新宿ピカデリーに「白夜行」を見に行く
東京では昨日の雪が朝まで残り、午後からは別のみぞれ混じりの雨が降り出しました。3連休中日の今日は少しお出かけして、新宿ピカデリーに「白夜行」を見に行きました。東野圭吾さんの原作は代表作のひとつといえましょう。『白夜行』と『幻夜』は連作と考えられなくもありません。しかし、私の理論からいうと、有楽町マリオンで上映されないのはまだ一流と認められていないことにつながります。
「白夜行」の映画の感想はかなり原作に忠実の一言に尽きます。いい点も悪い点もこれに尽きます。ですから、まずいい点としては原作にかなり忠実で原作を読んで映画を見ようと考えた私のような読者には東野ワールドが見事に展開されていると映ります。文字で読んだのが映像になっているわけです。他方、悪い点としては、大部な小説を2時間半の映画にするために部分的に端折ってあります。ですから、原作もTBSのドラマも見ていない人にはツラい可能性があります。なお、以下はネタバレの可能性がありますので自己責任で読み進むようご注意ください。
2点だけ原作と異同があって失敗だったと私が見なしているのは、第1に、舞台の地域性です。原作は大阪だったんですが、映画では埼玉に設定してあります。関東でも雪穂のようなタイプの女性がいないとは思いませんが、京都とは言わずとも関西の方に分があるような気がします。第2に、雪穂は篠塚一成と結婚してしまいます。ですから、雪穂の正体を見抜く人間が笹塚刑事1人になってしまい、その意味でのいわば「負担」が大きくなって登場が頻繁になるとともに、篠塚一成のキャラがどうしようもなくヘンに見えるような気がしました。最後に、原作との異同ではないんですが、私が違和感を感じたのはラストの笹塚刑事の謎解きを回想する子供時代のシーンで、亮司が父親を殺した際には泣きわめきながら現場から逃げて、血で染まった両手を洗う場面があった一方で、雪穂の母親を殺す場面では2人の子供が完全に計画的な殺人を実行しているような雰囲気を醸し出していました。原作でどう書いてあったか忘れましたが、両方がここまで違うと違和感がありますし、私はどちらも計画的な犯行だったとした方が迫力があるように感じてしまいました。
私が『白夜行』のシリーズ第2作と見なしている『幻夜』は、深田恭子さん主演により WOWOW でドラマ化されたらしいんですが、この『幻夜』の映画化とともに、『白夜行』の雪穂と『幻夜』の美冬に続く3部作の完結編を東野圭吾ファンとして心待ちにしています。
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