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2010年10月21日 (木)

スポーツの秋に考えるスポーツ市場の規模やいかに?

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我が阪神タイガースが日本シリーズの出場を逃して、私にとっての今年のプロ野球は終了したんですが、今年はサッカーのワールドカップもありましたし、ウィンター・スポーツの季節もそろそろ始まり、食欲や読書とともにスポーツの秋が深まって来ています。
ということで、今夜はスポーツ市場について、三菱UFJリサーチ&コンサルティングとマクロミルの共同調査に基づく「【速報】2010年スポーツマーケティング基礎調査」を取り上げたいと思います。10月18日に発表されています。両社のリポートのリファランス先は以下の通りです。会社のロゴなどを除いて、ほぼ同じ内容ではないかと思いますが、厳密なチェックはしていません。以下に取り上げるグラフなどはマクロミルのリポートから引用しています。なお、より詳細なリポートは来月に売り出されるようにアナウンスされています。

まず、日常生活におけるスポーツの位置づけは以下のグラフの通りです。リポートの p.3 図表1から引用しています。一番下をはっている紺色の折れ線が「することも見ることも、大きな位置付けを占めている」、次の緑色が「見ることよりもすることのほうが、大きな位置付けを占めている」、青が「することよりも見ることのほうが、大きな位置付けを占めている」、昨年から青を追い抜いたピンクが「することも見ることも、大きな位置付けではない」ということになっています。まあ、こんなもんですかね、という感じです。

日常生活におけるスポーツの位置づけ

ということで、リポートのメインとなるスポーツ市場規模なんですが、スポーツ用品の購入、スポーツ施設利用・会費・スクール料、スポーツのスタジアム観戦など、過去1年間のスポーツ活動への参加にかかる支出を対象としたスポーツ参加市場規模は2010年で3兆3,476億円と推計されていて、景気が拡大局面にありかつワールドカップ開催年であるにもかかわらず、前年からかなり減少しています。内訳は以下の表の通りです。リポートの p.3 図表2から引用しています。

 年間平均支出額
(前年比)
2010年市場規模
(2009年)
スタジアム観戦市場28,538円
(+16.6%)
5,917億円
(5,639億円)
用品購入市場33,581円
(▲9.6%)
1兆2,107億円
(1兆4,749億円)
施設利用・会費市場55,249円
(▲13.6%)
1兆5,452億円
(1兆9,926億円)
市場規模の合計n.a.3兆3,476億円
(4兆314億円)

「最も好きなスポーツ」と「よく観るスポーツ」のトップはともに野球で2位はサッカーです。しかし、昨年から今年にかけて、野球は落ちて来ている一方でサッカーは増加しており、そのうちに逆転するかもしれません。また、この両スポーツのプロ・チームのファンについて、プロ野球ファン人口を推計すると3,353万人と昨年比▲427万人減となった一方で、Jリーグファン人口は1,521万人と推計されており、これまた昨年から▲127万人減少しています。野球とサッカーのファン人口の開きはまだまだ大きいと言わざるを得ません。なお、このプロ野球ファン3,353万人の内訳は以下の通りです。我が阪神タイガースは800万人を超えるファンがいると推計されています。p.6 図表8から引用しています。

プロ野球チームファン人口
読売ジャイアンツ851万人
阪神タイガース829万人
中日ドラゴンズ318万人
福岡ソフトバンクホークス272万人
東北楽天ゴールデンイーグルス249万人

これらのほかに、今年のトピックとして、登山やサッカーのワールドカップに関する調査結果の概要も含まれています。ご興味ある方は、最初の方の三菱UFJリサーチ&コンサルティングまたはマクロミルのリンク先からリポートをご覧ください。

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