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2011年12月12日 (月)

再び弱含み始めた企業物価と消費者態度指数

本日、日銀から企業物価 (CGPI) が、また、内閣府から消費者態度指数が、それぞれ発表されました。いずれも11月の統計です。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

11月企業物価、1.7%上昇 原油値上がり反映
日銀が12日発表した11月の国内企業物価指数(2005年=100、速報値)は104.7となり、前年同月比で1.7%上昇した。前年比での上昇は14カ月連続。原油の国際市況の値上がりを映し、前月比では0.1%上昇と、4カ月ぶりにプラスとなった。海外の需要減少で、一部で下落した品目もみられる。
品目で見ると、石油製品や農林水産物が上昇した。原油や豚肉などの国際商品市況の値上がりが影響した。一方、欧州債務不安による海外の需要減少で、鉄くずが下落。国内でもスマートフォン(高機能携帯電話)の販売競争によって情報通信機器が値下がりした。
タイの洪水については、ハードディスクなどで品薄感から大幅に値上がりした品目もあるが、「被災した工場の再稼働や代替生産が進み、企業物価全体への大きな影響は表れていない」(日銀)という。
企業物価指数は、企業間で取引される製品の価格水準を示す。調査対象855品目のうち、393品目が上昇し、全体に占める割合は46%だった。
消費者態度指数、11月前月比0.5ポイント低下 2カ月連続下方修正
内閣府が12日発表した11月の消費動向調査によると、消費者心理を示す消費者態度指数(季節調整値)は前月比0.5ポイント低下の38.1だった。前月を下回るのは4月以来7カ月ぶり。景気に対する先行き不透明感の高まりが指数に反映した。
指数を構成する「雇用環境」、「暮らし向き」、「収入の増え方」でいずれも低下。今後半年間の見通しを「変わらない」と答える人が減少し、「やや悪くなる」や「悪くなる」と答える人が増加した。内閣府では東日本大震災からの回復が一巡しつつあるうえ、夏場以降、欧州債務問題や円高、タイの洪水といった「追加的なショック」で不透明感が高まっているとの認識を示した。
基調判断を「持ち直しのテンポが緩やかになっている」から「ほぼ横ばいとなっている」に2カ月連続で下方修正した。前月と比べてマイナスとなったことにより「持ち直しが緩やかになっているとは言えなくなった」ことが理由。
1年後の物価見通しについて、「上昇する」と答えた消費者の割合は65.0%と前月(69.6%)から4.6ポイント低下した。一方で「低下する」と答えた消費者の割合は8.1%と1.2ポイント増加、「変わらない」と答えた消費者は19.8%と2.6ポイント増加した。
調査は全国の6720世帯が対象。今回の調査基準日は11月15日、有効回答数は5033世帯(回答率74.9%)だった。

次に、企業物価上昇率のグラフは以下の通りです。上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価の仕向け地別の上昇率、下は素原材料、中間財、最終財の需要段階別の上昇率です。いずれも前年同月比上昇率であり、色分けは凡例の通りです。

企業物価の推移

消費者物価指数上昇率も10月からは下げ幅を拡大しましたし、企業物価もおしなべてデフレの傾向を強めている可能性が高いと私は受け止めています。上のパネルでは、輸出物価は円高もあってマイナス幅を拡大し、国内物価もプラス幅を縮小しています。下のパネルでも、先月から最終財がマイナスに突っ込んでいます。欧州発の債務危機に起因する世界経済の失速や円高による需要ショックに加え、タイの洪水などに起因する供給ショックもあって、需給ギャップが拡大している可能性が否定できません。

消費者態度指数の推移

消費者態度指数の推移は上のグラフの通りです。季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。今年3月の震災からのV字回復の期間を終え、むしろ、弱含んだ動きを示しています。これも欧州債務危機に起因する世界経済の失速と円高による需要面の弱さに加え、タイの洪水による供給面の下押し圧力があることから、消費者マインドも先行き不透明感を強めています。引用した記事にもある通り、基調判断は2か月連続で下方修正されています。

本日午後に清水寺で発表された今年の漢字は「絆」でした。やっぱり、という気もしますが、1995年に始まったこのシリーズの最初の神戸震災の年の漢字は「震」だったんですが、15年余りを経てセンス・アップしたように感じます。可能であれば、日を改めて取り上げたいと思います。

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