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2011年1月19日 (水)

UNCTAD の経済見通し World Economic Situation and Prospects 2011

世間的にとっても注目されているわけではないんですが、ESCAP などの5つの国連の地域経済委員会と UNCTAD の共同作業により、経済見通し World Economic Situation and Prospects 2011 が発表されています。当然ながら、pdf ファイルによる全文リポートもアップされています。繰返しになるものの、先週1月13日に取り上げた世銀の経済見通し Global Economic Prospect よりも知名度や注目度でさらに落ちて、その上、中身も大したことはないんですが、国際機関のペーパーやリポートを取り上げるのは私のこのブログの特徴ですから、一応、大雑把に見ておきたいと思います。

Table I.1 Growth of world output, 2006-2012

まず、上の画像は見通しの総括表です。全文リポートの p.5 Table I.1 Growth of world output, 2006-2012 を引用しています。世銀の Global Economic Prospect を取り上げた時の1月13日付けのエントリーと同じ方式で、上の画像をクリックすると別ウィンドウで pdf ファイルが立ち上がります。世銀の時は私がテーブルを組んだんですが、今夜は諸般の事情によりヤメにします。さすがに、これでは余りに不親切ですので、日本の成長率は2011年1.1%、2012年1.4%と特記しておきます。以下は全文リポートの Executive Summary からいくつかグラフを引用して軽く済ませておきます。

A decelerating global recovery

まず、上は p.vi のグラフです。2008-09年景気後退から2010年は順調な回復だったんですが、2011-12年は回復テンポが鈍化します。回復は新興国がけん引する形となり、東アジア、特に中国の果たす役割が大きいと指摘しています。

Persistent high unemployment in developed countries

この回復テンポの鈍化により成長が潜在成長率水準を下回るため、特に先進国で雇用の改善のペースが上がらない原因となっています。上のグラフは p.vii から引用していますが、特に財政の引締めに取り組み始めた国では雇用の状況が厳しいと指摘しています。

何となく当り前な分析結果なんですが、手抜きしつつ簡単に取り上げておきます。というのも、その昔、この1月の季節に国連で Project Link という名称で計量モデルの専門家を集めて経済予測をしていて、私の尊敬する先生方も数多く出席していたんですが、どうも、それとは関係ないように見受けられます。

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