ハクエイ・キム Break the Ice を聞く
ハクエイ・キムの Break the Ice を聞きました。このアルバムはいくつかのバージョンが出ているんですが、私が聞いたのは上のジャケットの通常版です。DVD付きの限定版はアルバム・ジャケットがもう少し正面を向いていたりします。限定版ではなく、通常版ですから、ボーナス・トラックがケチられていたりして、My Foolish Heart は入っていません。すなわち、収録されている曲目は以下の通りです。
- Give Us the Sun [Improvisation]
- The Icebreaker 1
- Winter Festival
- Autumn Leaves
- Under the Bridge
- Mike Nock
- Alfie
- The Icebreaker 2
- Tokyo Traffic
- Lost in Newtown
- Don't Cry for Me Argentina
- The Ice Broken
- When You Wish Upon a Star
まず、このアルバムはソロ・ピアノです。私のこのブログでも、それなりに注目していて、ピアノ・トリオで Trisonique を結成し、同名のアルバムを出して、その他の Take Five を収録しているピアノ・トリオのアルバムと併せて、昨年9月4日付けのエントリーで取り上げています。しかし、このアルバムはソロで、このアルバムの後もソロ・コンサートの模様をDVDで出したりしています。残念ながら、私はDVDは見ていません。
傾聴すべきは、アルバムの最初からキース・ジャレットばりのソロ・ピアノで、かなり自由にインプロビゼーションを展開していることです。特に、The Icebreaker の1と2は特徴的です。4曲目と5曲目になって、すべてがキース・ジャレット調ではないと気づかされます。キムはかなり透明な音を出すピアニストなので、ソロは適しているような気もしました。ジャケットがそうだからというわけでもないんでしょうが、リリカルな曲も少なくないものの、全体として、かなり「男っぽい」アルバムに仕上がっています。オススメです。
名前から明らかなように、韓国人の父と日韓ハーフの母を持つピアニストと聞き及んでいます。まったく私は同意しませんが、ブームに乗じて「韓流ジャズの貴公子」なんてうたい文句を見かけました。私はキムのピアノから「韓流」という言葉はまったく思い付きもしません。日本で生まれ育った最近のピアニストとしては、上原ひろみや山中千尋とともに、世界に通用する実力を備えたピアニストです。
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