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2012年4月20日 (金)

今年の夏季ボーナスはやや減少するか?

4月に入って、シンクタンクなどから夏のボーナス予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると以下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しましたが、公務員のボーナスは制度的な要因ですので、景気に敏感な民間ボーナスに関するものが中心です。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブでリポートが読めるかもしれません。なお、「公務員」区分について、日本総研と三菱UFJリサーチ&コンサルティングについては国家公務員を取っています。

機関名民間企業
(伸び率)
公務員
(伸び率)
ヘッドライン
日本総研35.4万円
(▲2.7%)
49.9万円
(▲11.6%)
東日本大震災に伴う大幅な落ち込みからの回復が続くなか、増収に転じたものの、需要水準は依然として低く、円高・原油高の進行が、製造業を中心に収益下押しに作用。
みずほ総研36.1万円
(▲0.8%)
65.1万円
(▲1.4%)
円高の進行や海外経済の減速などを背景に2011年度下期の企業収益が悪化したことが主因。
第一生命経済研35.8万円
(▲1.7%)
n.a.
(▲10.0%)
大震災による売り上げ減、円高の進行、資源価格の上昇、タイの大洪水等により2011年度の企業業績は大幅に落ち込んでおり、これが反映される2012年の賞与は引き下げられるだろう。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング36.1万円
(▲0.9%)
50.8万円
(▲10.1%)
ボーナス算定のベースとなる所定内給与は、足元ではようやく下げ止まってきたものの、水準は依然として低い。さらにボーナスに反映されるであろう2011年度下期の企業収益は、震災後の落ち込みからは持ち直したものの、円高の進行やタイ洪水の影響で、製造業を中心に厳しい状況が続いている。景気の先行きに対する警戒感は根強く、企業は人件費抑制姿勢を崩さないとみられる。

上の4機関の夏季ボーナス予想のうち、最後の三菱UFJリサーチ&コンサルティングのリポートから夏季ボーナスの推移をプロットしたグラフを引用すると以下の通りです。リポートの p.6/9 図表5. 夏のボーナス予測: 平均支給額(前年比)と支給月数を引用しています。もちろん、グラフ右端の「予測」は三菱UFJリサーチ&コンサルティングによるものです。

夏のボーナス予想 (三菱UFJリサーチ&コンサルティング)

いかなる角度から見ても、今夏のボーナスは渋いようです。民間企業で35-36万円、公務員で約50万円と見込まれており、国家公務員の給与削減により▲10%ほど前年比で減少するにもかかわらず、相変わらず、公務員の方が民間企業より高額になっています。なお、みずほ総研の公務員ボーナスが高いのは管理職を含めており、組合員ベースの他2機関とベースが異なるからであると私は理解しています。
昨年2011年事業年度においては、震災による売上げの停滞ないし減少、歴史的な水準に達した円高の進行に伴う採算の悪化、国際商品市況の高騰によるコスト増、震災やタイ洪水に伴う供給制約の顕在化など、業績の悪化に連動する形でボーナスの減額が予想されています。特に、大企業では震災前に昨年度の年間賞与を妥結しており、年末ボーナスも増加しましたが、その反動もあって、夏季ボーナスの減少はほぼ確実です。
夏場くらいまでの個人消費を見通すと、ボーナス減額に加えて社会保険料率の引上げにより所得が停滞ないし減少することに加え、ガソリン価格上昇に伴う負担増、さらに、自動車のエコカー補助金も年度半ばには財源が尽きる可能性があり、年間を通じた消費増の持続可能性には疑問が残ります。昨年3月の震災や続く4-5月の供給制約の反動から、夏前くらいまでは、少なくとも前年同月比で見た消費は堅調に推移すると見込まれていますが、夏場を迎えるあたりから徐々に失速する可能性もなしとしません。

消費はGDPの過半を占める最大のコンポーネントであり、景気に左右されるとともに景気を左右する coincident な要因です。今後、所得とマインドに注目して夏場以降の消費の動向を見極めたいと考えています。

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