来週発表のGDP統計1次QEやいかに?
内閣府による来週8月16日の発表を前に、1次QEに必要な経済指標がほぼ出尽くし、各シンクタンクや金融機関などから4-6月期の1次QE予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。今回はやや長めに取ったつもりですが、より詳細な情報にご興味ある方は左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別画面が開いてリポートが読めるかもしれません。
機関名 | 実質GDP成長率 (前期比年率) | ヘッドライン |
日本総研 | +0.6% (+2.3%) | わが国経済は、輸出・耐久財消費など内外の政策効果が一巡し、自律回復力に見合った成長ペースに移りつつある段階。内外需要の脆弱さを背景に、年末にかけて景気減速が一段と明確化していく見通し。 |
みずほ総研 | +0.8% (+3.4%) | 成長率への寄与度をみると、外需が+0.8%Pt、内需が+0.1%Ptと、海外経済の拡大に依存した景気回復であった …(略)… 依然としてデフレ脱却というゴールは遠い。 |
ニッセイ基礎研 | +0.8% (+3.4%) | 輸出回復の恩恵が国内部門に徐々に波及するという流れ自体は継続していると考えられる。自律回復までにはかなりの時間を要するものの、企業部門を中心に回復の動きが今後明確化していく可能性が高い。 |
第一生命経済研 | +0.5% (+2.1%) | 景気回復の勢いは弱まりつつある。また、①4-6月期の成長を牽引した輸出については、月次指標で見ると減速感が出始めており、先行きは減速度合いを強める可能性が高いこと、②消費の回復が進まないことなど懸念材料も多く、喜べる内容ではない。 |
三菱UFJリサーチ&コンサルティング | +0.4% (+1.6%) | 伸び率は鈍化するものの、5四半期連続でプラス成長は維持すると見込まれる。 |
三菱総研 | +0.1% (+0.6%) | 景気は引き続き回復基調にあるものの、政策効果の逓減、輸出の伸び率の鈍化などから、景気の回復テンポは、足元鈍化しているとみられる。 |
みずほ証券リサーチ&コンサルティング | +0.5% (+2.0%) | 政策支援による耐久財需要喚起の動きが一服したことなどから、内需の足取りは重いものの、世界経済の回復を背景とする輸出増加の動きが継続したことから、前期(前期比年率+5.0%)に比べて回復ペースは鈍化するものの、5四半期連続のプラス成長となる見込みである。 |
今回はかなりバラつきました。このブログの上の表で取り上げた中で、最も低いのが三菱総研で、前期比年率でも1%に達しない一方で、ニッセイ基礎研やみずほ総研は年率で3%を軽く超え、潜在成長率を上回る伸びが続いていると見込んでいます。私は4-6月期については後者の高い伸びを記録したとの考えに近いんですが、現在の足元から先についてはニッセイ基礎研のヘッドラインほど楽観的ではありません。ひとつの大きなマイナス要因は為替相場です。現在の民主党政権や日銀の円高容認姿勢の下で、政府も通貨当局も静観というか、傍観の構えなので、安心して円が買い進められていることは確かです。下の画像は日経新聞のサイトから引用しています。
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