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2010年11月11日 (木)

先行き微妙な機械受注と上昇に転じた国内企業物価

本日、内閣府から9月の機械受注統計が、また、日銀から10月の企業物価 (CGPI)が、それぞれ発表されました。機械受注のうち、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」は、8月が前月比+10.1%増の後、9月は▲10.3%減の7,565憶円となりました。また、企業物価のうち国内企業物価は10月の前年同月比で+0.9%の上昇となりました。もっとも、このうち、+0.40%はたばこ値上げの寄与だったりします。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

機械受注、10-12月は9.8%減見込む 9月10.3%減
内閣府が11日に発表した9月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標になる「船舶・電力を除く民需」(季節調整値)は7565億円と前月比で10.3%減った。8月が大幅増だった反動から、4カ月ぶりにマイナスに転じた。7-9月期は前期比9.6%増になった。ただ同時に発表した10-12月期見通しでは9.8%減を見込み、円高の影響など先行きに警戒を示した。
機械受注統計は工場の生産設備などの受注額を集計した指標で、3カ月ほど先の民間設備投資の動向を示す。9月は日経グループのQUICKがまとめたエコノミストの中央値(前月比9.7%減)に近い水準で、内閣府は「機械受注は持ち直している」との基調判断を据え置いた。ただ円高の影響を踏まえて「製造業に生産や輸出の鈍化による弱い動きもある」と警戒感も示した。
業種別の受注額では、製造業が前月比20.7%減と4カ月ぶりにマイナスだった。8月に大型案件があった原子力原動機など非鉄金属や鉄鋼業が数字を押し下げた。非製造業の受注額は船舶・電力を除くベースで3.0%増だった。
7-9月期の受注額は2兆3662億円で4期連続のプラス。増加率は比較可能な1987年4月以降で3番目に高い伸びになった。一方で、10-12月期の見通しは5期ぶりのマイナス。製造業、非製造業とも受注が減少する予想だが、内閣府は「設備投資に慎重になっているとはいえない」とみている。
企業物価0.9%上昇 10月、22カ月ぶり高い伸び
日銀が11日に発表した10月の国内企業物価指数(2005年=100、速報値)は103.0と前年同月比で0.9%上昇した。08年12月以来、1年10カ月ぶりの高い伸び率になる。たばこ税の引き上げが響いたほか、原油や鉄などの資源価格上昇を関連製品に価格転嫁する動きも進んだ。デフレ下で最終製品の価格下落が続くなか、企業物価の上昇は企業収益の圧迫要因になる。
同指数は企業が出荷や卸売りの段階で相互にやり取りするモノの価格を示す。調査対象の855品目のうち、前月よりも23品目多い303品目が上昇した。下落したのは377品目だった。分野別では、たばこを含めた加工食品が2.7%上昇したほか、石油・石炭製品が5.6%、非鉄金属が8.7%それぞれ上昇した。

まず、機械受注に関するグラフは以下の通りです。上のパネルはコア機械受注と呼ばれる「船舶・電力を除く民需」及びその後方6カ月移動平均、さらに、コア機械受注からさらに携帯電話を除いたコアコア機械受注をプロットしてあります。下のパネルは需要者別に外需、製造業、船舶を除く非製造業です。折れ線グラフのラインの色分けは凡例の通りです。いずれも季節調整済みの系列で、影を付けた部分は景気後退期です。

機械受注統計の推移

グラフは少し見づらいんですが、コア機械受注の後方6カ月移動平均は9月もプラスを続けています。コア機械受注は8月の2ケタ増を記録した後、9月は逆に▲10%超減の反動減となりました。内閣府も基調判断は変更しないようですし、もう少し推移を見なければよく分かりません。下のパネルを見る限り、機械受注全体の先行指標となっている外需も大きく方向転換したようには見えません。ただし、注意すべき点が2点あり、第1に、7-9月期は大幅増を記録した一方で、先行き10-12月期は2ケタ近い▲9.8%の減少が見込まれていることです。第2に、知り合いのエコノミストの指摘で分かったんですが、季節調整していない原系列ながら、大分類の産業別で見て電子・通信機器の前年同月比伸び率が今年に入ってから10%超を続けているんですが、例えば、このブログの10月30日付けのエントリーで鉱工業生産指数を取り上げた際にグラフを示した中で、電子部品・デバイスはかなり在庫が積み上がっており、整合性を欠いた統計となっています。どちらが正しくてどちらが間違っているのか、あるいは、別の見方も出来るのか、現時点では何とも言えませんが、やや不思議な動きを示しているので注意すべきであると受け止めています。

機械受注統計の推移

逆に、決して弱い方向に転換したわけではないことを示すグラフは上の通りです。上のパネルは受注残高とそれを販売額で除した手持ち月数です。下のパネルは達成率です。受注残高は少しもたついているものの、販売が順調に回復して手持ち月数は順調に低下しています。また、達成率は経験的に景気転換点を示す90%を超えて来ました。通常は、設備投資が上方修正される際のサインのひとつといえます。いずれにせよ、今日発表された9月の機械受注統計の結果は微妙であり、やや弱い気もしますが横ばい圏内と言われればそうかもしれませんし、私も判断に困っているのが実情です。もう少し先まで統計を見極めたい気がします。

企業物価の推移

最後に、企業物価前年同月比上昇率のグラフは上の通りです。上のパネルは国内、輸出入別、下のパネルは素原材料、中間財、最終財別です。国内物価は前年同月比+0.9%の上昇となりましたが、約半分の+0.40%の寄与はたばこに負っています。実力はほぼ半分の+0.5%といえます。また、下のパネルを見ると、加工段階が川下に下りるほど価格の上昇率が低下し、最も川下である最終財ではマイナスを記録しています。素原材料や中間財に比べて最終財の価格が上昇しないのは、原因としては需給バランスに起因しますが、原材料が値上がりして製品単価が下がるんですから、企業収益を圧迫する大きな要因となります。すなわち、デフレを脱却することが企業収益、ひいては株価のためにも重要な課題であることを改めて理解すべきです。

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