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2011年2月15日 (火)

OECD 先行指標に見る日米の踊り場脱出と中印の景気停滞

昨日、経済協力開発機構 (OECD) から昨年2010年12月の先行指標 (OECD/CLI) が発表されました。まず、リポートの最初の3パラを引用すると以下の通りです。

OECD composite leading indicators point to continued expansion
Composite leading indicators (CLIs) for December 2010, designed to anticipate turning points in economic activity relative to trend, continue to point to expansion in most major OECD countries.
The CLIs for Germany, Japan and the United States point to relatively robust expansion relative to trend, while in Canada, France and the United Kingdom the CLIs point to continued moderate expansion. There are nevertheless signs of a downturn emerging in Italy.
New data for China point to a downturn, reversing the tentative signs of regained growth momentum reported in last month’s assessment. With three of its seven components pointing upward the outlook remains volatile. The CLI for India is pointing towards a slowdown. In Russia, the CLI continues to point to an expansion, while Brazil is expected to continue to perform close to its long-term trend.

次に、最近の国別の OECD/CLI の推移を主要国についてプロットしたのが以下のグラフです。なお、影を付けた期間は景気後退期なんですが、景気転換点は各国政府や米国でいえば NBER に当たる機関が同定したものではなく、OECD の同定によります。OECD の同定による景気転換点に関する詳細な情報は OECD Composite Leading Indicators: Reference Turning Points and Component Series のサイトにあります。

OECD 先行指標の推移

リポートの引用やグラフを見ても一目瞭然なんですが、日米は "Expansion"、ユーロ圏16か国ベースの欧州は "Stable" と基調判断されています。日米が踊り場を脱却しつつある一方で、欧州はまだ本格的な景気回復局面には復帰しておらず、逆に、中印は景気下降局面にあるんではないかとすら見えます。OECD では中国は "Downturn"、インドは "Slowdown" と評価しています。報道によれば、中国では本日発表の1月の消費者物価上昇率が4.9%に一段と跳ね上がり、引き締め基調の政策運営によりさらに景気は鈍化する可能性が高まっています。インドも基本的に景気過熱から引締め政策を取り、いわばインフレから景気の鈍化を招いている構図は共通しています。もちろん、中印だけでなく多くの新興国にも同じことがいえます。

昨年の新興国に依存した世界景気の回復から、徐々に先進国に主役が交代しつつあるのかもしれません。世界経済をより以上に注意深くウォッチする必要がありそうです。

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