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2011年8月13日 (土)

2011年4-6月期1次QEは3四半期連続のマイナス成長か?

来週月曜日8月15日の発表を前に、GDP統計1次速報に必要な経済指標がほぼ出尽くし、各シンクタンクや金融機関などから2011年4-6月期の1次QE予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。可能な範囲で、足元の7-9月期以降の先行き見通しを拾いましたが、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別画面が開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
日本総研▲1.2%
(▲4.7%)
先行きを展望すると、サプライチェーン寸断やマインド低下がいずれも解消に向かい、生産の回復と個人消費の持ち直しが見込まれることから、回復傾向が明確化し、高めの成長がしばらく続くと予想。
みずほ総研▲0.6%
(▲2.2%)
個人消費・外需を中心に7-9月期の実質GDPは高成長が予想される。。
ニッセイ基礎研▲0.3%
(▲1.4%)
7-9月期は4-6月期とは逆に高い発射台からスタートすることもあり、4四半期ぶりのプラス成長となる可能性が高いだろう。
第一生命経済研▲0.7%
(▲2.6%)
7-9月期については、5、6月の上昇が効くことで高い発射台からのスタートになるため、成長率は高まりやすい。さらに、1次補正予算の効果が顕在化することなどが予想されることも踏まえると、7-9月期については高成長が確実な情勢である。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券▲0.8%
(▲3.0%)
7-9月期は、大幅なプラス成長となる可能性が大きいといえよう。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング▲0.8%
(▲3.3%)
足元では急速に持ち直しているものの、東日本大震災以降の生産活動の落ち込みが影響している。
三菱総研▲0.5%
(▲2.0%)
消費や輸出を中心に東日本大震災の影響が残るものの、復興需要も徐々に表れてきており、1-3月期から減少幅は縮小を見込む。
伊藤忠経済研▲0.5%
(▲1.9%)
輸出と消費の反転で7-9月期はプラス成長に転じる見込みだが、2012年には息切れの懸念も。

表を見れば明らかなんですが、軒並みマイナス成長が予想されています。従って、今回の1次QE発表の際のひとつの論点は、日本経済が景気後退に入っているかどうか、ではないかと私は考えています。7-9月期はプラス成長が見込まれていますが、足元で円高が進み、先行き景気が悪化を示す可能性も排除できないわけですから、それをか考え合わせると、私は日本経済はすでに景気後退に入っており、震災に伴う一時的な景気の減速や踊り場ではないと考えるべきです。現在の民主党政権が偏りなく景気の現状を判断できるか、そして、それを国民に明らかにできるか、それとも、何とか真実を隠そうとするか、そのあたりがひとつの試金石なのかもしれません。

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