸出が持ち直し、貿易黒字が5倍に拡大したことが主な要因だ。
輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は8591億円の黒字。輸出額は5兆5771億円で前年同月に比べ42.7%増えた。為替相場が平均1ドル=93円38銭と前年に比べ円高・ドル安基調で推移したが、中国などアジアや米国向けの自動車と関連部品、半導体などの需要が旺盛だった。
輸入は原油や非鉄金属を中心に26.1%増え4兆7180億円だった。
サービス収支は4255億円の赤字。海外から日本への旅行客が増えたことや、貿易量の回復で輸送関連の収支が改善し赤字幅が縮小した。
投資による稼ぎを示す所得収支は10.7%減の9460億円の黒字。海外株式や債券への投資収益は増加したが、海外子会社から受け取る配当金などが減り10カ月連続で減少した。
街角景気6カ月ぶり低下 5月、天候不順響く
内閣府が8日発表した5月の景気ウオッチャー調査によると、街角の景気実感を示す現状判断指数は前月比2.1ポイント低下の47.7と6カ月ぶりに悪化した。中旬以降の天候不順でエアコンや夏物衣料など季節商品の売り上げが不振だった。指数を構成する家計、企業、雇用のすべての分野が悪化した。
中旬以降の天候不順で客足が減少、株価下落で住宅関連の販売も伸び悩んだ。原材料価格の高騰や、企業の人材採用意欲の低迷も影響した。
2-3カ月先の先行き判断指数も1.2ポイント低下の48.7と、6カ月ぶりに悪化。冷夏予想や株価低迷による売り上げの低下や、欧州経済への先行きを懸念する声が目立つ。一方、円高傾向を受け海外旅行の問い合わせは増えているという。
内閣府は景気判断を3カ月連続で「厳しいながらも、持ち直しの動きがみられる」とした。
調査は景気に敏感な小売業関係者など2050人が対象。3カ月前と比べた現状や2-3カ月先の景気予想を「良い」から「悪い」まで5段階で評価してもらい、指数化する。今回の調査期間は5月25日から月末まで。

日経新聞の記事に次いで、最初は景気動向指数のグラフです。上のパネルはCI一致指数と先行指数、下のパネルはDIです。CIは2005年=100となる指数で、いずれも影をつけた部分は景気後退期です。昨日の景気動向指数研究会において、第14循環の谷が暫定的に2009年3月とされています。CI一致指数は13か月連続の上昇となりましたが、先行指数は低下しました。この先、景気が弱含む傾向にあると受け止めるべきです。

景気動向指数の推移

さらに、経常収支の動向とその内訳のグラフは以下の通りです。経常収支の水準が順調に持ち直していることともに、サービス収支の赤字幅も順調に拡大していることを見逃すべきではありません。貿易の拡大に伴う輸送と旅行収支の赤字化を示唆している可能性があります。

経常収支の推移

最後に、5月の景気ウォッチャー調査は久し振りに低下しました。基本的には天候不順の影響とみられていますが、4月に制度変更のあった家電エコポイントも何らかの影響を及ぼしている可能性を忘れるべきではありません。6月がどうなるかが楽しみでもあります。

景気ウォッチャー調査の推移

そろそろ、子ども手当の支給が開始され、私のところにもポツリポツリとメディアの取材が入っています。昨年の定額給付金のような景気対策とは異なりますから、景気拡大効果だけに着目すべきではありません。今まで、投票率の差に基づくカギカッコ付きの「民主主義」の下で、高齢者に大きな偏りがあった我が国の社会保障制度が、子供や家族に目を向け始めたこと自体が極めて重要であると私は高く評価してます。

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コメント

ご無沙汰しております。久々の試験で苦しんでおります…。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100611-00000023-fsi-bus_all
あくまで報道ベースですが、少し、温度差があるみたいですね。09年3月の谷からのトレンドでそのまま引き伸ばすのは、強気すぎるのは確かですが、1期だけCIの先行指標が下がったのみで、すぐに「景気が弱含む傾向にあると受け止めるべき」とおっしゃるのは、すでにここ数年ではもっとも状態の良かった18年の近くまでCIも戻っており、そのあたりに「天井」があるとお考えになっているからでしょうか。もしろよしければ、ご教示いただければ幸いです。

(http://economist.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/20101-32qe-d3da.html にある「潜在成長率水準に回帰」と、私が言っていることは、似たようなものかもしれませんが、、、)

投稿: TOMOHIKO SENGE | 2010年6月13日 (日) 19時35分

次の3点です。
(1) 潜在成長率水準への回帰
(2) 家電エコポイントの制度変更、エコカー減税・補助金の終了
(3) 世界景気の鈍化
特に第3の点はOECD/CLIでも調べれば明らかだと思います。

投稿: 官庁エコノミスト | 2010年6月13日 (日) 21時34分


たしかに、世界景気の鈍化は明らかでしたね。不勉強で恐縮です。ご教示どうもありがとうございました。

投稿: TOMOHIKO SENGE | 2010年6月13日 (日) 21時48分

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