いよいよ佳境に入った「ゲゲゲの女房」からマンガに関するうんちくを傾ける
私が毎朝楽しみに見ているNHKの連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」がいよいよ佳境に入って来ました。先週末に再び村井家を訪れた大手出版社のマンガ雑誌編集者から、今週になって短編読切りを依頼され、なけなしのお金で質流れのテレビを買って研究を重ね、「テレビくん」を書き上げた際には巨額の原稿料に驚いたり、順調に収入を伸ばして質草をすべて引き出した上に、マンガ賞を授賞されて式典に新調の背広で出かけていく、というところで今週は終わりました。予告編を見ると、来週はプロダクション設立のようです。
ある程度、マンガやマンガ雑誌に関する知識があれば、ほぼ実話に基づいてドラマが進んでいるのが分かります。水木マンガがデビューした『ゼタ』とは『ガロ』のことであり、ドラマの雄玄社は講談社、「少年ランド」は「少年マガジン」のことです。昭和40年当時には集英社の「少年ジャンプ」はまだ発行されておらず、「少年マガジン」は小学館の「少年サンデー」にかなり水を開けられていました。「テレビくん」が受賞したのは、実際には講談社児童まんが賞で、「テレビくん」の翌年には石ノ森章太郎さんの「サイボーグ009」、さらにその次の年はアノ「巨人の星」ですから、賞の権威のほどが想像できます。
私のようにこういった背景を知っているとドラマが面白くなりますが、他方で、物足りなさも感じないでもありません。マンガの世界で画期をなした『ガロ』とは、白土三平さんの「カムイ外伝」のために出版された雑誌であるとか、手塚治さんと「少年マガジン」の間に起こったW3事件とか、全く触れられていません。もちろん、水木しげるさんの奥様の目から見たドラマですし、いわゆる全共闘世代のゴタゴタも含まれていますので、割愛も止むなしかという気もします。
最後に、NHKのサイトで「ゲゲゲの女房」の壁紙をアンケート回答者にプレゼントしています。左の画像の通りです。見れば分かる通り、調布の水木さん宅の当時のマンガを描く作業部屋の写真です。ものすごく精巧な構成でびっくりしました。来週にはプロダクション設立でこの部屋はなくなってしまいますから、明日までの期間限定のようです。私はもちろんダウンロードしました。ご興味ある方はお早めに。
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