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2010年7月12日 (月)

参議院選挙における与党の過半数割れは消費税発言に起因するのか?

参議院選挙結果

昨日投票の参議院選挙結果が判明しました。上の画像は今日の午前に朝日新聞のトップサイトをキャプチャしておいたものです。九州では夕刊がないので、簡単にネットから情報を取りまとめるとともに、私の感想も残しておきたいと思います。
まず、与党過半数割れの原因が消費税率引上げにあったのかどうかについては、私は否定的に受け止めています。なぜなら、「消費税率10%」をマニフェストに明記した自民党が議席を増やし改選第1党となったからです。朝日新聞のサイトでは、実に巧みに経団連会長の意見と落選したタレント候補の談話を対称的な形で報じています。もちろん、両方ともバイアスのかかった見方であることは間違いないんですが、国民がどちらを信用するかを暗に誘導しているようにすら見えます。

民主党敗因「消費税ではなく政権運営」 経団連会長
参院選での民主党大敗について、日本経団連の米倉弘昌会長は12日午前、記者団に対し、「消費税増税についての説明は若干不足していたが、そのために負けたとは思わない」と述べた。そのうえで、与野党ともに「国益のために連携して欲しい」と語り、衆参両院の「ねじれ」国会においても、消費税を含む税財政改革、社会保障改革について超党派で議論するよう改めて求めた。
米倉会長は、民主党の敗因について、沖縄・普天間飛行場移設問題を念頭に「国際的な信用を失うなど政権運営に問題があった」との見方を示した。ねじれ国会による経済への影響は「あってはならない。国の抱える課題に責任を持って取り組んでほしい」と強調した。
落選の桂きん枝氏「消費税発言が他党のプラスに」
比例区で落選した民主新顔で落語家の桂きん枝氏(59)は12日午前4時すぎ、大阪市内の選挙事務所で選挙戦を振り返った。菅直人首相の「消費税10%」発言について「他の党のプラス材料になった。特に地盤沈下が進む関西では『消費税10%でどないすんねん』という声を聞きました」と、敗因の一つに挙げた。今後の身の振り方については「吉本興業も上方落語協会も辞めた。いまさら『へーい』と戻るわけにはいかんし、今年1年かけて、じっくり考えてみようかな」と語った。

次に、昨日の選挙結果を見ると、いわゆるタレント候補の落選が目立ったと私は受け止めています。先月6月6日付けのエントリー「日本国民の民度はどんなもんか?」において、鳩山総理の退陣を受けて民主党が支持を急回復したことから、「日本国民の民度はこんなんもん」と書きましたが、良識の府である参議院選挙においては国民の良識が発揮されたと見るべきなのかもしれません。もっとも、ランチタイムに同僚教授とお茶飲み話をしていて、「長崎で福山雅治さんが出ていたらどうだったか?」と聞いたところ、「当選間違いなし」とのことでしたから、実は、パッとしないタレント候補がそろっていたのかもしれません。
与党が消費税を過半数割れの敗因にし、自民党が消費税を改選第1党の勝因にすることも考えられます。その場合、消費税を単なる歳入の増強、すなわち、国債発行に代替するだけ、と考えるか、何らかの特定の政策に対する財源と主張するか、で違いが生じて来るような気がします。他方、議席を増加させたみんなの党については、かなり前の小泉改革の流れをくむような主張と私には見受けられました。いずれにせよ、政権選択の意思表示ではなかったものの、直近の民意がどのように生かされるのか、興味深いところです。

最後にどうでもいいことですが、各新聞社のサイトでは、2年前の米国大統領選挙のように、赤と青でカラーを塗り分けて見やすくする工夫が見受けられました。でも、米国の共和党が赤、民主党が青と決まっているのに対して、日本では決まった政党カラーはなく、朝日新聞と毎日新聞のサイトでは与党系が赤、野党系が青だった一方で、読売新聞のサイトでは逆になっていました。やや私は混乱しました。

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