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2011年5月15日 (日)

万城目学『プリンセス・トヨトミ』(文春文庫) を読む

万城目学『プリンセス・トヨトミ』(文春文庫)

万城目学さんの『プリンセス・トヨトミ』(文春文庫) を読みました。面白かったです。この作者の作品はデビュー作の『鴨川ホルモー』と『鹿男あをによし』も読んでいて、京都・奈良・大阪のそれぞれを舞台にしたストーリーを楽しんでいます。まず、出版社のサイトからあらすじを引用すると以下の通りです。

内容紹介
このことは誰も知らない - 400年の長きにわたる歴史の封印を解いたのは、東京から来た会計検査院の調査官3人と大阪下町育ちの少年少女だった。秘密の扉が開くとき、大阪が全停止する!? 万城目ワールド真骨頂、驚天動地のエンターテインメント、ついに始動。特別エッセイ「なんだ坂、こんな坂、ときどき大阪」も巻末収録。

私は京都の生まれで、『鴨川ホルモー』の主人公と同じように、というか、作者と同じように京都大学に通っていましたし、『鹿男あをによし』は主人公が奈良の女子高の臨時教師を務めた際の物語ですが、私は中学・高校と奈良の男子校に6年間の長きに渡って通っていましたから、それぞれのバックグラウンドについてはよく理解できました。しかし、『プリンセス・トヨトミ』は大阪が舞台で、タイトルから明らかなように太閤豊臣秀吉にまつわる物語です。それに、というわけでもないですが、前2作は主人公の一人称で書かれていた小説だったんですが、『プリンセス・トヨトミ』は三人称で書かれています。その上、前2作にあったような超常現象はいっさい現れません。また、前2作と違って勝負事は関係しません。宣伝に見られる「大阪全停止」も小説を読む限りは、反則技に近いウルトラCが使われるわけではありません。従って、私から見れば全2作からかなり雰囲気の違う作品に仕上がっているように見受けられました。もっとも、私のような凡人には理解できないようなシステムが作り上げられている、という点については全3作で共通しているような気がします。
すでに、この作品は映画化されており5月28日に小説と同じ「プリンセス・トヨトミ」というタイトルで封切られる予定です。私は今週にでも前売り券を買って見に行くつもりです。この本を読み始めた時点では詳細な映画のキャストは知らなかったんですが、綾瀬はるかさんが旭・ゲーンズブールの役ではなく、鳥居役と男女を逆にしていることはつい最近知りました。映画ですから、テレビドラマと違って、ものすごい人数を集めるのなんかは比較優位がありそうな気がします。「大阪全停止」なんて宣伝文句も踊っていますが、大がかりな映画らしい楽しみ方が出来そうな気もします。逆から考えれば、そういった原作になりそうな小説です。私自身としては映画も楽しみです。

原作者の万城目さんの長編3作をすべて読んでいる私としては、完成度が最も高いと受け止めています。超常現象もありませんし、勝負事を奇跡的に勝ち進む設定でもありません。もちろん、小説や映画の内容を荒唐無稽と退ける向きもあるでしょうが、リアリズムだけがすべてでもないことは理解すべきでしょう。

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