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2012年2月26日 (日)

第146回芥川賞受賞作品を読む

円城塔「道化師の蝶」

ようやく、第146回芥川賞受賞作品、すなわち、円城塔「道化師の蝶」と田中慎弥「共喰い」を読みました。前者はとても読みにくい作品で、どうしてかというと、パートごとに視点を提供する話者の「わたし」が異なっているからです。実験的かもしれませんし、前衛的かもしれません。ある意味で、将来が楽しみな気もしますので、石原慎太郎などの一部に反対意見があろうと、この作品に芥川賞を授賞した選考委員の方々に敬意を表します。

田中慎弥「共喰い」

後者は芥川賞の受賞作としては標準的かやや標準を下回る程度の作品で、「もらっといてやる」と作者がうそぶくほどのレベルには達していません。悪いですが、下関弁でごまかしたところが感じられなくもありませんし、いずれにせよ、今後に期待します。もっとも、この作者は「文藝春秋」のインタビューで最近の読書を問われて、川上未映子『すべて真夜中の恋人たち』を上げていました。さすがに、文学的なセンスはいいのだろうという気がします。早く作品が川上未映子のレベルに達するよう期待しています。なお、私のこのブログでは昨年11月15日付けのエントリーで『すべて真夜中の恋人たち』を取り上げています。

Chick Corea: Now He Sings, Now He Sobs

どうでもいいことながら、いつもの通り、「文藝春秋」の3月号で選評とともに音楽を聞きながら読んでいて、私のウォークマンはアルバム・タイトルのアルファベット順に進むんですが、「道化師の蝶」を読んでいる時は、宮野寛子の昨年の新譜 Notes of Comfort からチック・コリアの Now He Sings, Now He Sobs を聞いていました。同じピアノ・トリオの演奏なんですが、チック・コリアの演奏に入った途端に読むスピードが格段に速くなった気がしました。私の勘違いかもしれませんが、以前にも同じような経験をした記憶があります。

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