為替介入にプラスアルファの政策が必要!
いろいろと私も忙しいので、昨日から実施されている為替介入について、ごく手短にコメントしておきたいと思います。
まず、時期と規模は適正だったと私は考えています。いくら何でも、民主党の代表選挙の前に為替介入を実施することは「政治利用」の誹りを免れませんから、ギリギリのタイミングを見極めたと評価できます。規模としては、日本で2兆円プラス欧州なども含めてもう少し、という感じだと思いますが、私の知り合いの市場関係者によれば、年内20兆円、年度内30兆円規模であれば、為券による資金調達はマーケット的には問題ない、という意見でした。私もそんなもんだろうという気がします。次に、市場介入の結果については非不胎化と報じられています。ひょっとしたら、私は為替介入による直接的な円ドル相場の動向よりも、この金融緩和的な効果の方が大きいんではないかとすら考えています。
2003-04年の大規模な為替介入を経て、経済学的・理論的な因果関係は別にして、日本経済はいったんは2005年夏から力強い回復を示したことは記憶に新しいところです。為替介入から少し離れて、この時は郵政民営化という我が国の資金の流れを大きく変えるんではないかという期待を持たせる政策的なインパクトがありました。郵政民営化のその後の評価は別にして、為替介入を実施するだけでなく、それなりのインパクトを有するんではないかと市場に受け止められるような何らかの政策を打ち出せるかどうかも景気や株価の動向に大いに影響することを考慮すべきです。今はメディアも為替にばかり注目が集まっていますが、為替とは別のところで景気をフォローする政策が必要です。
下のグラフは、長い期間で見た円ドル相場と為替介入額の推移です。ご参考まで。
| 固定リンク
コメント
ついに介入してしましましたね。どうなるんでしょうかね・・・。
投稿: wasting time? | 2010年9月17日 (金) 04時30分
為替の市場介入は政府が直接市場に手を突っ込む劇薬だと考えられがちですが、取り得る政策の選択肢のひとつですから、費用対効果を十分に考慮して、さらに、諸外国へのアカウンタビリティを確保すれば、効果は大きい可能性もあります。
投稿: 官庁エコノミスト | 2010年9月17日 (金) 07時44分