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2012年4月18日 (水)

IMF 「世界経済見通し」 World Economic Outlook 見通し編を読む

昨日、国際通貨基金 (IMF) から「世界経済見通し」 World Economic Outlookの第1章と第2章の見通し編が発表されました。いつもの通り、pdfの全文リポートもアップされています。副題の "Growth Resuming, Dangers Remain" らしく、世界経済の成長率見通しは1月時点での見通しをわずかに上回ると見込まれており、すなわち、今年2012年は0.2%ポイント、来年は0.1%ポイント、それぞれ1月時点における見通しから上方改定されているものの、下振れリスクがいっぱい指摘されています。第2章は地域別見通しですので、今夜のエントリーでは第1章を中心に簡単に取り上げたいと思います。
まず、見通しのヘッドラインとなる成長率見通しをIMFのサイトから引用すると以下の通りです。なお、画像をクリックすると、別タブでリポート p.2 Table 1.1 Overview of the WOrld Economic Outlook Projections と題された経済見通しの総括表1ページだけを抽出したpdfファイルが開くようになっています。

Latest IMF projections

見れば明らかなんですが、ほぼすべての国や地域で今年1月の見通しから成長率は上方改定されており、例外は今年のスペインやインド、来年のロシアを除くCIS諸国など限られています。日本についても、特に今年は復興需要の本格化などにより従来見通しから上振れると見込まれています。ユーロ圏諸国は今年がマイナス成長で来年にはプラス成長に転じる予想されていますが、ここまで極端でもなく、来年は今年よりも成長が加速するシナリオとなっています。先進国で例外なのは今年のうちに復興需要が顕在化する日本くらいのものです。

Figure 1.1 Global Indicators

総括表について、別の角度から見たグラフをリポート p.3 Figure 1.1 Global Indicators から引用すると上の通りです。特に4番目の一番下のパネルの 4. Contributions to Revisions in Global GDP Growth に着目すると、少し前までは黄色の日本が成長率の下方改定要因として目立っていたんですが、最近では赤のユーロ圏諸国が経済見通しの下振れに対して大きな比率を占めていることが読み取れます。

Figure 1.12 Risks to the Global Outlook

さらに、先行きのリスクについて、リポート p.15 Figure 1.12 Risks to the Global Outlook を引用すると上の通りです。一番上のパネルはいわゆるファン・チャートですが、2番目の 2. Balance of Risks Associated with Selected Risk Factors を見ると、一番右の原油市場リスクがもっとも大きな下振れ要因であると見込まれています。

Figure 1.13 Recession and Deflation Risks

続いて、先行きの下振れリスクを総括して、景気後退とデフレのリスクについてリポート p.16 Figure 1.13 Recession and Deflation Risks を引用すると以下の取りです。一番上のパネルの景気後退確率はユーロ圏諸国が飛び抜けて高く、デフレ確率では日本がもっとも高くなっています。このグラフ以降に具体的な個別の下振れシナリオを同じように視覚的に理解できるようプロットしています。グラフは省略しますが、個別のリスクはグラフのタイトルとともに以下の通りです。

  • p.17 Figure 1.14. WEO Downside Scenario for Increased Bank and Sovereign Stress in the Euro Area
  • p.18 Figure 1.15. WEO Downside Scenario for a Disruption in the Global Oil Supply
  • p.19 Figure 1.16. WEO Downside Scenario for a Reevaluation of Potential Output Growth in Emerging Market Economies
Figure 1.17. WEO Upside Scenario

もちろん、下振れリスク要因の方が多いというだけのことであり、上振れリスクもないわけではありません。下振れリスクと逆に、"a larger-than-expected easing in ba nking and sovereign stress in the euro area, an improvement in private market credit conditions in other regions, and lower global oil prices" を前提にしたシミュレーション結果をリポート p.20 Figure 1.17. WEO Upside Scenario から引用すると上の通りです。ユーロ圏諸国のソブリン・金融危機の緩和や石油価格の低下などが各国経済にどれくらい寄与するかをプロットしています。成長率で見ると米国に、投資で見るとユーロ圏諸国に、それぞれもっとも大きく寄与し、日本経済の上振れ度合いは欧米諸国より小さいことが読み取れます。

政策対応については多岐にわたっているんですが、特に、リポート p.22 に "Given very low domestic inflation pressure in Japan, further monetary easing may in any case be needed to ensure achievement of the inflation objective over the medium term." と指摘されていることを付け加えたいと思います。

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