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2011年10月17日 (月)

TBS 「南極大陸」を下の子といっしょに見る (昨夜)

TBS 南極大陸ポスター

今日のことではなく、昨夜のお話なんですが、標記の通り、TBS開局60周年記念日曜劇場「南極大陸」を見ました。初回特別放送の2時間番組を、一応、録画はしていたんですが、下の子と2人で熱心にリアルタイムで見てしまいました。11時過ぎに次回予告までしっかり見た後、すぐに寝てしまいましたから、記事のアップは今日になってしまいました。悪しからず。もっとも、実は、私は途中の30分余りは入浴タイムだったんですが、お風呂から上がって下の子に登場人物やストーリーなどを聞きまくりましたので、ほぼ筋は追っているつもりです。もちろん、まだまだ第1回目の放送で、この先の続きもありますから、「感動」という言葉はふさわしくないかもしれませんが、文句なしによかったです。久し振りに見るべきテレビ番組だったという気がします。
昨年まで出向していた長崎大学経済学部でも、現在の大学生に約20年前のバブル経済を理解させようとするのが如何に困難なことか、身にしみて実感していましたが、中学生の下の子に昭和30年ころ終戦から10-11年くらいの日本をリアルに理解させるのは難しかった気がします。敗戦国であるが故に、例えば、スポーツの分野では、いくら水泳で世界記録を連発しても世界新とは認められなかった一方で、科学の分野では、昭和24年1949年に湯川博士がノーベル賞を受賞し、日本の水準の高さを世界に見せつけていたわけです。
南極観測船の宗谷の建造がドラマでも大きくクローズアップされていました。その当時の世界最高水準の造船国だった英国を、その約10年後に日本は追い越して世界の造船業界のトップに立ったわけですから、単に夢物語だけでなく、科学技術の実用面や経済的にも大いに南極観測が日本に役立ったといえます。もっとも、その造船技術について、現在では韓国や中国にコスト面で太刀打ちできないのも事実です。また、ドラマでも紹介されていましたが、南極観測に際して造船だけでなく、ホンダ技研のエンジン技術、後のソニーの通信技術などが大きく進歩したことも見逃せません。今では日本経済を引っ張る大企業に成長したことは誰もが知るところです。
ドラマの中で、南極観測の募金活動で、主人公の義理の妹の教え子の小学生が5円玉を握りしめて主人公に渡すシーンがありました。下の子が「今の貨幣価値でどれくらいか?」と聞きますので、大雑把に鉄道やバスの初乗り運賃、150-200円くらいと答えておきました。我が家の消費生活が貧しいだけなのかもしれませんが、10歳くらいの小学生には決して少額ではないと正しく感じてくれたようです。当時の貨幣価値ともうひとつ、私が下の子に着目すべきと教えたのは世代感覚です。下の子は知りませんでしたが、いわゆる団塊の世代が1946-48年に出産しています。昨夜の放送は、くどいほど何度もナレーションがあった通り、終戦から11年目ですから、団塊の世代は8-10歳、まさに、主人公の義理の妹が教えている小学生に当たります。そして、この夏休みに私と下の子が見た「コクリコ坂から」の舞台である東京オリンピック前年1963年には、団塊の世代は高校生に成長していたわけです。まさに、「コクリコ坂から」の主人公たちそのものです。
どうでもいいことですが、ドラマでは主人公をはじめとして東大山岳部のOBが南極観測隊の中心をなしているように描かれていますが、京都大学OBとしてクレームをつけると、南極観測隊は京大山岳会が中心に編成されている、という噂を聞いたことがあります。どこまで、ホントかウソか知りませんが、随行事務官から同行記者まで京大山岳会で固めていたらしいと聞いたことがあります。歴史的事実としては、雪山賛歌の作詞者としても有名で、第1次南極観測隊では副隊長、第1次越冬隊では隊長を務めた西堀栄三郎教授などを思い起こすべきです。西堀教授は日本山岳協会会長も歴任されています。なお、ドラマの主人公の恩師白崎優のモデルは東大の永田武教授だと思うんですが、ドラマの中で香川照之さん演じる星野栄太郎のモデルは明らかに西堀教授であり、西堀教授の方が永田教授よりも格段に知名度が高いと私は受け止めています。

ドラマでは主人公をはじめとする研究者たちとともに樺太犬のリキまで乗せて宗谷が出航したところで第1回の放送が終わりました。南極観測のシーンはこれからです。私は下の子とともにもう少し見続けるつもりですので、単に、昭和を懐かしむレトロなだけのドラマではないことを願っています。

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