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2012年3月31日 (土)

伊坂幸太郎『PK』(講談社) を読む

伊坂幸太郎『PK』(講談社)

伊坂幸太郎『PK』(講談社) を読みました。3月になってから発売された作者の最新刊だと思います。まず、出版社のサイトからあらすじを引用すると以下の通りです。


そして、子供たちは目を輝かせる。
「PK」「超人」「密使」からなる"未来三部作"。こだわりとたくらみに満ちた三中篇を貫く、伊坂幸太郎が見ている未来とは――。

その決断が未来を変える。連鎖して、三つの世界を変動させる。
●今から思えば、試されていたのかもしれない――PK
●君も闘っているのか? 俺たちは楽じゃない――超人
●世界を救うのに、誰かが蔑ろにされるなんて――密使

引用にもある通り、3本の中編からなる単行本です。ワールドカップ出場を決めるPKを成功させた日本代表のストライカーに関する謎を解く大臣という「PK」から始まって、携帯電話に届くサッカーの結果が爺大事件に見えて、その事件を防止する青年を描く「超人」、人から時間をスる能力を生かして、重大な厄災を免れるために犠牲になる青年を救うという「密使」、それぞれに独立しているようで、微妙にリンクしています。もう少しつながりをハッキリさせて欲しい気がしないでもありませんが、長編の各章として配置されているわけではなく、あくまで、中編を編んだ単行本として出版されているわけですから、その作者の、そして、編集者の意図を読み取るべきかもしれません。

「伊坂ワールド全開」とはいきませんが、SFタッチで未来や正義を扱った作品です。私はサンデル教授の『これからの「正義」の話しをしよう』を読んでいましたが、前もって読んでおくと『PK』の各作品、特に最後の「密使」の理解が深まりそうな気がしないでもありません。5ツ星に少し欠ける4ツ星くらいの評価だと思うんですが、私や我が家のおにいちゃんのような伊坂ファンは読んでおくべきです。

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