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2012年2月 9日 (木)

先月の大幅増から反動減の機械受注と改善する消費者態度指数

本日、内閣府から昨年12月の機械受注統計と今年1月の消費者態度指数が発表されました。コア機械受注と称される船舶と電力を除く民需の機械受注は季節調整済みの統計で前月比7.1%減の7332億円となり、市場の事前コンセンサスを少し下回りました。消費者態度指数は2か月連続で上昇し、基調判断が「持ち直し」に上方修正されています。まず、いつもの日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

12月の機械受注、前月比7.1%減 2カ月ぶりのマイナス
内閣府が9日発表した2011年12月期の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶、電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は、前月比7.1%減の7332億円だった。マイナスは2カ月ぶりとなる。製造業が7.1%減、非製造業が6.0%減でいずれもマイナスだった。
製造業は3カ月ぶりのマイナス。電子計算機や通信機などの電気機械、工作機械などの一般機械からの受注が減った。非製造業は2カ月ぶりのマイナスで、通信機などの通信業や農林用機械など農林漁業からの受注が落ち込んだ。内閣府は「いずれも前月に伸びた反動減」とみている。
外需は5.6%増と3カ月のプラス。大型案件が続いたほか、タイの洪水を受けて工作機械などの受注も増えた。
官公需は50.7%増の高い伸び。防衛省関係の航空機や通信機、東日本大震災の被災地自治体向けの焼却炉や下水ポンプなどの受注があった。
内閣府は機械受注の基調判断を「一進一退で推移している」に据え置いた。
1月の消費者態度、2カ月連続改善 判断は4カ月ぶり上方修正
内閣府が9日発表した1月の消費動向調査によると、一般世帯の消費者心理を示す消費者態度指数(季節調整済み)は前月比1.1ポイント上昇の40.0だった。改善は2カ月連続。内閣府は基調判断を「ほぼ横ばいとなっている」から「このところ持ち直しの動きがみられる」へと4カ月ぶりに上方修正した。
1月は指数を構成する4つの項目全てが上昇。有効求人倍率の上昇など雇用環境の改善を受けて、消費者心理に明るさが戻った。年初は初売りが好調だったほか、ホテルの予約、旅行が増え、「暮らし向き」は同1.4ポイント上昇した。
タイの洪水被害からの挽回生産に伴う残業増加によって、製造業では現金給与の総額が増加。「収入の増え方」も同1.2ポイント上昇した。エコカー補助金の復活のほか、家電では価格の下落傾向が続いたため、「耐久消費財の買い時判断」は前年同月と比べてもプラスに転じた。
一方で、消費者態度指数を水準で見た場合、東日本大震災が発生する前である昨年2月(41.2)には届かなかった。
1年後の物価見通しについては、寒波襲来による生鮮野菜の価格上昇などを受けて、「上昇する」と答えた消費者の割合は63.1%と前月(61.3%)から上昇した。しかし、「低下する」との答えも8.1%と前月(7.4%)から上昇し、消費者物価指数(CPI)の低下など「長期的な傾向」(内閣府)が影響したとみられる。
調査は全国の6720世帯が対象。今回の調査基準日は1月15日で、有効回答数は5035世帯(回答率74.9%)だった。

次に、いつもの機械受注のグラフは下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需の機械受注、いわゆるコア機械受注とその6か月後方移動平均をプロットしており、下のパネルは需要者別の機械受注です。折れ線グラフの色分けは凡例の通りとなっています。いずれも季節調整済みの系列で、影を付けた部分は景気後退期です。

機械受注の推移

12月のコア機械受注の落ち込みはすべてが「反動減」であるとは考えませんが、基本的に統計作成官庁の内閣府と同じで、私も楽観的に受け止めています。というのは、第1に、前月11月+14.8%増に比べて、減少率で半分に満たないわけですし、コア機械受注の外数ですが、反動で同じようにマイナスに入ると見込まれていた外需はプラスを維持しました。第2に、何よりも、同時に発表された1-3月期見通しが前期比で、内需+2.3%増、外需+23.8%増と堅調だからです。もっとも、コア機械受注は10-12月期に+2.3%減でしたから、10-12月期と1-3月期をならして横ばいですが、出荷側の統計も併せて考えると、緩やかなテンポながら、徐々に設備投資は増勢に向かうと見込んでよさそうです。

消費者態度指数の推移

消費者態度指数は上のグラフの通りです。引用した記事にもある通り、震災前の2011年2月の指数には届きませんでしたが、震災後でもっとも高い水準に達しました。昨日発表の景気ウォッチャーで1月は大雪などで下げたのに私は少しびっくりしたんですが、供給サイドのマインドを代表する景気ウォッチャーと需要側のマインドを代表する消費者態度指数では少し相異があるのかもしれません。雇用の改善に従って消費意欲はまだ高まる可能性があると私は受け止めています。

欧州の債務危機が解決に向かい、米国経済は引き続き堅調となれば、わが国経済でも少しずつながら景気拡大に向けた動きが見られるようになるものと期待を膨らませています。

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