ピアノ・トリオで「テイク・ファイブ」を聞く
先月の下旬に買ったジャズ月刊誌「ジャズ・ジャパン」の特集のひとつに海外ジャズ祭があり、イタリアのウンブリア・ジャズ祭に出演した日本人女性ピアニストのひとり、山中千尋が3曲目に「テイク・ファイブ」を弾いた、との記事 (p.15) を目にしました。もうひとりの上原ひろみは何を弾いたのか書かれていませんでしたが、そういえば、ここ数年でピアノ・トリオで「テイク・ファイブ」を聞く機会が増えているような気がします。
「テイク・ファイブ」はその名の通り、4ビートを基本とするジャズにあって、5ビートのいわゆる変拍子ジャズです。下にいくつかのジャズCDのジャケットを並べましたが、一番上のデイブ・ブルーベック・カルテット「タイム・アウト」が「テイク・ファイブ」のオリジナルと考えられていると言って差し支えないでしょう。作曲はこのカルテットでアルト・サックスを吹いているポール・デスモンドです。
上のジャケットは私が聞いた範囲で、ピアノ・トリオで「テイク・ファイブ」を演奏しているアルバムです。2番目はグレイト・ジャズ・トリオの「ス・ワンダフル」です。ハンク・ジョーンズの演奏は極めてオーソドックスで、デイブ・ブルーベックに近いと言えます。ハンク・ジョーンズにしては5拍子に乗り損ねて、少しギクシャクするアドリブも聞かれます。3番目はウィル・ブールウェアのアルバム「テイク・ファイブ」です。曲名をそのままアルバム名にしているほどですから気合の入り方が違います。でも、失礼ながら、演奏はそれほどハイレベルとも思えませんでした。その次の4番目がヘルゲ・リエンの「スパイラル・サークル」です。ヨーロッパ的な解釈と言えるのかもしれません。上から5番目、下から2番目が最近聞いた中では最も秀逸な「テイク・ファイブ」だったウォルター・ラングの「トリオ・エルフ」です。原曲を大きく崩したアドリブではないんですが、独特の雰囲気を持っています。ドラムが大昔のカシオペアの16ビートを思い出させます。最後はハクエイ・キムの「トライソニーク」です。軽く流して聞いていると4ビートに聞こえます。逆に言えば、ハンク・ジョーンズと違ってそれほど自然に5ビートを弾きこなしているということもできます。
どうでもいいことですが、私のブログに「音楽鑑賞の日記」のカテゴリーを設けてしまいました。ジャズを中心に少し週末辺りにいくつか取り上げたいと考えています。
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