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2012年4月27日 (金)

政府統計の集中発表日に日本経済を占う!

今日は、ゴールデンウィーク前の月末最終営業日かつ閣議日でしたので、政府統計がいっぱい発表されました。すなわち、経済産業省から鉱工業生産指数商業販売統計、総務省統計局の失業率や厚生労働省の有効求人倍率などの雇用統計、総務省統計局の消費者物価指数などです。基本的に、緩やかながら我が国経済が回復局面にあることが示されたと受け止めています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

3月の鉱工業生産、前月比1.0%上昇 予想を下回る
経済産業省が27日発表した3月の鉱工業生産指数(2005年=100、季節調整値)速報値は95.3と、前月比1.0%上昇した。プラスは2カ月ぶり。エコカー補助金を支えに販売が伸びた自動車が堅調だった。同省は生産は「持ち直しの動き」との基調判断を維持したが、5月が減産の見通しとなるなど先行き不透明感も出ている。
3月は市場予想の中央値(2.4%)を下回った。経産省は「年度末で企業が強気の生産見込みを立てたが、納期が新年度にずれ込むといった影響が出た」とみている。3月の生産水準は、東日本大震災直前の11年2月の水準をなお3%下回っている。
3月は全16業種のうち11業種がプラスだった。主力の輸送機械工業は2.7%上昇。普通乗用車はエコカー補助金による国内販売の増加に加え、旺盛な海外需要も支えになった。情報通信機械工業は官公庁向けの防災無線やノート型パソコンの生産が増えた。
一方、電子部品・デバイス工業は2.4%低下した。中国向けの高機能携帯電話(スマートフォン)やゲームの輸出不振が響いた。国内で販売低迷が続くテレビ用の半導体は在庫調整で生産が落ち込んだ。
鉱工業生産指数は前年同月と比べると13.9%の急上昇となった。昨年の東日本大震災による急減産の反動で、伸び率は10年8月(15.5%)以来の大きさとなった。11年度の指数は93.2と前年度比1.0%低下。2年ぶりのマイナスとなった。
同日発表した4月の製造工業生産予測調査によると、4月は1.0%上昇、5月は4.1%低下を見込む。野村証券の尾畑秀一エコノミストは「輸出の停滞懸念が依然として払拭できず、先行きに慎重な見方が出ている」と指摘する。
3月小売業販売額、4カ月連続増 震災の反動で15年ぶり伸び
経済産業省が27日発表した3月の商業販売統計(速報)によると、小売業販売額は前年同月比10.3%増の12兆4320億円と4カ月連続で増加した。昨年3月に発生した東日本大震災で消費が大きく落ち込んだ反動が出たほか、エコカー補助金復活の効果で好調な自動車販売がけん引し、1997年3月以来15年ぶりの高い伸びとなった。
大震災からの反動増に加え、政策効果によって自動車小売業が同50.4%増と、伸び幅としては比較可能な1980年以来1月以来で最大となった。一方で、薄型テレビなどの販売不振が続き、機械器具小売業は同12.0%減に落ち込んだ。
百貨店やスーパーを含む大型小売店は同6.0%増の1兆6028億円で2カ月連続で増加。既存店ベースでも5.0%増となった。衣料品が好調だったほか、生鮮食品価格の上昇が響き、百貨店は既存店ベースで同14.2%増、スーパーは同0.5%増となった。
弁当や総菜などの売れ行きが良好で、コンビニエンスストアは同4.4%増の7715億円、既存店ベースでは同0.3%増となった。
同時に発表した2011年度の小売業販売額は前年度比0.8%増の135兆7620億円と、2年連続の増加だった。
完全失業率、3月は横ばい 4.5%
総務省が27日発表した3月の完全失業率(季節調整値)は4.5%と前月と同水準だった。厚生労働省が同日発表した3月の有効求人倍率(同)は0.76倍で、前月を0.01ポイント上回った。雇用は医療・福祉分野など一部で持ち直しがみられるものの、全体的な改善の動きは足踏み状態にある。
完全失業率は15歳以上の働く意欲のある人のうち、職に就いていない人の割合。完全失業者は前月から1万人減の297万人だった。3月は春物商戦で苦戦した卸売業・小売業の雇用者数が37万人減少したことで、就業者数全体では17万人減の6271万人だった。「小売業などに従事していた若年層が職探しを見合わせている可能性」(総務省)もあり、若年層が職探しを再開すれば失業率が増える可能性がある。
2011年度平均(岩手、宮城、福島県を除く)の完全失業率は4.5%で、前年度に比べて0.5ポイント低下、完全失業者数は29万人減少した。東日本大震災後の落ち込みからは持ち直しているが、「依然として雇用情勢は厳しく、円高の影響にも注意が必要」(小宮山洋子厚労相)だ。
消費者物価、3月は0.2%上昇 ガソリン・電気代がけん引
総務省が27日発表した3月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、値動きが激しい生鮮食品を除くベースで100.0となり、前年同月比0.2%上昇した。プラスは2カ月連続で、上昇幅は前月を0.1ポイント上回った。ガソリン価格や電気代などが上昇しており、生活必需品が物価上昇をけん引する構図が続いている。
ガソリンは前年同月比4.9%上昇した。灯油なども含めた石油製品は4.2%上昇しており、国際的な市況高騰の影響が広がっている。電気代は値上げにより6.9%上昇、都市ガス代も7.6%上昇した。パソコンや電気冷蔵庫などの耐久財は引き続き下落した。
食料とエネルギーを除いたベースでは0.5%下落し、前月から0.1ポイント下げ幅を縮めた。先行指標とされる東京都区部の4月のCPI(中間速報値)は東日本大震災後の昨年4月に物価が上昇した反動で、生鮮食品を除くベースで0.5%下落した。前月比でみると0.1%のプラスで、総務省は「横ばいの動き」とみている。
総務省が同日発表した11年度の全国CPIは生鮮食品を除くベースで99.8となり、前年度比で横ばいだった。10年度はマイナス0.8%で、3年ぶりに物価の下落が止まった。テレビなど耐久財は大幅に下落したが、ガソリンの上昇に加えて電気代やたばこの値上げが影響した。

まず、鉱工業生産指数のグラフは以下の通りです。上のパネルは2005年=100となる付加価値ベースの鉱工業生産指数そのもの、下のパネルは耐久消費財と輸送機械を除く資本財を、それぞれプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。

鉱工業生産の推移

直感的には物足りない伸び率なんですが、エコノミストの間では昨年3月の震災の影響により、季節調整指数が歪んでいる可能性を指摘する意見も聞かれます。他方で、3月統計では生産が伸びたものの出荷は停滞しており、例えば、生産予測指数の5月の減少を重視する見方も成り立ちます。私はどちらかと言えば統計を素直に見る視点ですが、後に取り上げるように、日銀の金融政策次第で為替が動き、為替の動向により輸出が左右され、最終的な生産への影響が読み切れない状況ですので、イマイチ、強気にはなり切れずにいます。

商業販売統計の推移

消費の代理変数である商業販売統計も少し複雑な動きを示しています。季節調整していない原系列の前年同月比では昨年3月の震災の反動で大幅増を示しましたが、季節調整済みの前月比ではマイナスでした。総務省統計局の家計調査でも同様の傾向が観察されます。消費のけん引役は政策効果で水増しされた自動車であり、その上に、震災からの反動もありますから、昨年の震災に起因して生産とともに消費も統計に撹乱が生じている可能性を否定できません。生産と消費については、4-6月期くらいまで基調的な判断に留保が必要であると受け止めています。

雇用統計の推移

ここしばらく、雇用は極めて緩やかな回復という状態が続いています。方向性という観点からはプラスと評価すべきなんですし、中国と違って日本では人口減少局面に入りつつありますから、雇用を維持するために生産や経済活動の大幅な引上げは必要ないんですが、現時点で、若年層などにdecentな雇用が行き渡っているとはとても言い難く、特に25歳未満層では、量的にも職が不足して失業率が高止まりしており、質的にも非正規の雇用が多くて不安定だったりしますので、特に若年層の雇用の確保のためにはさらに生産・経済活動が引き上げられることが必要だと私は受け止めています。そのためには金融政策の発動の余地がまだまだ残されていると考えるべきです。

消費者物価上昇率の推移

消費者物価は大きな動きはありませんが、このところ、先行指標と見なされている東京都区部の物価と全国ベースの物価にやや乖離が見られているのが気がかりです。東京都区部の物価は上昇率がプラスに転じそうな気配が希薄である一方で、全国のコアCPIは2か月連続でプラスを記録し、日銀の白川総裁は早ければ2014年度にも物価上昇率が日銀の「物価安定の目安」の中央値である1%に達する可能性を示唆したりしています。私は極めて疑わしいと受け止めていますが、従来からの私の主張である「デフレ脱却の必要条件は物価の上昇である一方で、十分条件は賃金の上昇」という論点をもう一度明確にしておきたいと思います。

2011-2013年度の日銀政策委員の大勢見通し

以上の政府統計から離れて、日銀の「展望リポート」が発表されています。注目される経済見通しはリポート p.16 の表を引用して上の通りです。来年度2013年度でもコアCPI上昇率が1%を下回るものの、白川総裁は記者会見で先行き強気の見通しを披露しているようです。今回の金融政策決定会合で決定された資産買入等基金の5兆円増額などの追加緩和策も、私の見立てではほぼミニマムに近い内容ですし、1年を切った総裁の任期中に「物価安定の目安」の中央値にすら届かない力量不足を反省する言葉は聞かれたんでしょうか?

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