今日から始まるダボス会議のイシューは何か?
今日からスイスのダボスで世界経済フォーラム World Economic Forum が主催する年次総会、いわゆるダボス会議が始まります。今年が明けてから、私が注目する限りにおいて、以下の2本のイシューペーパーが出ています。
従来から中心に据えられているのは前者の「グローバルリスク報告書」なんですが、コチラの方は日本語サマリーも出ています。今夜はこの日本語サマリー「2011年グローバルリスク報告書、第6回」を中心に世界経済フォーラムが考えるグローバルリスクについて紹介したいと思います。まず、p.2-3 から今年2011年のグローバルリスクの展望とリスク相互連結マップの画像を引用すると以下の通りです。縮小して見づらいのでリンク先もご覧ください。
上の「2011年グローバルリスクの展望」は縦軸が影響の大きさ、横軸が可能性の高さになっています。右上にあるほど可能性が高くて影響も大きいことになります。6つほどピックアップすると、可能性の高い順に以下の通りです。下線を付しゴシックにした経済格差とグローバル・ガバナンスの破綻の2項目は下の「リスク相互連結マップ」でもゴシックで強調されているものです。
- 気候変動 Climate change
- 経済格差 Economic disparity
- グローバル・ガバナンスの破綻 Global governence failures
- 財政危機 Fiscal crises
- エネルギー価格の急激な変動 Exterme energy price volatility
- 地政学的紛争 Geopolitical conflict
特に、「グローバルリスク報告書」では、Risk in focus 1 として「マクロ経済の不均衡」 The macroeconomic imbalances nexus に焦点が当てられています。直接的には財政と経常収支の不均衡から生じ、経済格差とグローバル・ガバナンスの破綻にも多いに関連しています。大雑把にいえば、途上国で経常黒字が積み上がっている一方で、先進国の財政は景気刺激策に起因する国債発行で多額の債務が累積しています。各国の利害が複雑に絡まり合って、容易に解決できる課題ではなさそうに見えますが、今年の世界が直面する最大のリスクのひとつであることは間違いありません。もちろん、財政赤字のストックが先進国最大となっている日本も同様です。オバマ米国大統領の一般教書演説でも国防費を除く予算の据置きが盛り込まれていたと報じられています。
私がちょくちょく参照している海外メディアのダボス会議を報じるサイトは上の通りです。残念ではありますが、今年も日本からの情報発信は少ないんでしょうね。
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