明日発表の日銀短観の業況判断DIはプラスに転ずるか?
明日の発表を前に、シンクタンクや金融機関などから9月調査の日銀短観予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って、大企業製造業と非製造業の業況判断DIを取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。今回は、三菱総研を除き設備投資計画に関するコメントを取りました。主語が不明瞭なヘッドラインについては、設備投資計画に関するコメントです。いつもの通り、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、富士通総研以外は pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別画面が開いてリポートが読めるかもしれません。なお、富士通総研は html 形式のリポートとなっています。
機関名 | 大企業製造業 大企業非製造業 <設備投資計画> | ヘッドライン |
6月調査先行き | +2 ▲2 <+4.2> | n.a. |
日本総研 | +5 +2 <+5.1> | 復旧・復興の進展と堅調な新興国経済を背景に上積み。もっとも、円高や欧米経済の減速懸念による収益下押し圧力が、企業の設備投資マインドを下期にかけてやや慎重化させる可能性も |
みずほ総研 | +2 +2 <+4.8> | 海外経済減速などの懸念材料はあるものの、大企業の年度計画が9月時点で下方修正される可能性は低いだろう |
ニッセイ基礎研 | +1 +3 <+4.2> | 先行きへの不透明感が強い中で慎重姿勢が残り、例年に比べ上方修正幅が限定的に留まる可能性が高い |
第一生命経済研 | 0 +5 <+3.6> | 円高や景気減速の影響を受けて設備投資が変動するのかについて目を配っておきたい |
三菱総研 | +2 +2 <n.a.> | 震災からの日本経済の回復の動きは夏場で一段落したとみられる一方、復興需要の本格化は想定よりも遅れており、足元の景気は足踏み状態 |
三菱UFJリサーチ&コンサルティング | +3 +1 <+4.0> | 製造業を中心に強めの計画が維持されると見込まれる |
みずほ証券リサーチ&コンサルティング | +3 +2 <+4.5> | 概ね例年のパターンに沿う形で、設備投資計画は中小企業を中心に前回調査に比べて上方修正 |
伊藤忠商事 | +2 +1 <+4.0> | 震災後に作成した計画は微修正されるに留まるだろう |
富士通総研 | +3 +1 <+4.3> | 今年度の設備投資は底堅く推移していくと見込まれる |
見れば分かると思いますが、大企業の製造業・非製造業の業況判断DI、さらに、大企業全産業の2011年度設備投資計画の前年度比です。設備投資計画は土地を含みソフトウェアを除くベースです。9月時点では業況判断DIはプラスに転ずるとの予想が大勢を占めているようです。
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