東野圭吾『マスカレード・ホテル』(集英社) を読む
東野圭吾さんの『マスカレード・ホテル』(集英社) を読みました。ガリレオこと湯川学、加賀恭一郎に続く新たな謎解き役をヒーローに据えたミステリです。まず、出版社のサイトからあらすじを引用すると以下のとおりです。
東野圭吾 作家生活25周年特別刊行第三弾
新ヒーロー誕生! 華麗なる長編ミステリ
都内で起きた不可解な連続殺人事件。現場に残されたある手がかりから、次の現場が超一流のホテル・コルテシア東京と割り出された。容疑者もターゲットも不明のまま、警察は大胆にも潜入捜査を開始。やり手の刑事・新田浩介は一流のフロントスタッフ・山岸尚美とコンビを組むことに。そこへ、次々と怪しげな客たちがやってくる。
ターゲットは、そして犯人は誰なのか。
誰も予想しえなかった驚愕の真相とは?
東野圭吾史上最高に華麗な傑作長編ミステリ。
最後の「東野圭吾史上最高に華麗な傑作長編ミステリ」というのは決して誇張ではありません。シティ・ホテルのさまざまな出来事が詰まっていて、まさに、仮面をつけたような登場人物が繰り広げるストーリーは「華麗」といえます。また、作者自身が「未熟者」という新たな謎解き役のヒーロー新田浩介も、ガリレオ湯川学や加賀恭一郎のようなスーパーキャラではありませんが、かなり出来のいい刑事です。所轄の刑事と組んで立派な手柄を立ててくれます。ミステリの最重要ポイントである謎の部分も一連の連続殺人事件と見せかけて無関係な殺人を組み合わせ、あるいは、関連性を察知させないような殺人を企むなど、この面でも、東野さんが新たな境地を切り開いたと評価できます。
売れっ子作家のミステリ最新作ですし、話題作でもあります。読んでみた私も作品の出来は保証します。我が家は私とおにいちゃんが東野ファンですから買い求めましたが、多くの図書館に所蔵されていると思います。多くの方が手に取って読むことを願っています。
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