« 2012年4月 | トップページ | 2012年6月 »

2012年5月31日 (木)

回復テンポが鈍化した生産と震災からの反動で前年比上昇した賃金

本日、経済産業省から鉱工業生産指数が、また、厚生労働省から毎月勤労統計が、それぞれ発表されています。いずれも4月の統計です。まず、いつもの日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じた記事を引用すると以下の通りです。

4月の鉱工業生産、0.2%上昇 市場予想は下回る
経済産業省が31日発表した4月の鉱工業生産指数(2005年=100、季節調整値)速報値は95.8と、前月比0.2%上昇した。プラスは2カ月連続。好調な国内販売を背景にした自動車の生産増が全体の持ち直しをけん引する構図が続いている。ただ4月は事前の市場予想(0.5%)を下回り、市場では回復ペースの鈍化を懸念する声もある。
経産省は全体の基調判断を「持ち直しの動きで推移している」と据え置いた。主力の輸送機械工業は6.5%のプラス。自動車の国内販売や北米輸出が好調なほか、エコカー補助金による堅調な需要を見込んだ在庫の積み増しも目立った。
ただ全16業種のうちプラスだったのは9業種で前月(12業種)から減った。電子部品・デバイス工業は7.8%のマイナスだった。アジア向けのスマートフォン(高機能携帯電話)用半導体集積回路などが落ち込んだためだ。情報通信機械工業も19.5%と大幅なマイナスだった。
同日発表された製造工業生産予測調査は5月がマイナス3.2%、6月は2.4%のプラスだった。5月のマイナス幅は前回調査から0.9ポイント縮小した。経産省は5月の落ち込みについて「4月に好調だった輸送機械の反動減が大きい」と分析している。
大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミストは生産の先行きについて「夏場の電力供給不安を見据え、短期的な在庫積み増しの動きも出る」と指摘。一方で、エコカー補助金の効果が一巡するなど下振れリスクには注意が必要としている。
4月の現金給与総額、0.8%増 3カ月連続プラス
厚生労働省が31日発表した4月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、従業員1人当たり平均の現金給与総額は前年同月比0.8%増の27万3871円と、3カ月連続のプラスだった。昨年4月に製造業の残業代などが東日本大震災の影響で落ち込んだ反動が出た。
基本給や家族手当などの所定内給与は0.3%増の24万6170円と、2カ月連続のプラス。残業代などの所定外給与は4.9%増の1万9334円だった。所定外給与は、昨年4月にサプライチェーン(供給網)の寸断で生産が滞った製造業が17.6%増と大幅に伸びたほか、卸売業・小売業も7.2%増えた。
総労働時間は0.5%増の150.6時間と3カ月連続の増加。製造業の所定外労働時間は16.0%増の15.1時間と、11カ月連続のプラスだった。

次に、いつもの生産のグラフは以下の通りです。上のパネルは鉱工業生産指数、下は輸送機械を除く資本財出荷です。いずれも2005年を100とする季節調整済の指数であり、影を付けた部分は景気後退期です。

鉱工業生産指数の推移

引用した記事にもある通り、生産は季節調整済の系列で前月比+0.2%の増産を記録したものの、市場の事前コンセンサス+0.5%を下回り、やや弱い数字と認識しています。いずれも季節調整済みの前月比で出荷が+0.9%増に比較して、在庫が+2.0%増と上回りましたので、増産ペースが鈍化し始めた可能性があると考えるべきです。グラフを見ても明らかな通り、昨年3月の震災からの急回復の時期はとっくに終わり、一進一退を続けています。特に、先行きも5月は減産が見込まれています。6月は回復するものの、輸送機械の見通しが弱くなっており、欧州のソブリン危機とエコカー補助金終了後の反動の影響が懸念されます。

毎月勤労統計の推移

生産統計に続いて、毎月勤労統計の結果は上のグラフの通りです。上のパネルは景気動向に敏感な所定外労働時間指数、下は賃金給与総額の前年同月比上昇率です。生産の増加幅が小さかったことに対応して、残業時間は前月より減少しているものの、震災に起因するサプライチェーンが寸断されていたころよりは賃金は上向いています。昨年の震災直後と比較すれば強い数字ですが、最近の足元で見れば回復の鈍化が観察されるのは、当然ながら、生産動向と同じです。

多くの経済指標で観察される事実ですが、昨年の震災の反動がまだ残りますので、季節調整していない原系列による前年同月比の比較では大きなプラスを記録しても、季節調整済の系列で足元の動向を見れば明らかに鈍化している指標が少なくありません。今日発表された鉱工業生産指数や毎月勤労統計は典型です。動きの速い昨今の世界経済において、1年前と比較する意味が不明なだけに、私は後者の足元の動きに着目しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月30日 (水)

ロッテとの乱打戦を勝ちに等しい引分けに持ち込む!

  HE
ロ ッ テ002511000 9132
阪  神100501020 9132

2005年の日本シリーズで戦ったロッテ相手に乱打戦の末引分けでした。久保投手が井口選手にグランドスラムを浴びた時にはワンサイドと諦め、6回ウラのチャンスに金本選手が平凡な浅いライトフライに倒れた時には負けを覚悟しましたが、4回ウラには大和外野手のフライが満塁の走者一掃になり、8回ウラに思わぬ形で同点に追いつき、結局、引き分けました。最後の鳥谷遊撃手にサヨナラ打を期待しないでもなかったんですが、勝ちに等しい引分けと私は受け止めています。ただし、浮かれてばかりはいられません。岩田投手は先発から外すか、思い切って2軍に落とすべきではないでしょうか。5敗を喫して大きく負け越している上に、今夜は4回途中で6失点ですから、岩田投手は先発失格と考えるべきです。

明日は勝つべく、
がんばれタイガース!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

フェルディナント・フォン・シーラッハ『罪悪』(東京創元社) を読む

フェルディナント・フォン・シーラッハ『罪悪』(東京創元社)

フェルディナント・フォン・シーラッハ『罪悪』(東京創元社) を読みました。前作『犯罪』が話題になった作者ですが、誠に残念ながら、私は前作は読んでいません。まず、出版社のサイトから内容紹介を引用すると以下の通りです。

内容紹介
罪人になるのは簡単なのに、世界は何も変わらない。──ふるさと祭りの最中に突発する、ブラスバンドの男たちによる集団暴行事件。秘密結社イルミナティにかぶれる男子寄宿学校生らの、"生け贄"の生徒へのいじめが引き起こす悲劇。何不自由ない暮らしを送る主婦が続ける窃盗事件。弁護士の「私」は、さまざまな罪のかたちを静かに語り出す。「このミステリーがすごい!」第二位など、年末ベストを総なめにした『犯罪』に比肩する傑作!

解説するまでもないと思いますが、一応、「年末ベストを総なめにした」のはあくまで同じ作者の『犯罪』であって、この『罪悪』ではありません。念のため。次に、この『罪悪』は短編集なので、収録されている15編の短編のタイトルを上げると以下の通りです。

  • 「ふるさと祭り」
  • 「遺伝子」
  • 「イルミナティ」
  • 「子どもたち」
  • 「解剖学」
  • 「間男」
  • 「アタッシュケース」
  • 「欲求」
  • 「雪」
  • 「鍵」
  • 「寂しさ」
  • 「司法当局」
  • 「清算」
  • 「家族」
  • 「秘密」

ドイツ人弁護士である著者の1人称の視点からさまざまな犯罪、あるいは、この本のタイトルから示唆されているように、犯罪に至る前の段階の何らかの「罪悪」を取り上げています。弁護士の視点なんですが、弁護する加害者だけでなく、被害者や何らかの意味で巻き込まれてしまった関係者の視点も含めて、一方的な見方を廃して、世間一般から少し距離を置いた見方を提供しています。犯罪や犯罪に至らない「罪悪」を通して人間を描き出しているといえます。また、原文は見ていませんし、ドイツ語は理解しないんですが、邦訳の文体を読む限り、ミニマリストのような研ぎ澄まされた文章です。表現も抑制されていると感じられるんですが、短い文章に表現すべき内容は過不足なく盛り込まれています。

繰返しになりますが、私はこの作者の前の話題作『犯罪』は読んでいませんが、この『罪悪』については、万人に勧めるべき本ではないものの、一定の年齢に達した大人の読書子に対して、気分転換の意味で手に取ることをオススメしたいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月29日 (火)

雇用統計と商業販売統計から景気の現状と先行きを考える

本日、総務省統計局の失業率や厚生労働省の有効求人倍率などの雇用統計が、また、経済産業省から商業販売統計が、それぞれ発表されています。いずれも4月の統計です。まず、統計のヘッドラインを報じた記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

完全失業率3カ月ぶり悪化、4月4.6% 「自発的」増える
総務省が29日発表した4月の完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント上昇の4.6%となり、3カ月ぶりに悪化した。厚生労働省が同日発表した4月の有効求人倍率(同)は0.79倍で、前月を0.03ポイント上回った。景気の持ち直しを背景に求人が増えたことで、若年層を中心に自ら離職してより良い職場を探す動きが出ている。
完全失業者数は前月から2万人増え、299万人(季節調整値)。勤務先の都合や定年退職など「非自発的な離職」は2万人増にとどまったが、「自発的な離職」は9万人増えた。
完全失業率は15歳以上の働く意欲のある人のうち、仕事に就いていない人の割合を示す。今月の失業率の悪化は「労働市場に求職者が増えた結果」(総務省)で、今後の就業者数の増加につながる可能性もある。
就業者数は6255万人で16万人減少した。製造業や卸売・小売業で大きく減少した。一方、復興需要を背景に建設業の就業者数が増加。医療・福祉分野の大幅増加も続いており、雇用環境全体としては一進一退の動きが続いている。
小売販売額、4月5.8%増 震災の反動で
経済産業省が29日朝発表した4月の商業販売統計速報によると、小売業販売額は前年同月比5.8%増の11兆4780億円で、5カ月連続の増加だった。東日本大震災の影響で消費が落ち込んだ反動が出たことに加えて、自動車や衣料品の販売が好調だった。
大型小売店の販売額は、百貨店とスーパーの合計で0.2%増の1兆5670億円。既存店ベースの販売額は0.5%減だった。うち百貨店は1.6%増、スーパーは1.6%減だった。
コンビニエンスストアの販売額は10.3%増の7598億円。既存店ベースは6.2%増だった。

次に、雇用統計のいつものグラフは以下の通りです。上のパネルから、失業率、有効求人倍率、新規求人数です。それぞれ、景気に対して、遅行指標、一致指標、先行指標と考えられています。いずれも季節調整済みの統計であり、影を付けた部分は景気後退期です。

雇用統計の推移

引用した記事にもある通り、失業率が上昇したのは「自発的辞職」が増加したことに起因し、もっといえば、よりよい職を求めて離職した人が失業状態とカウントされたためであり、会社都合の非自発的な離職ではなく、前向きの離職と考えるべきです。先行指標・一致指標の新規求人数や有効求人倍率が改善していることから、雇用についてはマクロで改善しているのではないかと私は考えています。ただし、改善のスピードが問題なんですが、現時点では賃金の上昇につながる雇用改善圧力をもたらすほどのスピードではないと受け止めています。なお、以前からの主張通り、デフレ脱却の十分条件は賃金の上昇だと私は考えています。

商業販売統計の推移

商業販売統計のグラフは上の通りです。上のパネルは季節調整していない原系列の前年同月比、下は季節調整指数そのものです。青が卸売業、赤が小売業です。販売統計については総務省統計局の家計調査と同じで、2月のうるう年効果でジャンプし、3-4月は昨年の震災からの反動に加えて、エコカー補助金の復活による自動車販売の激増により販売や消費支出は前年同月比で増加している一方で、季節調整済みの統計を見ると4月は前月比で減少しています。消費についてはうるう年効果や昨年の震災の反動、さらに政策によるかく乱もあり、基調が分かりにくくなっているのは事実ですが、大雑把に消費の回復基調は崩れていないものの、4月についてはやや弱い数字が出た、と私は受け止めています。ただし、うるう年はもちろん、震災の反動もエコカー補助金もサステイナブルではありませんから、年度後半の消費動向には不透明感が払拭されません。

年度前半でうまく雇用と景気のいい循環に乗ることが出来れば、景気回復はかなり力強いものとなると私は期待しているんですが、自動車販売に対する政策効果の剥落がテレビ並みに大きいとすれば、もしそう仮定すれば、景気に対する影響も無視できません。年度後半の消費に注目したいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月28日 (月)

打線はサブマリン牧田投手に抑えられ、メッセンジャー投手はスリーランに沈む!

  HE
西  武000000300 370
阪  神000000000 040

またもゼロ行進が始まりました。西武のサブマリン牧田投手に4安打完封負けです。4回、6回と6番新井内野手が相変わらずブレーキとなりました。メッセンジャー投手はよく投げましたが、やはりベンチが引っ張り過ぎて投手交代のタイミングを失し片岡選手に致命的なスリーランを打たれてしまいました。再び借金生活に逆戻りです。

明後日からのロッテ戦では、
がんばれタイガース!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

横澤利昌『老舗企業の研究 [改訂新版]』(生産性出版) を読む

横澤利昌『老舗企業の研究 [改訂新版]』(生産性出版)

横澤利昌『老舗企業の研究 [改訂新版]』(生産性出版) を読みました。我が国に現存する100年以上の歴史を有する老舗企業5000社にアンケート調査を実施し、約600社から得られた回答を基に、また、海外の老舗企業の分析から、上の表紙にあるような「先義後利」や「不易流行」などのキーワードを抽出し、それなりの経営学的な分析を試みています。そもそも、我が国には歴史の長い企業が少なくなく、例えば、昨年2011年11月21日付けの東京商工リサーチのプレス記事「2012年(平成24年)に創業100年を迎える企業 -シャープ、大正製薬など全国で1,960社」では、今年2012年に創業100年を迎える企業はシャープ、大正製薬、JTB、ヤンマーなど、2012年が年号代わって大正になったこともあり、有名企業が目白押しです。
ただし、内容として経営学的に疑問に感じる点もあり、例えば、もっとも重要な観点は伝統と革新の関係なんですが、そのあたりは読んでいてごまかされているような印象を持ちました。これで正しく記述されているのであれば、経営学というのもかなり底の浅い学問だという気がしますが、少なくとも、私が2年間出向していた地方大学の経済学部では、別の観点からエコノミストの私にも理解できるというか、批判すらできるレベルでの学問的追求がなされていました。私が思うに、科学的な研究とは、観察された事実から演繹または帰納されて、より一般的な法則性のようなものが抽出され、最後に観察された事実に基づいて実証されるという段階を踏むんですが、この第1段階である観察結果だけを集めても、それなりの読み物にはなるわけで、その意味で、この本はケーススタディを集めた労作である面が強いという気もします。逆に意地悪な見方をすれば、私のようなシロートから見ても納得できるような経営戦略を老舗企業のケーススタディから抽出するのには成功しているとは言い難いともいえます。ただし、これは私のレベルが低過ぎるのかもしれません。いずれにせよ、経営の指南書としては有益かどうか疑問で、私のようなシロートから見て、ありきたりな内容だという気がしないでもありませんが、歴史のある老舗企業の個別のケーススタディを集めたデータベースとしては興味深いファクト・ファインディングにあふれていると受け止めています。特に、私のような専門外の一般ピープルではなく、取り上げられているような老舗企業の関係者には大いに訴えるものがあるような印象を持ちました。また、最後の方は老舗企業をファミリー・ビジネスと捉えて、近代的な会社組織と対比させています。疑問がないでもありませんが、所有と経営の分離という観点は希薄です。分離せず一致している利点も少なくないということなんでしょう。コーポレート・ガバナンスの観点からは、プリンシパルとエージェントが一致していれば何の問題も生じませんから、それはそれで理解できます。しかし、一般的なガバナンスにおける解ではあり得ません。

有名無名の老舗企業の多くが経営的な観点から誉め称えられています。100年200年と生き残っているんですから、経営的に汲み取るべき教訓は数多くありそうです。それ以上に、老舗企業に関する雑学的な興味も大いにそそられます。それはそれで重要な知的好奇心です。従って、経済評論の日記ではなく、読書感想文の日記に分類しておきます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月27日 (日)

代打関本選手のサヨナラ死球で日曜日に甲子園初勝利し5割復帰!

  HE
西  武200000000 264
阪  神001000101x 370

関本選手のデッドボールによるサヨナラ勝ちで日曜日の甲子園初勝利で5割復帰です。先発の能見投手がよく投げて1回の2点に西武打線を抑え、攻撃陣はマートン外野手とブラゼル内野手を軸に、何とかサヨナラ勝ちでした。でも、8回ウラの攻撃の新井内野手のゲッツーもそうですが、これだけフォアボールや西武内野陣のエラーがあったんですから、もう少し楽に勝てるんではないかと思っていしまいました。なんにせよ、日曜日に岩田投手が来るローテーションだったので、お客さんの入る日曜日の勝率がヤケに悪かったんですが、ここに来て日曜日の甲子園でサヨナラ勝ちというのは営業的にもよかったんではないでしょうか。

明日も、
がんばれタイガース!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月26日 (土)

映画「テルマエ・ロマエ」を見に行く

映画「テルマエ・ロマエ」ポスター

今日は久し振りに映画を見にでかけて、ベストセラー・コミックを原作にした「テルマエ・ロマエ」を見て来ました。副題は「時空を超えた入浴スペクタクル」ということになっています。どうでもいいことですが、ローマ字表記すると TERMÆ ROMÆ となります。
古代ローマと現代日本を「風呂」で結ぶ一大スペクタクルです。ローマ帝国の土台を揺るがしかねない難問題を解決し、タイム・パラドックスを未然に防ぎます。ヤマザキマリが「コミックビーム」に連載しているマンガの原作が大ヒットなのは知っていましたが、まさか、実写で映画化されるとは思いもよりませんでした。しかし、実際に映画を鑑賞してみると、主演のルシウス役の阿部寛をはじめ、ハドリアヌス帝役の市村正親、ほか北村一輝、宍戸開など、我が国映画界でも屈指の彫りが深くて顔の濃い俳優陣を起用し、ローマ人を無理なく演じています。ただし、女優陣では適任者はいなかった模様です。マドンナ役はマンガ家を目指す上戸彩なんですが、原作のマンガでは「小達さつき」なる東大院卒の歴史学者を配して、ラテン語まで理解できてルシウスとラテン語で会話する場面があったように記憶していますが、映画ではルシウスと出会ってから勉強してラテン語を理解するという形になっています。上戸彩の父親役など「平たい顔族」の何人かがローマにタイム・スリップしても、無理なく意思疎通が出来ているのはマンガならではという気もします。映画では重要でもマンガであり得ないのが音楽なんですが、ほとんどすべてベルディとプッチーニだったような気がします。映画を見終えて帰り道で私のウォークマンも誠に偶然ながらエンリコ・ピエラヌンツィの「ザ・チャント・オブ・タイム」を流しましたので、とってもイタリアーナな気分でした。一応、念のため、映画も音楽もイタリア語では女性名詞だと思います。

今までのところ、邦画としては今年一番のヒットではないでしょうか。私の知り合いによれば、多くのチケットショップで前売り券が売り切れているそうです。私が行った映画館もほぼ満員でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月25日 (金)

見違えるような効率のいい攻撃でソフトバンクに先勝!

  HE
阪  神000100121 571
ソフトB000000000 031

ついこの間まで5連敗していたのが嘘のように打線がつながり、ソフトバンクに先勝です。先発のスタンリッジ投手がしっかりと抑えて試合を作り、打線も4回、6回とマートン選手の復活を思わせる打撃で得点し、終盤にはダメ押しのダメ押しまで点をもぎ取って、最後はクローザーの藤川投手を温存しての完勝でした。

明日もも、
がんばれタイガース!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

マイナス幅が拡大した東京都区部の消費者物価は全国の先行指標か?

本日、総務省統計局から消費者物価が公表されました。4月全国と5月東京都区部です。ヘッドラインとなる生鮮食品を除く総合、いわゆるコアCPIの前年同月比上昇率は全国が+0.2%の上昇を示した一方で、東京都区部は▲0.8%下落しました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。ただし、青字で下線を引いた「4月」は「5月」の誤植だと考えてよさそうです。

5月の全国消費者物価、3カ月連続プラス 震災の反動色濃く
総務省が25日発表した4月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、生鮮食品を除く総合が前年同月比0.2%上昇の100.2だった。プラスは3カ月連続。原油高を背景にガソリン価格などが上がり、エネルギー全般で5.3%上昇した。前年の同時期に東日本大震災の影響が大きく出た反動が見られるが、総務省では足元の変動幅は比較的小さいことから「横ばいの動き」とみている。
エネルギー価格では、ガソリンが4.2%上昇したほか、電気代が6.6%上がった。震災によって広がった自粛ムードで前年同月に落ち込んだ宿泊料は2.1%上昇。昨年7月の地上デジタル放送への完全移行が迫って価格が下がったテレビは8.1%上昇した。
一方で、震災の影響で昨年4月に大きく上昇した卵やヨーグルトといった、生鮮食品を除く食料は0.3%下落した。生鮮食品を除く総合の上昇幅は前月と同水準にとどまった。
野菜価格の高止まりは続き、生鮮食品を含む総合は前年同月比0.4%上昇の100.4だった。食料とエネルギーを除くベース(欧米型コア)は0.3%下落の98.9と、09年3月以来3年1カ月ぶりの下落幅にとどまった。前月(0.5%下落)からも下落幅は縮小したが、震災の影響の反動があることから、「今後の動向をみていく必要がある」(総務省)。
先行指標とされる東京都区部の4月のCPI(中旬の速報値、10年=100)は、生鮮食品を除く総合が99.1と前年同月比0.8%下落。前月(0.5%下落)から下落幅は0.3ポイント広がった。地デジ化を前に昨年4月に下がった薄型テレビの価格が、同5月には品薄感から上昇し、その反動が出た。前月に比べるとエネルギー価格の上昇幅が縮小したことも影響した。

次に、いつもの消費者物価のグラフは以下の通りです。青い折れ線グラフが生鮮食品を除く全国コアCPI、赤が食料とエネルギーを除く全国コアコアCPI、グレーが東京都区部のコアCPIのそれぞれの前年同月比上昇率です。積上げ棒グラフは青の全国コアCPIの前年同月比上昇率に対する寄与度をプロットしています。色分けは凡例の通りです。すべて季節調整していない原系列の前年同月比上昇率であり、いつものお断りですが、統計局では指数は小数点以下1位までしか発表していない一方で、上昇率は小数点2位以下の端数を持った指数で計算しており、以下のグラフは指数に従った計算結果ですので、統計局発表の上昇率とは微妙に異なっている可能性があります。

消費者物価上昇率の推移

今日のCPIの発表で最大の関心は、全国コアCPIが今年2月からプラスに転じている一方で、東京都区部が4月5月とマイナス幅を拡大したことです。要するに、全国と東京の乖離が生じており、消費者物価に関する一般的な経験則である「東京都区部が全国に先行する」という関係が成り立つか、すでに崩れているのかどうかです。
上に引用した報道などから、統計局では昨年の震災の反動に伴うイレギュラーな動きと見ているようですが、特に定量的な根拠のない私の直感では、イレギュラーな動きに加えて、全国が高すぎる一方で東京が低過ぎる、という結論です。例えば、日経QUICKによる市場の事前コンセンサスでは、4月の全国コアCPI上昇率は+0.1%だったんですが、統計局の結果は+0.2%でした。微差ではありますが、やや高い印象があります。逆に、東京では価格下落の大きい耐久財は全国よりもウェイトが小さいながら、帰属家賃の下落が全国よりも大きくなっているなど、一般的に、サービス価格の下落がより大きく出ています。本来であれば、東京都区部を包含する全国が政策のターゲットとなるんですが、私の直感ではこの全国と東京の間のどこかに解があるような気がしてなりません。

政府は「月例経済報告」で、日銀は「金融経済月報」で、それぞれ景気判断を進めて、特に、日銀は引締め政策への傾斜を強めているように私は受け止めています。景気判断としては私は間違っていないと考えるべきですが、物価の現状については全国だけで考えるのではなく、東京都区部のCPIについても考慮する必要はあるんでしょうか、ないんでしょうか。政策運営が微妙な段階に差しかかっているだけに、私は少し懸念しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月24日 (木)

採用が減っても給与が下がっても公務員はオススメ就職先のひとつか?

1990年代初頭のバブル経済崩壊以降、何度かの就職氷河期を経て、大学生や大学院生の間の就職先としての公務員人気はかなり高まった一方で。最近の採用する側の政府の動向は厳しくなっています。地方公務員ではなく、私のような国家公務員が勤務する政府の省庁では、採用人数を大幅に削減したり、今年4月から2年間の給与を削減したりしています。いくつかのメディアでも取り上げられていましたが、一昨日5月22日に、レジェンダ・コーポレーションから来年2013年新卒生に対する「就職活動の意識/動向調査」結果が発表され、大学生・大学院生の就活生2人に1人が公務員になりたいと思ったことがあるとのアンケート調査結果を明らかにされています。いまだに公務員に人気があるのは不思議な気がします。

公務員になりたいと思ったことはありますか?

まず、上のグラフは「公務員になりたいと思ったことはありますか?」という問いに対する回答です。「思ったことがある」が過半数を占めています。私が地方国立大学の経済学部で日本経済論を教えていた数年前の経験からすれば、実際に公務員になる大学生は1割もいなかったでしょうから、かなりの高率と言えます。

公務員として働くメリット

ただし、志望動機となるとかなり怪しくなります。上のグラフは「公務員として働くメリットはどういうことが考えられますか?」という問いに対する回答なんですが、「国・地域に貢献できる」という公務に対する情熱を示す回答は3位に後退し、「長く勤められる」や「リストラされない」といった身分保障に関する優位点が上位に来ます。
グラフは引用しませんが、いくつか特徴的な点として、勤務先としては、私のような国家公務員の官公庁は3位にとどまり、市役所・区役所がトップ、都道府県庁が2番目、教育が4番目、警察が5番目となっています。また、「公務員になりたいと思ったことがある」うち、公務員を就職先として勧められたことがある大学生・大学院生は67パーセントに上り、3人に2人が公務員を勧められています。勧めたのは圧倒的に両親で72パーセントを超えています。逆から見れば、3人に1人は勧められなくても公務員になりたいと思った、ということになります。

私自身は上級職の国家公務員試験に合格しただけでなく、人事院に併任されてⅠ種経済職の試験委員も務めたことがあり、こういった経験は大学の教員をしていたころに学生にアピールするひとつの売り物だったんですが、今くらい公務員の採用や勤務条件が悪くなれば、必ずしも学生諸君には勧めなかった可能性もあります。それでも公務員を目指す学生・院生はいるんでしょうね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月23日 (水)

オリックスに大勝して交流戦初勝利!

  HE
阪  神110100230 8110
オリックス000200000 260

5連敗していたタイガース、ようやく交流戦に入って初勝利です。打線は正直なもので、岩田投手が降板した後、7-8回とバカスカ打って試合を決めました。打たれたミンチェ投手に焦点を当てる見方も出来るかもしれませんが、やっぱり、岩田投手の投球リズムでは阪神打線は調子が出ないんではないかと感じてしまいました。ようやく和田監督が目覚めて、交流戦らしい早めの投手交代が攻撃陣にも影響したと私は受け止めています。もっとも、打線は水ものですから、次の試合でも打てるとは限りません。

ヤフードームのホークス戦でも、
がんばれタイガース!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

経済協力開発機構「経済見通し」OECD Economic Outlook No.91 に見る日本経済やいかに?

昨日、経済協力開発機構から「OECD経済見通し」OECD Economic Outlook No.91 が公表されています。ヘッドラインとなる成長率は日本が今年2012年2.0%の後、来年2013年は1.5%に減速すると見込まれています。欧州に焦点を当てた記事ですが、Wall Street Journalのサイトから記事を最初の4パラだけ引用すると以下の通りです。

OECD Slashes Euro-Zone Growth Forecast
The Organization for Economic Cooperation and Development Tuesday slashed its forecasts for growth across the euro zone for this year and next, and warned that the area's debt crisis could pull it into a vicious downward spiral without the right policy action.
The OECD sees euro-zone gross domestic product shrinking by 0.1% this year, down from its previous forecast of growth of 0.2%. It sees growth of 0.9% in 2013, down from its previous outlook of 1.4%. The organization said it expects the jobless rate to rise to 11.1% by the end of next year as a result, from just over 10% now.
The cut is due largely to sharp recessions in Spain and Italy, where the OECD sees GDP shrinking by more than 1.5% in both countries this year. It forecast even sharper contractions of 5.3% in Greece and 3.2% in Portugal this year, but says both will start growing again in the second half of 2013. It has a rosier outlook for the 'core' economies of France and Germany, both of which it expects to grow for the next two years.
The OECD called on the European Central Bank to loosen monetary policy further, and said it might be called upon to take more radical steps in future, by lending its firepower to the euro zone's taxpayer-funded firewalls and by resuming its purchases of government bonds.

OECDから公表されている資料のうち、一応、私の方では「経済見通し」本文250ページ余りを入手可能なんですが、今日のところはプレス資料ハンズアウトからいくつか図表をピックアップして簡単に紹介したいと考えています。まず、ハンズアウト p.2 の総括表を引用すると以下の通りです。クリックすると、プレス資料 p.2 の見通し総括のページだけを抜き出したpdfファイルが別タブで表示されます。細部まで確認はしていませんが、プレス資料 p.2 の見通し総括のページは「経済見通し」本文の p.6 と同一ではないかと思います。

The outlook

日本の今年の経済成長率は+2.0%で据え置かれましたが、ユーロ圏は昨年11月の「刑事ア見通し」から▲0.3%ポイント引き下げられて、今年は▲0.2%のマイナス成長と見込んでいます。逆に、米国は昨年11月段階では2012年+2.0%成長と我が国と同じでしたが、今回は+2.4%と上方改定されています。来年2013年についても、日米は±0.1%の微修正なんですが、ユーロ圏は+1.4%から+0.9%に大きく下方修正されています。

Central bank balance sheets supportive

成長率見通しが下方改定されたユーロ圏や欧州に限定されない世界経済全体に及ぶ議論ですが、リポートでは単位労働コストやオークン係数まで引いて、石油価格はまだ高止まりしているものの、インフレ圧力が小さいことから金融の追加的な緩和を求めるトーンとなっています。上のグラフはハンズアウト p.13 から引用していますが、欧米の中央銀行で足元においてやや金融緩和から引締め気味の動きが見られます。もっとも、我が日銀は欧米の動向にかかわらず、相変わらず鈍くて渋い政策対応しかしていないことは明らかです。

Japan: Financial indicators

日本に関しては、経済見通しというよりも政策対応が重視されている印象で、上の表はリポート第2章の各国編から p.72 Japan: Financial indicators を引用していますが、復興に必要な資金需要もあって一般政府赤字が今年から来年にかけて膨らみ、来年2013年には再びGDP比▲10%を超えると見込んでいます。従って、政策対応としては、リポートの p.70 において、A top priority is to implement the government's proposal to hike the consumption tax rate beginning in 2014,if not before. と明記されているように、2014年からの消費税率の引上げが最優先事項として求められています。

貿易統計の推移

最後に、本日、財務省から4月の貿易統計が発表されています。輸出入とその差額たる貿易収支は上のグラフの通りです。上のパネルは季節調整していない原系列、下は季節調整済みの系列をプロットしています。原系列の統計で見て、輸出は前年同月比7.9%増の5兆5665億円、輸入は8.0%増の6兆868億円、差引き貿易収支は5203億円の赤字となりました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月22日 (火)

打線が完封されメッセンジャー投手が満塁ホームランに沈んで交流戦5連敗!

  HE
阪  神000000000 040
オリックス00000420x 670

とうとう交流戦に入って勝ちなしの5連敗です。打線は復活したオリックス金子投手に散発4安打の完封に抑えこまれ、投手陣はもっとも安定感のあったメッセンジャー投手が伏兵川端選手の満塁ホームランに沈みました。言いたい放題に言われるでしょうから、岡田監督のインタビューを聞かないうち、早々にアップしておきます。

明日は何とか、
がんばれタイガース!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

東京スカイツリー開業を祝す!

東京はあいにくの雨となりましたが、いよいよ本日、東京スカイツリーが開業しました。誠におめでとうございます。
今日から7月10日までは完全予約制で、7月11日以降は当日券も売り出される予定と聞き及んでいますが、取りあえず、我が家のような一般庶民は外回りから攻めるとしても、もう少し先になってから展望台に登りたいと考えています。もちろん、展望台だけでなく、東京ソラマチなどが入る東京スカイツリータウンも、エコノミストの目から見れば、消費拡大や内需喚起に一役買っていただけるのではないかと期待しております。実は、今日は外出して東大の本郷キャンパスに出向いたんですが、いつもは本郷三丁目の交差点から見える東京スカイツリーも雨で見えませんでした。誠に残念。また、今の職場では、昼休みの始まる正午から15分間NHKニュースが全館放送されるんですが、トップニュースは昨日が日食で、今日が東京スカイツリーでした。穏やかでのんびりした日々が続いているのかもしれません。

経済協力開発機構から「経済見通し」OECD Economic Outlook が公表され、2012年の日本の実質成長率は+2.0%と見通されています。国際機関のリポートに注目するのはこのブログのひとつの特徴なんですが、日を改めて取り上げたいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月21日 (月)

日食の観察

今朝はマンションの屋上から女房と下の子と3人で日食の観察をしました。ホンの少し雲が張り出していましたが、確かに欠けましたので十分に観察は出来ました。屋上には20人くらいマンション住人が出ていました。下の子の中学校で配られた日食メガネを使い回ししましたが、かなり強力な遮光能力があり、雲がかかった金環日食の時は日食メガネを通しては全く見えず、肉眼でチラ見したりしました。今日の雲の出方では、自然科学系の科学者であればやや物足りなく感じるのかもしれませんが、エコノミストですからこんなもんです。なお、以前の月食の時にうまくいきませんでしたので、写真は諦めました。
なお、おにいちゃんは少し早めに出かけて高校で観察するようですが、なぜか、下の子が通う中学校は日食観察のためにお休みになったらしいです。日食観察のために少し登校時刻をずらしたところはあるんでしょうが、休みにした学校って、ほかにあったりするんでしょうか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月20日 (日)

貧打から投壊へ、交流戦に入って泥沼の甲子園4連敗!

  HE
楽  天102111400 10161
阪  神300010002 6110

とうとう交流戦に入って勝ちなしの4連敗です。昨日までの3連敗では1点、1点、2点と貧打で勝利を得るところが出来ませんでしたが、今日は11安打で6得点を上げたにもかかわらず、投壊により2ケタ失点で大敗です。貧打が投壊に至る典型的な万年最下位時代の負けパターンだという気がします。ほとんど野手を出し尽くしたイーグルスに対して、負けているにもかかわらず「代打の神様」を温存したタイガースのベンチワークも疑問が残ります。最終回のブラゼル内野手のホームランが次の試合につながってくれることを祈るばかりです。次の関西ダービーではオリックスの岡田監督に言いたい放題に言われるんでしょうね。

オリックスとの関西ダービーでは、
がんばれタイガース!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Camp David Declaration

2012 G8 Camp David Summit logo

Camp David, Maryland, United States, May 19, 2012

Preamble

1. We, the Leaders of the Group of Eight, met at Camp David on May 18 and 19, 2012 to address major global economic and political challenges.

The Global Economy

2. Our imperative is to promote growth and jobs.

3. The global economic recovery shows signs of promise, but significant headwinds persist.

4. Against this background, we commit to take all necessary steps to strengthen and reinvigorate our economies and combat financial stresses, recognizing that the right measures are not the same for each of us.

5. We welcome the ongoing discussion in Europe on how to generate growth, while maintaining a firm commitment to implement fiscal consolidation to be assessed on a structural basis. We agree on the importance of a strong and cohesive Eurozone for global stability and recovery, and we affirm our interest in Greece remaining in the Eurozone while respecting its commitments. We all have an interest in the success of specific measures to strengthen the resilience of the Eurozone and growth in Europe. We support Euro Area Leaders' resolve to address the strains in the Eurozone in a credible and timely manner and in a manner that fosters confidence, stability and growth.

6. We agree that all of our governments need to take actions to boost confidence and nurture recovery including reforms to raise productivity, growth and demand within a sustainable, credible and non-inflationary macroeconomic framework. We commit to fiscal responsibility and, in this context, we support sound and sustainable fiscal consolidation policies that take into account countries' evolving economic conditions and underpin confidence and economic recovery.

7. To raise productivity and growth potential in our economies, we support structural reforms, and investments in education and in modern infrastructure, as appropriate. Investment initiatives can be financed using a range of mechanisms, including leveraging the private sector. Sound financial measures, to which we are committed, should build stronger systems over time while not choking off near-term credit growth. We commit to promote investment to underpin demand, including support for small businesses and public-private partnerships.

8. Robust international trade, investment and market integration are key drivers of strong sustainable and balanced growth. We underscore the importance of open markets and a fair, strong, rules-based trading system. We will honor our commitment to refrain from protectionist measures, protect investments and pursue bilateral, plurilateral, and multilateral efforts, consistent with and supportive of the WTO framework, to reduce barriers to trade and investment and maintain open markets. We call on the broader international community to do likewise. Recognizing that unnecessary differences and overly burdensome regulatory standards serve as significant barriers to trade, we support efforts towards regulatory coherence and better alignment of standards to further promote trade and growth.

9. Given the importance of intellectual property rights (IPR) to stimulating job and economic growth, we affirm the significance of high standards for IPR protection and enforcement, including through international legal instruments and mutual assistance agreements, as well as through government procurement processes, private-sector voluntary codes of best practices, and enhanced customs cooperation, while promoting the free flow of information. To protect public health and consumer safety, we also commit to exchange information on rogue internet pharmacy sites in accordance with national law and share best practices on combating counterfeit medical products.

Energy and Climate Change

10. As our economies grow, we recognize the importance of meeting our energy needs from a wide variety of sources ranging from traditional fuels to renewables to other clean technologies. As we each implement our own individual energy strategies, we embrace the pursuit of an appropriate mix from all of the above in an environmentally safe, sustainable, secure, and affordable manner. We also recognize the importance of pursuing and promoting sustainable energy and low carbon policies in order to tackle the global challenge of climate change. To facilitate the trade of energy around the world, we commit to take further steps to remove obstacles to the evolution of global energy infrastructure; to reduce barriers and refrain from discriminatory measures that impede market access; and to pursue universal access to cleaner, safer, and more affordable energy. We remain committed to the principles on global energy security adopted by the G8 in St. Petersburg.

11. As we pursue energy security, we will do so with renewed focus on safety and sustainability. We are committed to establishing and sharing best practices on energy production, including exploration in frontier areas and the use of technologies such as deep water drilling and hydraulic fracturing, where allowed, to allow for the safe development of energy sources, taking into account environmental concerns over the life of a field. In light of the nuclear accident triggered by the tsunami in Japan, we continue to strongly support initiatives to carry out comprehensive risk and safety assessments of existing nuclear installations and to strengthen the implementation of relevant conventions to aim for high levels of nuclear safety.

12. We recognize that increasing energy efficiency and reliance on renewables and other clean energy technologies can contribute significantly to energy security and savings, while also addressing climate change and promoting sustainable economic growth and innovation. We welcome sustained, cost-effective policies to support reliable renewable energy sources and their market integration. We commit to advance appliance and equipment efficiency, including through comparable and transparent testing procedures, and to promote industrial and building efficiency through energy management systems.

13. We agree to continue our efforts to address climate change and recognize the need for increased mitigation ambition in the period to 2020, with a view to doing our part to limit effectively the increase in global temperature below 2℃ above pre-industrial levels, consistent with science. We strongly support the outcome of the 17th Conference of the Parties to the U.N. Framework Convention on Climate Change (UNFCCC) in Durban to implement the Cancun agreements and the launch of the Durban Platform, which we welcome as a significant breakthrough toward the adoption by 2015 of a protocol, another legal instrument or an agreed outcome with legal force applicable to all Parties, developed and developing countries alike. We agree to continue to work together in the UNFCCC and other fora, including through the Major Economies Forum, toward a positive outcome at Doha.

14. Recognizing the impact of short-lived climate pollutants on near-term climate change, agricultural productivity, and human health, we support, as a means of promoting increased ambition and complementary to other CO2 and GHG emission reduction efforts, comprehensive actions to reduce these pollutants, which, according to UNEP and others, account for over thirty percent of near-term global warming as well as 2 million premature deaths a year. Therefore, we agree to join the Climate and Clean Air Coalition to Reduce Short-lived Climate Pollutants.

15. In addition, we strongly support efforts to rationalize and phase-out over the medium term inefficient fossil fuel subsidies that encourage wasteful consumption, and to continue voluntary reporting on progress.

Food Security and Nutrition

16. For over a decade, the G8 has engaged with African partners to address the challenges and opportunities afforded by Africa's quest for inclusive and sustainable development. Our progress has been measurable, and together we have changed the lives of hundreds of millions of people. International assistance alone, however, cannot fulfill our shared objectives. As we move forward, and even as we recommit to working together to reduce poverty, we recognize that our task is also to foster the change that can end it, by investing in Africa's growth, its expanding role in the global economy, and its success. As part of that effort, we commit to fulfill outstanding L'Aquila financial pledges, seek to maintain strong support to address current and future global food security challenges, including through bilateral and multilateral assistance, and agree to take new steps to accelerate progress towards food security and nutrition in Africa and globally, on a complementary basis.

17. Since the L'Aquila Summit, we have seen an increased level of commitment to global food security, realignment of assistance in support of country-led plans, and new investments and greater collaboration in agricultural research. We commend our African partners for the progress made since L'Aquila, consistent with the Maputo Declaration, to increase public investments in agriculture and to adopt the governance and policy reforms necessary to accelerate sustainable agricultural productivity growth, attain greater gains in nutrition, and unlock sustainable and inclusive country-led growth. The leadership of the African Union and the role of its Comprehensive Africa Agriculture Development Program (CAADP) have been essential.

18. Building on this progress, and working with our African and other international partners, today we commit to launch a New Alliance for Food Security and Nutrition to accelerate the flow of private capital to African agriculture, take to scale new technologies and other innovations that can increase sustainable agricultural productivity, and reduce the risk borne by vulnerable economies and communities. This New Alliance will lift 50 million people out of poverty over the next decade, and be guided by a collective commitment to invest in credible, comprehensive and country-owned plans, develop new tools to mobilize private capital, spur and scale innovation, and manage risk; and engage and leverage the capacity of private sector partners - from women and smallholder farmers, entrepreneurs to domestic and international companies.

19. The G8 reaffirms its commitment to the world's poorest and most vulnerable people, and recognizes the vital role of official development assistance in poverty alleviation and achieving the Millennium Development Goals. As such, we welcome and endorse the Camp David Accountability Report which records the important progress that the G8 has made on food security consistent with commitments made at the L'Aquila Summit, and in meeting our commitments on global health, including the Muskoka initiative on maternal, newborn and child health. We remain strongly committed to reporting transparently and consistently on the implementation of these commitments. We look forward to a comprehensive report under the UK Presidency in 2013.

Afghanistan's Economic Transition

20. We reaffirm our commitment to a sovereign, peaceful, and stable Afghanistan, with full ownership of its own security, governance and development and free of terrorism, extremist violence, and illicit drug production and trafficking. We will continue to support the transition process with close coordination of our security, political and economic strategies.

21. With an emphasis on mutual accountability and improved governance, building on the Kabul Process and Bonn Conference outcomes, our countries will take steps to mitigate the economic impact of the transition period and support the development of a sustainable Afghan economy by enhancing Afghan capacity to increase fiscal revenues and improve spending management, as well as mobilizing non-security assistance into the transformation decade.

22. We will support the growth of Afghan civil society and will mobilize private sector support by strengthening the enabling environment and expanding business opportunities in key sectors, as well as promote regional economic cooperation to enhance connectivity.

23. We will also continue to support the Government of the Islamic Republic of Afghanistan in its efforts to meet its obligation to protect and promote human rights and fundamental freedoms, including in the rights of women and girls and the freedom to practice religion.

24. We look forward to the upcoming Tokyo Conference in July, as it generates further long-term support for civilian assistance to Afghanistan from G8 members and other donors into the transformation decade; agrees to a strategy for Afghanistan's sustainable economic development, with mutual commitments and benchmarks between Afghanistan and the international community; and provides a mechanism for biennial reviews of progress being made against those benchmarks through the transformation decade.

The Transitions in the Middle East and North Africa

25. A year after the historic events across the Middle East and North Africa began to unfold, the aspirations of people of the region for freedom, human rights, democracy, job opportunities, empowerment and dignity are undiminished. We recognize important progress in a number of countries to respond to these aspirations and urge continued progress to implement promised reforms. Strong and inclusive economic growth, with a thriving private sector to provide jobs, is an essential foundation for democratic and participatory government based on the rule of law and respect for basic freedoms, including respect for the rights of women and girls and the right to practice religious faith in safety and security.

26. We renew our commitment to the Deauville Partnership with Arab Countries in Transition, launched at the G8 Summit last May. We welcome the steps already taken, in partnership with others in the region, to support economic reform, open government, and trade, investment and integration.

27. We note in particular the steps being taken to expand the mandate of the European Bank for Reconstruction and Development to bring its expertise in transition economies and financing support for private sector growth to this region; the platform established by international financial institutions to enhance coordination and identify opportunities to work together to support the transition country reform efforts; progress in conjunction with regional partners toward establishing a new transition fund to support country-owned policy reforms complementary to existing mechanisms; increased financial commitments to reforming countries from international and regional financial institutions, the G8 and regional partners; strategies to increase access to capital markets to help boost private investment; and commitments from our countries and others to support small and medium-sized enterprises, provide needed training and technical assistance and facilitate international exchanges and training programs for key constituencies in transition countries.

28. Responding to the call from partner countries, we endorse an asset recovery action plan to promote the return of stolen assets and welcome, and commit to support the action plans developed through the Partnership to promote open government, reduce corruption, strengthen accountability and improve the regulatory environment, particularly for the growth of small- and medium-sized enterprises. These governance reforms will foster the inclusive economic growth, rule of law and job creation needed for the success of democratic transition. We are working with Partnership countries to build deeper trade and investment ties, across the region and with members of the G8, which are critical to support growth and job creation. In this context, we welcome Partnership countries' statement on openness to international investment.

29. G8 members are committed to an enduring and productive partnership that supports the historic transformation underway in the region. We commit to further work during the rest of 2012 to support private sector engagement, asset recovery, closer trade ties and provision of needed expertise as well as assistance, including through a transition fund. We call for a meeting in September of Foreign Ministers to review progress being made under the Partnership.

Political and Security Issues

30. We remain appalled by the loss of life, humanitarian crisis, and serious and widespread human rights abuses in Syria. The Syrian government and all parties must immediately and fully adhere to commitments to implement the six-point plan of UN and Arab League Joint Special Envoy (JSE) Kofi Annan, including immediately ceasing all violence so as to enable a Syrian-led, inclusive political transition leading to a democratic, plural political system. We support the efforts of JSE Annan and look forward to seeing his evaluation, during his forthcoming report to the UN Security Council, of the prospects for beginning this political transition process in the near-term. Use of force endangering the lives of civilians must cease. We call on the Syrian government to grant safe and unhindered access of humanitarian personnel to populations in need of assistance in accordance with international law. We welcome the deployment of the UN Supervision Mission in Syria, and urge all parties, in particular the Syrian government, to fully cooperate with the mission. We strongly condemn recent terrorist attacks in Syria. We remain deeply concerned about the threat to regional peace and security and humanitarian despair caused by the crisis and remain resolved to consider further UN measures as appropriate.

31. We remain united in our grave concern over Iran's nuclear program. We call on Iran to comply with all of its obligations under relevant UNSC resolutions and requirements of the International Atomic Energy Agency's (IAEA) Board of Governors. We also call on Iran to continuously comply with its obligations under the Nuclear Non-Proliferation Treaty, including its safeguards obligations. We also call on Iran to address without delay all outstanding issues related to its nuclear program, including questions concerning possible military dimensions. We desire a peaceful and negotiated solution to concerns over Iran's nuclear program, and therefore remain committed to a dual-track approach. We welcome the resumption of talks between Iran and the E3+3 (China, France, Germany, Russia, the United Kingdom, the United States, and the European Union High Representative). We call on Iran to seize the opportunity that began in Istanbul, and sustain this opening in Baghdad by engaging in detailed discussions about near-term, concrete steps that can, through a step-by-step approach based on reciprocity, lead towards a comprehensive negotiated solution which restores international confidence that Iran's nuclear program is exclusively peaceful. We urge Iran to also comply with international obligations to uphold human rights and fundamental freedoms, including freedom of religion, and end interference with the media, arbitrary executions, torture, and other restrictions placed on rights and freedoms.

32. We continue to have deep concerns about provocative actions of the Democratic People's Republic of Korea (DPRK) that threaten regional stability. We remain concerned about the DPRK's nuclear program, including its uranium enrichment program. We condemn the April 13, 2012, launch that used ballistic missile technology in direct violation of UNSC resolution. We urge the DPRK to comply with its international obligations and abandon all nuclear and ballistic missile programs in a complete, verifiable, and irreversible manner. We call on all UN member states to join the G8 in fully implementing the UNSC resolutions in this regard. We affirm our will to call on the UN Security Council to take action, in response to additional DPRK acts, including ballistic missile launches and nuclear tests. We remain concerned about human rights violations in the DPRK, including the situation of political prisoners and the abductions issue.

33. We recognize that according women full and equal rights and opportunities is crucial for all countries' political stability, democratic governance, and economic growth. We reaffirm our commitment to advance human rights of and opportunities for women, leading to more development, poverty reduction, conflict prevention and resolution, and improved maternal health and reduced child mortality. We also commit to supporting the right of all people, including women, to freedom of religion in safety and security. We are concerned about the reduction of women's political participation and the placing at risk of their human rights and fundamental freedoms, including in Middle East and North Africa countries emerging from conflict or undergoing political transitions. We condemn and avow to stop violence directed against, including the trafficking of, women and girls. We call upon all states to protect human rights of women and to promote women's roles in economic development and in strengthening international peace and security.

34. We pay tribute to the remarkable efforts of President Thein Sein, Daw Aung San Suu Kyi, and many other citizens of Burma/Myanmar to deliver democratic reform in their country over the past year. We recognize the need to secure lasting and irreversible reform, and pledge our support to existing initiatives, particularly those which focus on peace in ethnic area, national reconciliation, and entrenching democracy. We also stress the need to cooperate to further enhance aid coordination among international development partners of Burma/Myanmar and conduct investment in a manner beneficial to the people of Burma/Myanmar.

35. We recognize the particular sacrifices made by the Libyan people in their transition to create a peaceful, democratic, and stable Libya. The international community remains committed to actively support the consolidation of the new Libyan institutions.

36. We condemn transnational organized crime and terrorism in all forms and manifestations. We pledge to enhance our cooperation to combat threats of terrorism and terrorist groups, including al-Qa'ida, its affiliates and adherents, and transnational organized crime, including individuals and groups engaged in illicit drug trafficking and production. We stress that it is critical to strengthen efforts to curb illicit trafficking in arms in the Sahel area, in particular to eliminate the Man-Portable Air Defense Systems proliferated across the region; to counter financing of terrorism, including kidnapping for ransom; and to eliminate support for terrorist organizations and criminal networks. We urge states to develop necessary capacities including in governance, education, and criminal justice systems, to address, reduce and undercut terrorist and criminal threats, including "lone wolf" terrorists and violent extremism, while safeguarding human rights and upholding the rule of law. We underscore the central role of the United Nations and welcome the Global Counterterrorism Forum (GCTF) and efforts of the Roma-Lyon Group in countering terrorism. We reaffirm the need to strengthen the implementation of the UN Al-Qaida sanctions regime, and the integrity and implementation of the UN conventions on drug control and transnational organized crime.

37. We reaffirm that nonproliferation and disarmament issues are among our top priorities. We remain committed to fulfill all of our obligations under the Nuclear Nonproliferation Treaty and, concerned about the severe proliferation challenges, call on all parties to support and promote global nonproliferation and disarmament efforts.

38. We welcome and fully endorse the G8 Foreign Ministers Meeting Chair's Statement with accompanying annex.

Conclusion

39. We look forward to meeting under the presidency of the United Kingdom in 2013.

Source: Camp David Summit website

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月19日 (土)

甲子園で3連敗して借金生活が始まる!

  HE
楽  天000000210 390
阪  神000100010 250

星野監督の楽天を甲子園に迎えての交流戦はまたまた敗戦で始まってしまいました。交流戦に入って3連敗です。能見投手がテレーロ選手の逆転ツーランとフェルナンデス選手の犠牲フライで沈み、打線は早めのスイッチの楽天投手陣に5安打2得点に抑え込まれました。ベンチワークも問題ありです。楽天と比較せずとも、エースとはいえ能見投手を引っ張り過ぎですし、代打の代打の新井選手がホームランを打ったので目立ちませんが、その前に林選手をムダに引っ込めたのは何をか言わんやです。その昔に「ベンチがアホやから、野球がでけへん!」とうそぶいた阪神選手がいましたが、私の気持ちもそれに近くなって来つつあります。

いくら何でも甲子園4連敗は避けるべく、
がんばれタイガース!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

お台場へ実物大ガンダムを見に出かける

ガンダムフロント東京ロゴ

今日はお天気もよく、中間テスト前の子供達を尻目に、私は自転車で出かけました。スウォッチのベルトが切れかかっているので銀座まで出かけて、ついでにお台場に渡りました。その昔に青山に住んでいたころは同じ港区内だったんですが、今ではかなり遠くなってしまいました。お目当てはダイバーシティ東京プラザにあるガンダムフロント東京です。よく知られている通り、実物大ガンダムがいました。下の写真は見ての通りの実物大ガンダムとガンダムカフェの入り口のロゴです。

ガンダム

ガンダム後ろ姿

ガンダムカフェ

すでに写真を出してしまいましたが、少し混同しやすいものの、お台場には実物大ガンダムのいるガンダムフロント東京のほかに、ガンダムカフェもあります。前者はエンターテインメント・スペースでお台場しか私は知りませんが、後者はカフェで秋葉原の方が有名かもしれません。これ以上の説明は私にはムリなんですが、一応、リンクを張ってありますので、ご興味ある向きは自分で確かめて下さい。今日はどちらも立ち寄って子供達へのおみやげを買い求めました。下は地図を貼り付けてあります。ご参考まで。

銀座からであれば、晴海通りから晴海大橋を渡るのが一般的な気がしますが、実は、私は高所恐怖症なので、晴海大橋を自転車で渡るのは怖い気がして、いつも、晴海大橋の手前で左折して豊洲から大回りしてお台場に入っています。そのうちに、レインボー・ブリッジで自転車を押して渡るのも経験したい気がします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月18日 (金)

鈴木光司『エス』(角川書店) を読む

鈴木光司『エス』(角川書店)

鈴木光司『エス』(角川書店) を読みました。かの有名な『リング』のシリーズの最新刊であり、先週に封切られた映画映画「貞子3D」の原作です。一応、知らない人のために書いておくと、『リング』のシリーズは1990年代の日本を震撼させた超有名なホラー小説です。ハリウッドで映画化されています。『リング』、『らせん』、『ループ』の3部作に加え、短編集の『バースデイ』をはさんで、本作『エス』はシリーズ5作目の最新刊です。『バースデイ』までは角川ホラー文庫に収録されています。まず、出版社のサイトから本の内容紹介を引用すると以下の通りです。

あの呪いが復活する! 映画「貞子3D」原作が登場!
映像制作会社に勤める安藤孝則は、ネット上に公開されたとある映像を解析することに。その映像とは、男が自身の自殺を中継した衝撃の映像だった。その日から孝則の周囲では奇妙なことが起こり始める!? 今、"S"の呪い

以下、このパラグラフはネタバレです。未読の方は自己責任でお願いします。主人公は『らせん』で生き返った安藤孝則です。引用にある通り、USBメモリに格納された動画が安藤のもとに持ち込まれ、安藤はこれをパソコンのハードディスクにコピーしますが、このコピーされた動画が変化というか、進化というか、新たな展開を遂げて行きます。動画の中で自殺したと考えられたのは、過去の幼女連続殺人事件で死刑判決を受け執行されたばかりの柏田であり、柏田が殺害していたのは「山村貞子」ではないかと推理が進みます。『リング』でビデオを見た時、通常はリング状ウィルスにより1週間後に心筋梗塞に罹患して死に至るんですが、その時が排卵期に当たっていた女性の場合はS状ウィルスになって妊娠し1週間後に「山村貞子」を産み落とすことになります。要するに、カギカッコ付きの「山村貞子」とはホンモノの山村貞子と同じDNA遺伝子情報を有するクローン人間のことです。しかし、柏田は実は高山竜司であり、「山村貞子」の幼女を殺害していたのは別の男がいて、柏田こと高山は「山村貞子」を助けていた、という驚愕の事実がパソコン内の2次元の世界にいる高山から3次元の現実世界にいる安藤に伝えらたりします。
さて、私の理解が進まないのは、この作品『エス』は明らかに『リング』と『らせん』に続く作品であるんですが、3部作最後の『ループ』との関係です。すなわち、『エス』は『ループ』とは特に関係を持ちません。『リング』と『らせん』に続いて『ループ』と『エス』がそれぞれ独立して存在するという関係に私には見えます。ただし、本作品『エス』は文句なく時代をかなり下っていることは明らかであり、その意味で、『ループ』で打ち止めになりそうだったシリーズが、別系統の『エス』で新たな継続性を持たされたように私は受け止めています。この作品で高山竜司は2次元の世界から3次元にいる安藤孝則にパソコン画面を通じてメッセージをよこしましたが、その中で「1次元に行く」という趣旨の発言を残しています。ひょっとしたら、1次元から高山竜司が最後に3次元世界に対してメッセージを送るシリーズ最終作がある可能性は否定できません。それはそれで楽しみだったりします。

引用にある通り、映画「貞子3D」が本作の出版と時期を同じくして封切り公開されています。今月末の中間テスト後にでも見に行くかどうか、我が家のホラー小説評論家である下の子と相談したいと思います。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2012年5月17日 (木)

交流戦はいいところなく甲子園で日本ハムに連敗して5割に戻る!

  HE
日本ハム001003000 470
阪  神000000010 181

甲子園に日本ハムを迎えての交流戦は無様な連敗で始まってしまいました。守りのミスもあれば、ベンチは何の采配らしきものもなく、投手陣はそこそこ投げているものの、打つ方は相手チームを上回るヒットを放ちながら点が取れても尺取虫のようで、勝てそうな気配すらありませんでした。阪神の和田監督と日本ハムの栗山監督の新人監督の対決でしたが、栗山監督が積極的に仕掛ける一方で、和田監督はおよそ手をこまねいて傍観しているだけの采配に終始しました。

次の楽天戦は、
がんばれタイガース!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

1-3月期1次QEの高成長は持続するか、それとも一時的な特殊要因か?

本日、内閣府から1-3月期のGDP速報、エコノミストの業界で1次QEと呼ばれる統計が発表されました。ヘッドラインとなる季節調整済みの実質GDPは前期比で+1.0%増、前期比年率で+4.1%増と潜在成長率を大きく上回る高成長を記録しました。まず、いつもの日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

GDP実質成長率、年率4.1%増 1-3月、3期連続プラス
内閣府が17日発表した2012年1-3月期の国内総生産(GDP)速報値は物価変動の影響を除いた実質で前期比1.0%増、年率換算で4.1%増となった。季節調整で昨年10-12月の伸びがプラスに改訂され、3四半期連続のプラス成長になった。自動車販売を中心に個人消費が堅調だったほか、東日本大震災からの復興需要も景気をけん引している。
政府は1-3月期のプラス成長をみて5月の月例経済報告で景気の基調判断の引き上げを検討する。上方修正すれば9カ月ぶり。4月までは基調判断を「緩やかに持ち直している」と6カ月連続で据え置いており「回復」などの表現を使うことを検討している。
実質GDPは年率換算で約517兆2729億円と08年7-9月以来の高水準。生活実感に近い名目GDPは前期比1.0%増、年率換算で4.1%増だった。実質GDPの前期比の増減にどれだけ影響したかを示す寄与度は民間需要が0.5%分と大きく、公的需要は0.4%分。外需は0.1%分を押し上げた。
需要項目別では個人消費が1.1%増えた。昨年末に復活したエコカー補助金の影響で自動車を含む耐久財が大幅に伸びたほか、レクリエーションなどサービスも好調だった。住宅投資は足元で着工が増えているが、人手不足などで工事は進んでおらず1.6%減。設備投資は電子通信分野などを中心に3.9%減った。
公共投資は5.4%増と3四半期ぶりのプラス。特に被災地での公共工事が増えている。輸出は2.9%増となり、タイの洪水の影響で3.7%減と落ち込んだ昨年10-12月期から大幅に回復した。米国経済が持ち直しつつあり、自動車の輸出も堅調だった。
総合的な物価動向を示すGDPデフレーターは季節調整値の前期比で0.02%と13四半期ぶりにプラスに転じた。生鮮食品の値上がりが影響している。ただ前年同期比ではマイナス1.2%とデフレ基調は続いている。
内閣府が同日公表した11年度の実質GDP成長率はマイナス0.01%。震災やタイの洪水で輸出が落ち込んだ影響が響き、2年ぶりのマイナス成長だった。

ということで、いつもの通り、とても適確にいろんなことが取りまとめられた記事なんですが、次に、GDPコンポーネントごとの成長率や寄与度を表示したテーブルは以下の通りです。基本は、雇用者報酬を含めて季節調整済み実質系列の前期比をパーセント表示したものですが、表示の通り、名目GDPは実質ではなく名目ですし、GDPデフレータと内需デフレータだけは季節調整済み系列の前期比ではなく、伝統に従って季節調整していない原系列の前年同期比となっています。また、アスタリスクを付した民間在庫と内需寄与度・外需寄与度は前期比成長率に対する寄与度表示となっています。なお、計数は正確を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、データの完全性は無保証です。正確な計数は自己責任で最初にお示しした内閣府のリンクからお願いします。

需要項目2011/
1-3
2011/
4-6
2011/
7-9
2011/
10-12
2012/
1-3
国内総生産GDP▲2.0▲0.3+1.9+0.0+1.0
民間消費▲1.5+0.6+1.1+0.7+1.1
民間住宅+1.6▲3.1+4.8+0.1▲1.6
民間設備+0.2▲0.4▲0.2+5.2▲3.9
民間在庫 *▲0.9+0.0+0.3▲0.4+0.4
公的需要▲0.6+2.0+0.1+0.2+1.5
内需寄与度 *▲1.8+0.7+1.1+0.7+0.9
外需寄与度 *▲0.2▲1.0+0.8▲0.7+0.1
輸出▲0.4▲6.3+8.7▲3.7+2.9
輸入+1.2+0.2+3.5+0.9+1.9
国内総所得GDI▲2.8▲0.6+1.5▲0.0+0.8
名目GDP▲2.6▲1.0+1.5▲0.3+1.0
雇用者報酬+1.1▲0.3▲0.2+0.6+0.2
GDPデフレータ▲1.9▲2.4▲2.2▲1.9▲1.2
内需デフレータ▲1.0▲1.1▲0.7▲0.6▲0.3

さらに、テーブルに加えて、いつもの需要項目別の寄与度を示したグラフは以下の通りです。青い折れ線でプロットした季節調整済みの系列の前期比成長率に対する寄与度で、左軸の単位はパーセントです。棒グラフの色分けは凡例の通りとなっていますが、本日発表された昨年1-3月期の最新データでは、前期比成長率がかなりの高成長であるとともに、それに大きく寄与しているのが赤の消費と黄色の公的需要であるのが見て取れます。

GDP前期比成長率と需要項目別寄与度の推移

さらに、下のグラフは復興需要のひとつの大きな要素を占めると考えられる公的固定資本形成の推移をプロットしています。2009年の政権交代から一定のラグを経て、マニフェストの「コンクリートから人へ」が実行されて公共投資は抑制気味で推移していたところ、昨年4-6月期にいわゆる仮設住宅の建設で大きく増加した後、政治情勢などを反映して年後半はサッパリだったんですが、今年に入って1-3月期に復興需要が顕在化したことが読み取れます。海外の報道でも、Wall Street Journal のサイト"One major driver of the first quarter expansion was public investment." と指摘されていたりします。

公的固定資本形成の推移

今回の1次QEのもうひとつの特徴は引き続きデフレータのマイナス幅が縮小していることです。季節調整していない原系列のデフレータの前年同月比は下のグラフの通りですが、季節調整済みのデフレータは、GDPデフレータ、国内需要デフレータ、民間消費デフレータとも、2005年=100となる指数値で10-12月期から0.1ポイント上昇しています。なだ先は長そうですが、着実にデフレ脱却の必要条件を満たしつつあると私は受け止めています。誠についでながら、何度もこのブログで書いた通り、デフレ脱却の十分条件は賃金の上昇と私は考えていますので、念のため。

デフレータ前年同期比上昇率の推移

最後に考えるべきポイントは、1-3月期の潜在成長率を上回る高成長が足元の4-6月期以降も続くかどうかですが、私は否定的に受け止めています。すなわち、1-3月期の高成長の背景はGDPコンポーネントで考えると消費と公的固定資本形成であり、さらに、くわしく見るとエコカー補助金とうるう年が消費を押し上げ、復興事業が公共投資をかさ上げしたと考えるべきです。いずれも多くのエコノミストの間で、持続可能性はほとんどないと考えられています。せいぜい、エコカー補助金が年度半ばまで継続するかどうかであって、予算残高をにらんでの最後の駆込みが終われば一定の反動減は避けられません。特定の財に対して特定の期間だけ補助金を出す政策の限界です。特定の業界の利害を代弁する場合は別にして、こういった政策がマクロの成長策として好ましいと考えるエコノミストは少ないと私は受け止めています。加えて、1-3月期にはわずかながらプラスになった外需も、欧州のソブリン・リスクと為替動向と国際商品市況の3つのリスクにさらされていますので、どこまで持続可能かは疑わしいと考えるべきです。もちろん、原発稼働とも連動して電力制約が極めて大きくなったりしない限り、足元の4-6月期からマイナス成長に陥るとまでは見込まれず、引き続きプラス成長を維持するものと私は予想していますが、成長率は鈍化するものと覚悟すべきです。

デフレ脱却に向けて必要条件が満たされつつあるのは喜ばしい限りですが、量的に雇用を拡大し、質的に賃金を上昇させる政策を指向する必要性を繰返し主張しておきたいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月16日 (水)

日本ハムの左投手に軽くひねられ完敗!

  HE
日本ハム101000001 3101
阪  神000001000 150

今日は日本ハムの左投手になすすべなく、軽くひねられて完敗です。今年は、日本ハムのダルビッシュ投手、ソフトバンクの和田投手や杉内投手など、一級品のピッチャーが抜けましたので、セにもチャンスありと言われましたが、今夜の阪神はダメでした。ほぼノーチャンスと見受けました。金本外野手がブレーキでした。これが実力の差なのかもしれません。僅差のゲームを采配でものにするのは今の阪神では不可能です。

明日は安藤投手を盛り立てて、
がんばれタイガース!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

機械受注統計から今後の設備投資を見通す!

本日、内閣府から3月の機械受注統計が発表されました。この統計のヘッドラインであると同時に、GDPベースの設備投資の先行指標である船舶と電力を除く民需は季節調整済みの系列で7463億円、前月比▲2.8%減となりました。前月比マイナスは3か月振りです。もっとも、市場の事前コンセンサスは▲3%を超えるマイナスでしたので、数字の印象よりも強めに受け取る向きも少なくないと聞き及んでいます。まず、いつもの日経新聞のサイトかから記事を引用すると以下の通りです。

3月の機械受注、前月比2.8%減 4-6月の見通しは2.5%増に
内閣府が16日発表した3月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整値)は、前月比2.8%減の7463億円だった。マイナスは3カ月ぶり。製造業、非製造業からの受注がともに減少した。
業種別では製造業が8.4%減。前の月に大型案件が出た化学工業や造船業の反動減が響いた。船舶・電力を除く非製造業は、スマートフォン(高機能携帯電話)が好調な通信業からの受注が伸び悩み、3.9%減だった。
内閣府は今回、季節調整値の改定を実施。1月の受注額(船舶・電力除く民需)は前月比0.7%増(改定前は3.4%増)、2月は2.8%増(同4.8%増)へと下方修正されたため、1-3月期の受注額は2兆2620億円となり、前期から0.9%増と昨年12月時点の見通し(2.3%増)を下回った。一方、4-6月期は2.5%増加が見込まれるため、内閣府は機械受注の基調判断を「緩やかな増加傾向がみられる」に据え置いた。
船舶・電力や官公需などを含む3月の受注総額は前月比4.1%増と2カ月ぶりのプラスに転じた。防衛省からの航空機受注が官公需を大きく押し上げたほか、電力業からは設備点検や検査に用いる原子力関連の受注が入った。
しかし、国内とは別に海外からの受注をまとめた外需は14.4%減と2カ月連続で減少した。1月に大型案件が計上された反動に加え、海外の景気回復ペースの鈍さを反映しているとみられる。
同時に発表した2011年度の受注額(船舶・電力を除く民需)は前年度比6.2%増の8兆9742億円と2年連続で増えた。内訳をみると製造業は5.9%増、非製造業は6.6%増だった。自動車の工作機械や産業用ロボットが好調だったことに加え、その他非製造業から電子計算機、建設業からは建設機械の受注が増えたことが要因。

次に、いつもの機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需のコア機械受注の実額とその後方6か月移動平均を、下のパネルは外需、製造業、船舶と電力を除く非製造業の需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。なお、毎年3月で季節調整の再推計が行われており、本日発表分でも過去にさかのぼって季節調整済みの統計が改定されています。

機械受注の推移

上のグラフを見れば理解できますが、3月単月では減少に転じたものの、もともとが振れの激しい統計ですので、6か月後方移動平均で見ると緩やかな増加基調を維持しており、統計作成官庁である内閣府でも、基調判断を「緩やかな増加傾向」に据え置いています。私も基本は楽観的な見方をしていますが、ただ、機械受注の先行指標と見なされている外需が、このところ、やや落ちて来ているのが気がかりです。欧州のソブリン・リスクなど外需には不透明要因が大きく、今後も足を引っ張られる可能性は否定できません。

機械受注達成率の推移

1-3月期が終了したことにより、四半期計数が公表されていますが、まず、単純な伸び率では1-3月期は前期比+0.9%増だった一方で、4-6月期は+2.5%と見込まれています。このあたりは引用した記事にもある通りです。また、私の楽観論のもうひとつの根拠は、達成率です。この機械受注の達成率が90%を上回るか下回るかで経験的な景気の転換点を見出せる場合があり、この1-3月期はやや低下したものの90%をラクに上回っています。最近では、昨年2011年の4-6月期に震災に起因する供給制約のために90.1%まで落ち込んだことがありますが、その後は安定的に90%を大きく上回って推移しています。達成率から見ても、機械受注が緩やかながら増加基調を維持して、設備投資の増勢につながると期待しています。

景気回復が続いて、雇用や設備に波及することにより、さらに景気拡大が続くことが期待されています。私自身は設備投資マインドは回復しつつあると考えていますが、現在の足元のリスクはギリシアなどの欧州のソブリン・リスクと早過ぎる日銀の引締めだと私は考えています。かなりムリのある消費者物価見通しをかかげて日銀が引締めを指向していることは、第一生命経済研のリポート「消費者物価の先行きを展望する」などでも明らかにされており、私はリフレ派のエコノミストとして大いに懸念しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月15日 (火)

消費者態度指数から消費者マインドを考える

本日、内閣府から4月の消費動向調査の結果が発表されています。ヘッドラインとなる消費者態度指数は季節調整済みの系列で見て40.0と3月の40.3から▲0.3ポイント低下しました。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月の消費者態度指数、1年ぶり悪化 雇用の持ち直し一服で
内閣府が15日発表した4月の消費動向調査によると、消費者心理を示す一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は前月比0.3ポイント低下の40.0だった。悪化は1年ぶり。雇用の持ち直し一服が消費者マインドの改善に水を差した。
指数を構成する「暮らし向き」など4項目のうち3つで悪化した。有効求人倍率は上昇しているものの、雇用者数の減少や非労働力人口の減少を背景に「雇用環境」が11カ月ぶりに低下した。高水準を維持する自動車販売の増加に一服感が出てきたことも「耐久消費財の買い時判断」の低下につながった。
しかし、所得環境は悪くない。3月の現金給与総額が増えたことや春闘の結果が昨年並みだったことを受けて、「収入の増え方」は前月から上昇し、マインド悪化に歯止めをかけた形となった。
内閣府は、消費者心理の基調判断に関して「持ち直しの動きが続いている」から「持ち直し傾向にある」へと表現を変更。「単月のマイナス幅は小さく、ゴールデンウイークの消費動向が良かったことから景気の基調が変わったとはみていない」(内閣府)といい、判断は据え置いた。
1年後の物価見通しについて「上昇する」と答えた割合は68.1%と前月(65.9%)から増加し、「低下する」や「変わらない」と答えた割合はともに減少した。食料品やガソリン価格の高止まりが、消費者の懸念につながっている。
調査は全国6720世帯が対象。調査基準日は4月15日で、有効回答数は5034世帯(回答率74.9%)だった。

次に消費者態度指数のグラフは以下の通りです。季節調整済みの系列をプロットしており、影を付けた部分は景気後退期です。

消費者態度指数の推移

統計作成官庁である内閣府では、4月の消費者マインドの基調判断について「持ち直し傾向にある」と、前月の「持ち直しの動きが続いている」から据え置きました。消費者態度指数を構成する4つのコンポーネントのうち、「収入の増え方」は前月と比べて上昇したものの、「暮らし向き」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」は低下しています。私は先月のエントリーで公務員給与の引下げが何らかの影響を及ぼす可能性を指摘しましたが、「収入の増え方」がプラスに動いたんですから、公務員給与引下げの影響を指摘した私の予想は外れたことになります。しかし、引用した記事にもある通り、雇用の改善が足踏みすれば消費者マインドの改善にも響くことは明らかです。
また、季節調整していないブロック別の原系列指数の動きを見ると、北海道・東北と東海と九州・沖縄が上昇し、関東と近畿で横ばい、北陸・甲信越と中国・四国で低下となっています。季節調整の処理のベースが異なりますから単純に当てはめるわけにはいきませんが、大雑把に、3月から4月にかけての消費者マインドの動向は東高西低と私は受け止めています。

4月10日付けのエントリーで取り上げた景気ウォッチャーでも4月の足元の判断はやや弱含んでいましたが、先行きは決して悪くありません。輸出や復興需要にけん引された現在の景気回復が雇用の拡大や賃金の上昇から内需主導の景気拡大につながるかどうかを注視したいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月14日 (月)

フジテレビのドラマ「鍵のかかった部屋」を見る

ドラマ「鍵のかかった部屋」

毎週月曜日夜9時からフジテレビで放送されているドラマ「鍵のかかった部屋」を楽しみに見ています。4月16日に放送が始まり、今夜でほぼ中間点の5回目になります。といっても、このブログでチラリと書きましたが、4月13日の金曜日にスジ悪の仕事が入って、初回の4月16日は見られず、その後も、下の子が録画しておいたのをせっせと見て、最近、ようやくキャッチアップしました。原作は言うまでもなく、貴志祐介『硝子のハンマー』、『狐火の家』、そしてドラマのタイトル通りの『鍵のかかった部屋』です。私はすべて読んでいます。今夜までに放送されたのは原作のタイトルで示すと以下の5話です。

  • 4月16日 「佇む男」、『鍵のかかった部屋』第1話
  • 4月23日 「鍵のかかった部屋」、『鍵のかかった部屋』第2話
  • 4月30日 「盤端の迷宮」、『狐火の家』第3話
  • 5月7日 「黒い牙」、『狐火の家』第2話
  • 5月14日 「歪んだ箱」、『鍵のかかった部屋』第3話

主人公は防犯探偵こと榎本径、弁護士の青砥順子で、順子の弁護士事務所の上司の芹沢がドラマでは配されていますが、原作では違うと思います。警視庁のハゲコウこと鴻野刑事はまったく禿げていない俳優さんだったりします。なお、どうでもいいことですが、4月30日放送の「盤端の迷宮」では原作者の貴志祐介が毒島竜王に扮して出演しています。ストーリーの基本は密室殺人の解明です。同じ作者のSF大作『新世界より』では超能力を持つ少年Aがサイコキネシスで部屋の鍵を開けて女性を暴行・殺害するとのくだりがありましたが、何の関係もありません。なお、この原作・ドラマは単なる密室の謎解きではなく、すべて殺人事件です。原作では見たことがありませんが、ドラマでは榎本が決めセリフの「密室は、敗れました」と言って謎解きが始まります。今夜のエントリーではネタバレなしで進めたいと思います。
まず、繰返しになりますが、私はすべて原作を読んでいるんですが、ビジュアルに解説してもらうととても分かりやすいと大いに感激しました。また、原作にはまったくあり得ないんですが、榎本が事件のたびに密室のミニチュアを作ってくれますので、頭の回転の鈍い私でも無理なく理解できるように工夫されています。特によかったのは第2回放送の「鍵のかかった部屋」です。サムターン錠にテープを絡めてドリルで施錠するのはわけが分からなかったんですが、画面で実演してもらったのを見て理解できました。第4回放送の「黒い牙」でも手のひら大のクモの大きさを実感できました。
今後の放送予定について、次回が「密室劇場」だということ以外、私はよく知らないんですが、まず、『狐火の家』の「狐火の家」が取り上げられ、さらに、長編の『硝子のハンマー』が何回かに分けて放送されるであろうことは容易に想像できます。しかし、例の劇団もの、すなわち、劇団「土性骨」、その後、改称して劇団「ES&B」を舞台とする『狐火の家』の「犬のみぞ知る Dog Knows」と『鍵のかかった部屋』の「密室劇場」をドラマにするとは思いもよりませんでした。というか、「密室劇場」をドラマにするんですから、当然、「犬のみぞ知る Dog Knows」も放送されるんだろうと期待しています。怖いもの見たさかもしれません。

毒島竜王役の原作者をテレビで拝見しました。実は、原作者と私は京都大学経済学部の同窓で、年齢的にもとっても近いんですが、原作者の貫録と落ち着きにはかなわないと感じてしまいました。なお、一応、今夜のエントリーは「読書感想文の日記」に分類しておきます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月13日 (日)

序盤の大量点で楽に逃げ切る!

  HE
阪  神420000002 861
D e N A000030000 391

今日は序盤に相手先発投手の乱調につけ込んでDeNA相手に完勝です。ブラゼル内野手のツーベースもあり相手内野陣のエラーもありで2回で6点を取って、その後は3回から8回までサッパリ音無しだったんですが、9回にダメ押しの2点を加え、先発メッセンジャー投手をつないだリリーフ陣も7回から無得点に抑え、藤川投手を温存して楽に逃げ切りました。6安打で8得点ですから、効率がいいと言うか、フォアボールやエラーなどの相手チームの乱調につけ込んだと言えます。両外国人に打点がついたのも評価できます。いずれにせよ、先制点を上げての逃切りは阪神の勝ちパターンです。安心して見ていられる試合でした。

今週からの交流戦も、
がんばれタイガース!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月12日 (土)

ノーヒットノーランを免れた最終回の粘りは明日につながるか?

  HE
阪  神000000001 120
D e N A00000200x 290

このところの貧打は相当なもんだと覚悟はしていましたが、とうとう、ハマの番長こと三浦投手にあわやノーヒットノーランまで追い詰められました。すなわち、8回までノーヒットでした。でも、9回に代打の神様こと桧山選手のヒットから1点をもぎ取り、明日につながった気がします。期待は大きく持ちましょう。しかし、投げる方は相変わらず、岩田投手は負け頭の5敗目でサッパリ勝てません。しかし、ここまでの完敗ですから切換えは早いんではないでしょうか。最終回の粘りは明日の勝利に期待を抱かせるに十分でした。

明日は、
がんばれタイガース!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月11日 (金)

打てないながらも投手陣の粘りでDeNAに先勝!

  HE
阪  神030000000 370
D e N A000000010 160

7時過ぎに帰宅しましたので2回の攻撃は見ていませんが、浅井外野手、能見投手、鳥谷遊撃手の3本のタイムリーで3点を取って、8回まで先発のエース能見投手が1失点、つないだ抑えの2枚看板の榎田投手と藤川投手がピシャリと抑えての勝ちゲームですから、阪神らしい勝ちパターンと言えます。7安打が物足りないと言えばキリがないんですが、下位打線からタイムリーが続いて点が取れるようになりましたから、ゴールデンウィークで悔しい思いをした分、大きな進歩と言えましょう。
タイガース3連勝です。そろそろエンジンがかかりつつあります。

明日も、
がんばれタイガース!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

湊かなえ『サファイア』(角川春樹事務所) を読む

湊かなえ『サファイア』(角川春樹事務所)

湊かなえ『サファイア』(角川春樹事務所) を読みました。表題の「サファイア」をはじめとして、7つの宝石にちなんだ短篇集です。まず、出版社のサイトから本のあらすじを引用すると以下の通りです。

湊かなえ『サファイア』
市議会議員の選挙アルバイトを始めたことがきっかけで、議員の妻となった私は、幸せな日々を送っていた。激務にもかかわらず夫は優しく、子宝にも恵まれ、誰もが羨む結婚生活だった。だが、人生の落とし穴は突然やってきた。所属する党から県議会議員への立候補を余儀なくされた夫は、僅差で落選し、失職。そこから何かが狂いはじめた。あれだけ優しかった夫が豹変し、暴力を振るうようになってしまった。思いあまった私は……。絶望の淵にいた私の前に現れた一人の女性――有名な弁護士だという。彼女は忘れるはずもない、私のかけがえのない同級生だった……。(「ムーンストーン」より) 7つの宝石が織りなす物語。湊かなえ新境地がここに。

まず、宝石にちなんだ短編のタイトルは以下の通りです。

  • 真珠
  • ルビー
  • ダイヤモンド
  • 猫目石
  • ムーンストーン
  • サファイア
  • ガーネット

最後の「サファイア」と「ガーネット」の間に明確なリンクがあるのを別にすれば、宝石をタイトルにしているという以外は独立した短編集と私は受け止めています。引用した「ムーンストーン」以外の短編を簡単に振り返ると、「真珠」では放火犯の中年女性にシャンプーや歯磨き会社のお客様相談担当者が接見し、「ルビー」では隣にある刑務所出所者だけの老人ホーム入居者との交流を描き、「ダイヤモンド」では助けた雀の恩返しでコミカルに結婚詐欺まがいの男女関係をあぶり出し、「猫目石」では一見幸福そうに見える一家の亭主のリストラ、奥さんの万引き、娘の中年男性との交際を告げ口する隣人の猫がサキの「トバモリー」のように扱われ、「サファイア」では主人公が恋人から悪質商法で得た資金で指輪をプレゼントされながら、その男性を駅での転落死事故で亡くし、最後の「ガーネット」では「サファイア」の主人公が作家デビューし、悪質商法の被害者である小説映画化の主演女優と対談する、といった内容です。
短編の中でももっとも出来がいいのは、やっぱり、「ムーンストーン」なんでしょう。出版社のサイトで取り上げているのも理由があると思います。短編すべてが、この作者独特のモノローグで語られているわけではありませんが、「ムーンストーン」はモノローグに近く、しかも、現時点と中学時代の回想で語り手の1人称の女性が異なっています。とても微妙な趣向だという気はしますが、従来のこの作者の小説の雰囲気に近いですし、文句なしに私はアリだと受け止めました。短編集で、かなりの程度に独立性が高いんですが、とても読みやすいこともあって一気に読めます。この作者の力量の高さを見せつけられた気がします。私は大いに評価していますが、モノローグではないという点も含めて、この作者の作品とは異なる雰囲気を漂わせる短編集ですし、結末がぼかされている短編もありますから、人によっては違和感を覚えるファンもいるかもしれません。その意味で、評価が分かれる可能性も否定できません。

私はこの作者の文章の醸し出す雰囲気がとても好きで、ホラー小説好きの我が家では下の子も同様なんですが、ミステリ好きのおにいちゃんは少し距離を置きつつあります。確かに、デビュー作の『告白』から最近の作品は少しミステリではなくなりつつあるかもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月10日 (木)

国際収支と景気ウォッチャーから何を読み取るか?

本日、財務省から経常収支など3月の国際収支統計が、また、内閣府から4月の景気ウォッチャー調査結果が、それぞれ発表されています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

3月の経常収支、2カ月連続黒字 11年度は過去最大の減少幅
財務省が10日発表した3月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は1兆5894億円の黒字で、前年同月と比べると8.6%減少した。経常黒字は2カ月連続。
経常収支の内訳をみると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は42億円の黒字で、黒字幅は98.2%と大幅に縮小した。自動車など米国向けの輸出が伸び、輸出額は7.3%増の6兆492億円と6カ月ぶりに増えた。一方、原油価格高止まりや火力発電用の燃料輸入増の影響で、輸入額は11.9%増の6兆450億円と27カ月連続で増加した。
旅行や輸送などの動向を示すサービス収支は554億円の黒字となった。訪日する外国人や特許使用料の受け取りが増えたため。貿易・サービス収支は596億円の黒字と77.7%減った。
企業が海外から受け取る配当などが増加したことを受け、利子・配当などを示す所得収支の黒字は同10.1%増の1兆8004億円と12カ月連続で黒字幅が拡大した。
1-3月期の経常黒字は前年同期比41.6%減の2兆3299億円だった。財務省は国際収支の先行きについて「貿易黒字は東日本大震災前より低い水準にとどまる可能性があり、厳しい状況が見込まれる」と指摘。その上で、内外の経済情勢や為替相場も含めて「今後とも動向を注視しなければならない」と説明した。
同時に発表した2011年度の経常収支は前年度と比べて52.6%減の7兆8934億円の黒字だった。黒字の減少幅は比較可能な1985年以降最大で、水準としては96年度(7兆2890億円の黒字)以来15年ぶりの低さに落ち込んだ。
同年度の貿易収支は3兆4495億円の赤字。単純比較ができない旧統計基準を含めた国際収支ベースでは第2次オイルショックに見舞われた79年度(6075億円の赤字)以来の赤字となった。比較可能な85年度以降では初めて。一方で、所得収支は同13.3%増の14兆2883億円だった。
輸出額は震災によるサプライチェーン(供給網)寸断や内外の景気減速のあおりを受けて、同2.8%減の62兆6272億円に落ち込んだ。原子力発電所の停止に伴う火力発電向け燃料需要などを背景に、輸入額は同14.0%増の66兆767億円となった。
4月の街角景気、3カ月ぶり悪化 先行きは2カ月ぶり改善
内閣府が10日発表した4月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、足元の景気実感を示す現状判断指数は50.9と前月から0.9ポイント低下した。悪化は3カ月ぶりだが、好不況の分かれ目である「50」を維持した。内閣府は景気の現状に対する基調判断を「持ち直している」で据え置いた。
現状判断は指数を構成する家計、企業の2分野で悪化した。4月からエコカー減税の対象となる車種の燃費基準が厳しくなったのを機に「販売量が落ち込んでいる」(東北・乗用車販売店)という。また「4月に入り、受注量が激減している」(東北・コピーサービス業)との声もあり、需要の一服が景況感の改善に水を差した。
一方で、雇用分野は改善。復興に向けた求人増に加え、「電機、自動車や携帯関係の電子で少しずつ動きが出てきている」(北関東・人材派遣会社)と緩やかな景気回復が雇用にも結びつきつつある。
先行き判断指数は同1.2ポイント上昇の50.9と2カ月ぶりに改善した。「震災復興による建設関係の動きは今年秋ぐらいまでは続く」(東北・コンビニ)と、本格化する復興需要が見通しを下支えしている。ただ、全原子力発電所の停止に伴う今夏の電力不足を懸念する声が多く、先行きに影を落とした。
4月にはエコカー減税の制度変更に伴って一服した自動車販売だが、今後の見通しは明るい。5月の新車投入効果に加え、「エコカー補助金のタイムリミットが近づけば、さらに駆け込み需要が進む」(東海・乗用車販売店)と予算が今夏にも前倒しで使い切られる可能性が意識されたという。
調査は景気に敏感な小売業など2050人が対象。3カ月前と比べた現状や、2~3カ月後の予想を「良い」から「悪い」まで5段階で評価して指数化する。今回の調査は4月25日から月末まで。

相変わらず、とてもよく取りまとめられた記事ですので、私の方で付け加える事項は多くないんですが、取りあえず、経常収支のグラフは以下の通りです。青い折れ線グラフの経常収支の内訳を積み上げ棒グラフで示しています。色分けは凡例の通りです。季節調整済みの統計をプロットしていますので、季節調整していない原系列の統計について報じた記事と少し印象が異なる可能性があります。

経常収支の推移

グラフに見る通り、季節調整済みの経常収支のうち、3月の貿易収支は2月の▲425億円から▲3723億円と大きく赤字幅が拡大しました。所得収支で黒字幅が拡大しましたが、経常収支では黒字幅が縮小しています。4月の貿易統計は上中旬まで発表されてますが、まだ赤字が続いています。すなわち、大雑把に、昨年の震災以来の傾向が続いていると私は受け止めていますが、1-3月期でならして見れば、タイ洪水に起因する供給制約が顕在化した昨年10-12月期に比べて経常黒字が回復しており、来週5月17日に発表される1次QEのGDP成長率に対する外需の寄与はプラスを記録するものと期待しています。もっとも、決して大きな寄与ではなく、+0.5%には達しないと考えるべきです。

景気ウォッチャーの推移

さらに、景気ウォッチャーの結果は上のグラフの通りです。上のパネルは現状判断DIと先行き判断DIを、下は現状判断DIのうちの合計と雇用関連DIをプロットしています。なお、景気ウォッチャーは3つのコンポーネントから成り、家計と企業と雇用なんですが、家計はさらに小売、飲食、サービス、住宅に分かれ、企業は製造業と非製造業に分割されます。景気ウォッチャーは2000年から始まった歴史の浅い統計ですが、経験則として、景気に先行するのは当然としても、景気拡大期は雇用DIが合計を上回り、景気後退期は下回る、という傾向が読み取れます。4月の雇用に関する現状判断DIは上昇し、60に近い水準に達しています。日銀短観を別にして、月次のマインド指標としては景気ウォッチャーは供給サイド、消費者態度指数が需要サイドのマインドを代表していると考えられていますので、景気が順調の回復する中で、復興需要やエコカー補助金などの政策効果や輸出がけん引する景気回復から雇用の量的及び質的な拡大に基づく内需が主導する景気局面に移行するかどうかを私は大いに注目しています。

景気は昨年の震災とそれに続く供給制約による一時的な停滞局面からのV字型の急回復局面を終え、巡航速度に移行しつつあると考えるべきで、景気のけん引役も政策的な需要の創出や輸出から雇用の拡大や設備投資の増加に基づく内需に転換が図られるかどうか、注目の段階に差しかかっています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月 9日 (水)

ラッキーセブンの乱れ打ちで広島に連勝!

  HE
阪  神000000501 6131
広  島000001001 241

昨日に何度も見させられたこともあって、6回ウラの広島の4番ニック選手のホームランは少しびっくりしたんですが、7回ラッキーセブンの乱れ打ちで広島に快勝でした。昨夜と同じで、ツーアウトからの粘りの得点が出始めて、ようやく打線に活気が戻りつつあるように見受けられます。なお、今夜も決勝打は鳥谷遊撃手でした。新井内野手も3安打1打点ですから、そろそろ4番復帰の検討も始まっているかもしれません。先発のスタンリッジ投手はニック選手にホームランを打たれたものの、立派に試合を作って7回の逆転に結びつけましたし、最後の渡辺投手こそ打たれたものの、リリーフ陣も福原投手と榎田投手はいずれも3人でピシャリと締めました。それにしても、代打桧山選手の同点打の直前、ファウルフライを取れなかった堂林三塁手のプレーは、阪神サイドから見れば殊勲賞ものかもしれませんが、若手内野手ですし同情すべきものがあります。

交流戦に勢いをつけるべく横浜でも、
がんばれタイガース!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

景気動向指数から景気回復を確認する!

本日、内閣府から3月の景気動向指数が発表されました。ヘッドラインとなるCI一致指数、先行指数とも前月より上昇し、統計作成官庁である内閣府は基調判断を「改善」に据え置いています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

景気一致指数、2カ月連続改善 3月96.5
内閣府が9日発表した3月の景気動向指数(2005年=100、速報値)によると、景気の現状を表す一致指数は96.5となり、前月比1.3ポイント上昇した。改善は2カ月連続。エコカー補助金を追い風に自動車の生産、販売が好調だったことが主因。数カ月先の景気を示す先行指数も3カ月連続で改善した。
内閣府は基調判断を「改善を示している」として前月から据え置いた。
一致指数では現時点で公表されている10指標のうち8指標が改善した。自動車の好調によって商業販売額や鉱工業生産財出荷指数がプラスに寄与。東日本大震災からの復興需要を背景に有効求人倍率や鉄骨など投資財の出荷指数も上昇した。
景気の先行きを示す先行指数は0.6ポイント上昇の96.6だった。3月の株価上昇や消費者心理の好転が寄与した。内閣府は先行きについて「4月は市場関連の指標が悪化しており、欧州など海外経済や原油価格の動向を注視する必要がある」としている。

次に、いつものグラフは以下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下はDI一致指数を、それぞれプロットしています。影を付けた部分は景気後退期です。

景気動向指数の推移

3月のCI一致指数に対する寄与を見ると、小売の商業販売額、中小企業出荷指数、鉱工業生産財出荷指数などのプラスの寄与が大きい一方、テレビの売れ行き不振に起因する鉱工業生産財出荷指数がマイナスに寄与しています。CI一致指数の3か月後方移動平均は3か月連続で、7か月後方移動平均は6か月連続で、それぞれ上昇を記録していますし、「CIによる景気の基調判断」の基準に照らしても、内閣府が「改善」と基調判断するのは当然です。
ただし、昨夜のエントリーでも強調しましたが、3月くらいまでは、エコカー補助金の復活による消費の増加、ようやく復興需要が顕在化した公共投資の増加、がそれぞれ寄与している部分が大きく、家電エコポイントや地デジ移行の終了したテレビが景気の足を引っ張ったことに示されているように、政策効果で需要が水膨れしている可能性があります。一時的な政策効果だけでは設備や雇用などに結び付いて、さらに景気拡大が継続する可能性が高まりません。政策効果から持続的な内需主導の景気拡大への転換がスムーズに図られるかどうかに今後は着目すべきです。

現在の我が国の景気は、昨年の震災やタイ洪水などの供給制約からの回復初期の段階を終え、さらに、2月から3月にかけての円安による輸出拡大の時期を終え、持続的な景気の拡大につながるかどうかの段階に差しかかっています。景気局面に関しては、ひとつの注目点だという気がします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月 8日 (火)

鳥谷遊撃手のツーランで広島に打ち勝つ!

  HE
阪  神003003020 8111
広  島020120100 690

7回ウラに筒井投手の牽制悪投で追いつかれて、ややイヤなムードが漂いましたが、8回にチームリーダー鳥谷遊撃手の見事なツーランで広島を打ち破りました。それにしても、広島の4番ニック選手の3打席連続ホームランには鬼気迫るものがありましたが、我がタイガースが一丸となって広島を退けました。このところ、やや不安定だった抑えの2枚看板、榎田投手と藤川投手もピシャリと締めてくれました。

明日も、
がんばれタイガース!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

来週発表される1-3月期GDP統計はびっくりするような高成長か?

そろそろゴールデンウィークの雰囲気を振り払って、このブログも本来の経済にテーマを戻したいと思います。ということで、まず、来週発表の1-3月期GDP統計を考えます。すなわち、来週5月17日に2012年1-3月期期GDP速報が内閣府より発表されます。必要な経済指標がほぼ出尽くし、各シンクタンクや金融機関などから1次QE予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。日本総研、みずほ総研、伊藤忠経済研の各機関では先行きについて言及した部分がありますので、それらを中心に取っていますが、それ以外は簡潔に短めの引用となっています。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが閲覧、あるいは、ダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
日本総研+0.8%
(+3.0%)
4-6月期以降を展望すると、①震災からの復旧・復興のピッチ加速に伴う官公需の増加、②政府のエコカー購入支援策や底堅い所得環境による個人消費の堅調な推移、などにより前期比年率+1%台後半の成長となる公算。
みずほ総研+0.7%
(+3.0%)
4-6月期についても、プラス成長を維持する可能性が高い。債務問題への不安が強い欧州向けは低迷が続くが、米国・中国向けを中心に輸出は緩やかな増加が続くであろう。また、復興需要の進捗とともに、公共投資の増勢は今後強まると予想される。エコカー補助金については予算切れによる終了が意識されていることもあり、4-6月期も高水準の自動車販売が続くとみられる。個人消費は高い伸びとなった1-3月期に比べて減速することは避けられそうもないが、前期比プラスは維持するであろう。生産や企業収益の緩やかな回復を背景に、設備投資も増加に転じ、国内需要は全体として拡大を維持する見通しである。
ニッセイ基礎研+0.9%
(+3.5%)
国内需要の伸びが加速したことに加え、10-12月期に大きく落ち込んだ輸出が持ち直し、外需が成長率を押し上げたため、潜在成長率を大きく上回る高成長となった。
第一生命経済研+1.1%
(+4.6%)
輸出の悪化により停滞した2011年10-12月期から一転して高成長が実現する可能性が高い。うるう年要因による押し上げも寄与しているが、それを考慮してもかなりの高成長だ。
伊藤忠経済研+1.2%
(+5.0%)
1-3月期は、タイ特需も寄与した輸出の持ち直しと政策効果による個人消費と公共投資の拡大により、出来過ぎとも言える前期比1.2%、年率5%の高成長に。しかし、4-6月期には減速の可能性が高いほか、1-3月期の成長率が2次速報で下方修正されるリスクもあり、過信は禁物。
三菱総研+0.7%
(+2.8%)
復興需要の顕現化により、内需中心の高めの成長となろう。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+0.9%
(+3.5%)
2四半期ぶりにプラスとなり、増加率も比較的大きくなったと見込まれる。復興関連の支出増などを受けて、個人消費や公共投資などの内需が好調に推移したことが背景にある。

ごく簡単に言うと、1-3月期は一時的な需要拡大要因によりかなりの高成長、4-6月期も鈍化するもののプラス成長、ということになります。まず、1-3月期の高成長については、いくつか特殊要因が上げられます。第1に、タイ洪水に起因する供給制約からのリバウンドで輸出が増加します。第2に、エコカー補助金の復活により消費が増加します。第3に、ようやく復興需要が顕在化し公共投資が増加します。そして、4-6月期に目を転じると、この3つの一時的な需要拡大要因はサステイナブルではないため早い時期に剥落しますので、成長率は一気に鈍化します。特に、政策要因の復興需要の経済化とエコカー補助金は、政策目的が明確ですから、基本的にポジティブに評価すべきですが、持続性に欠けるわけですから反動減を生じる可能性も見落とすべきではありません。もしも、政策効果による需要増が一時的と見切られれば、雇用や設備投資の要素需要には結びつかない可能性も否定できません。家電エコポイントや地デジ切換えによる大規模な需要の先食いを生じたテレビの売行きを見れば明らかです。政策の制度設計に失敗しているとは思いませんが、特定の財に対して特定の時期だけ補助金を出す政策の限界と考えるべきです。

来週の1次QEまでに、明後日には3月の国際収支統計が発表されますので、場合によっては1次QE予想を見直すシンクタンクもあるかもしれません。基本的に景気は回復局面にありますが、夏場に向けて減速する可能性も否定できません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月 7日 (月)

石持浅海『玩具店の英雄』(光文社) を読む

石持浅海『玩具店の英雄』(光文社)

石持浅海『玩具店の英雄』(光文社) を読みました。ゴールデンウィーク期間中の読書については、4月30日付けのエントリーで取り上げた経済書に加えて、昨日のエントリーで読書感想文を明らかにしたリベラル・アーツ系の本の他にも、エンタテンメント系の本もいっぱい読みました。今夜取り上げるのは、ミステリにやや超常現象的な要素を加え、結構な作品数を出版している作者さんですが、誠に申しわけないながら、私はこの「座間味くん」シリーズの『月の扉』と『心臓と左手』を別にすれば、この作者の作品は『ガーディアン』しか読んだことがありません。まず、出版社のサイトから作品概要の紹介を引用すると以下の通りです。

玩具店の英雄
ひょっとしたら、事件は、まだ終わっていないのかもしれません
科学警察研究所の職員・津久井操は、事件を未然に防げるかどうか、の「分かれ目」について研究をしている。
難題を前に行き詰まった操が、大学の大先輩でもある大迫警視正にこぼすと、ひとりの民間人を紹介された。
「警察官の愚痴を聞かせたら日本一」と紹介された彼は、あの『月の扉』事件で活躍した"座間味くん"だった――。

「座間味くん」シリーズは『月の扉』が長編、『心臓と左手』とこの『玩具店の英雄』が短編集となっています。『心臓と左手』は大迫警部だけが「座間味くん」の相手をして新宿西口近辺の飲食店の個室で過去の事件に対する「座間味くん」の解釈を聞くというスタイルでしたが、場所は新宿で変わりないものの、この『玩具店の英雄』では大迫が警視正という警視庁幹部に昇進しており、引用にある通り、語り手は科学警察研究所の津久井となります。警察の見方とはまったく異なる「座間味くん」の推理、というか、解釈を軸にしていることは同じですし、大迫の専門分野が警備ですから、刑事畑とは異なる警備分野の事例がほとんどを占めるのも変わりありません。マンネリを防ぐために語り手を変更していると私は見ているんですが、成功したかどうかは疑わしいと受け止めています。
刑事分野の殺人事件を含み、さらに、警備分野からいわゆる左翼や右翼の過激派の活動に絡む事件も提示され、一風変わったミステリですが、事件の現在進行形で謎解きがなされるわけではなく、後日談のような形で過去の事件が別の側面から「座間味くん」に解き明かされる形を取っていますので、緊迫感はなくリラックスした飲み会のノリでストーリーは進みます。いわゆるアームチェア・ディテクティブを主人公に据えたミステリらしい落ち着いた展開です。もちろん、結末も警察の結論と異なっているだけが売り物であり、「座間味くん」の説が正しいと実証されるわけではありません。まあ、警察に対して新たな視点を提供するというのが「座間味くん」の趣旨なのかもしれません。

私が読んだ範囲で典型作は『ガーディアン』なんですが、この作者の作品は超常現象が頻出します。「座間味くん」シリーズの初作である『月の扉』も超常現象は現れませんが、作品の、というか、ハイジャックのモチーフになっています。しかし、短編集の『左手と心臓』やこの『玩具店の英雄』には宗教団体こそ現れるものの、超常現象はほとんど関係ありません。従って、あまり読んでいないながら、この作者の作品の中では読みやすい方ではなかろうかと想像しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月 6日 (日)

ゴールデンウィークはわずかに1勝だけで終わる!

  HE
読  売020000000 270
阪  神000000001 191

またも8回までゼロ行進が続きました。最終回の1点だけでは惜敗感を高めただけで、勝負には何の関係もありませんでした。この試合も前半は塁上をランナーが賑わしながら、ここ1本が出ずに得点がなく、後半はサッパリでした。相手チームに2-3点先制されれば、今のチーム力では逆転するのは難しいのかもしれません。我が母校の京都大学が関西六大学で最多連敗記録を57に伸ばしたと朝日新聞のサイトで報じられていましたが、タイガースも我が母校も早い段階で連敗を脱出すべくがんばって欲しいものです。

新潟での広島戦は、
がんばれタイガース!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

リチャード・ワイズマン『超常現象の科学』(文藝春秋) を読む

リチャード・ワイズマン『超常現象の科学』(文藝春秋)

リチャード・ワイズマン『超常現象の科学』(文藝春秋) を読みました。作者は元マジシャンで、現在は大学の心理学の教授であり、この本の基本的スタンスは超常現象は科学的にありえない、というものです。まず、出版社のサイトにある「担当編集者から一言」を引用すると以下の通りです。

担当編集者から一言
よく当たる占い師、奇跡の導師、スプーン曲げ、予知夢、前世……摩訶不思議な現象に惹かれる人は後を絶ちません。しかし、人間心理にひそむ陥穽を研究してきたワイズマン博士は、これら超常現象がすべてインチキであることを実験で鮮やかに示してみせます。また、脳の認知システムのバグのなかに、"幽霊"が見えてしまう理由があることも明らかにします。「オーラの泉」などの怪しげなオカルトが看破される痛快な1冊です。

従来から主張されている点ですが、占いがよく当たるのは、あいまいであったり、どちらでも取れる表現をしたり、場合によっては、相矛盾することを言った上で、受け止める側が勝手に解釈するからである、というのは広く知られたことですし、いわゆる超能力なんてものはあり得なくて、何らかのインチキやタネがある、というのも当然です。これらの点で私は100パーセント同意します。同意した上で、2点ほど指摘すると、第1に、超常現象がインチキであることを認めつつも、インチキと見抜ける一般人は多くないわけですから、新興宗教の教祖なんかが悪用するのではなく、超能力っぽく見える技をエンターテインメントとして楽しませるのもアリではないかという気もします。第2に、この本の著者であるワイズマン教授は心理学者ですから、スコープの外なんでしょうが、超能力と同じレベルのオカルトとして宇宙人の存在があります。超常現象を宇宙人由来のイベントに帰すことも幅広く観察されます。その昔、私がお仕えした官房長官で堂々と宇宙人を肯定し、ナスカの地上絵なども宇宙人由来の見方をするエラい人がいましたが、とても宇宙人を肯定する気になれない一方で、否定のしようもなく、困り切った記憶があります。この本のスコープから外れますが、超常現象のひとつの解釈になり得ますので言及しておきたいと思います。

超常現象に対するスタンスが、宇宙人説を別にすれば、ほぼ私と同じで共感できる部分がとても多く、オカルトに対して科学的な見方ができる人には大いにオススメです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月 5日 (土)

ゴールデンウィーク初勝利で5割に戻して3位をキープ!

  HE
読  売000010000 1100
阪  神10010000x 280

甲子園に戻って巨人との第2戦、ようやく勝ちました。5連敗でストップ、5割に戻して3位をキープです。1回に内野ゴロで先制し、4回には5番に入った新井内野手のホームランで追加点をもぎ取り、7回まで1点に抑えた先発の岩田投手から、榎田投手がピンチを招いたものの、筒井投手から藤川投手につないで何とか逃げ切りました。そうそう開幕当初の調子に戻すことは難しそうな気がしますが、まだまだシーズンは始まったばかりですし、榎田投手と藤川投手の抑えの2枚看板がやや調子を落としているように見える一方で、先発投手陣は安定しています。要は打線が点を取れるかどうかに試合がかかっています。気温も景気も上り調子ですし、阪神打線もエンジンがかかって欲しいものです。

明日はメッセンジャー投手を盛り立てて、
がんばれタイガース!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

米国雇用統計のグラフィックス

当然ながら、我が国のゴールデンウィークとは何の関係もなく、昨日、米国労働省から米国雇用統計が発表されています。いずれも季節調整済の統計で見て、ヘッドラインとなる失業率は8.1%と前月から0.1%ポイント低下したものの、非農業部門雇用者数は前月からわずかに115千人しか増加せず、米国の景気回復ペースに疑問を投げかける内容でした。ゴールデンウィークのど真ん中ながら、我が国経済への影響も含めて重要な統計ですので、簡単に取り上げます。まず、Wall Street Journal のサイトから記事の最初の4パラを引用すると以下の通りです。

Jobs Engine Sputters Again in April
U.S. job growth slowed in April, spooking markets and giving President Barack Obama a tougher sell as he tries to convince voters that the economy is on the mend.
The disappointing jobs report raised concerns that the economy, which appeared to be accelerating late last year and early this year, is bogging down again. The labor force shrank again last month, indicating more workers are throwing in the towel.
Employers added a seasonally adjusted 115,000 jobs in April, the smallest increase since October, the Labor Department said. Private employers added 130,000 jobs while governments cut their payrolls by 15,000.
The unemployment rate, derived from a separate survey, ticked down to 8.1%, the lowest rate since January 2009. But the drop wasn't good news: The rate fell mostly because 342,000 people left the labor force.

次に、いつもの米国雇用統計のグラフは以下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減、下は失業率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。

米国雇用統計の推移

失業率が低下したものの、雇用者数の伸びが物足りない上に、賃金上昇率も鈍り始めています。下のグラフの通りです。ややトリッキーですが、季節調整済みの時間当たり賃金の前年同月比上昇率の推移をプロットしています。私は基本的には底入れしたと受け止めていますが、このまま2%を割り込んで下がり続ければ、あるいは、デフレの懸念が生じる可能性が排除できません。

時間当たり賃金上昇率の推移

最後に、景気循環のピークをベースにした雇用の増減は上のグラフの通りです。2011年のいわゆるITバブル崩壊後の景気後退期も Jobless Recovery と呼ばれましたが、約4年の47か月で雇用は回復しました。しかし、今回は50か月を過ぎても一向に景気後退前の水準に達する見通しが立ちません。

Jobless Recovery

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月 4日 (金)

甲子園でもゼロ行進が止まらず5連敗!

  HE
読  売120001000 460
阪  神000000000 011

アウェーから甲子園に戻っても、サッパリ打てないのに変わりなく、1安打のゼロ行進が続きます。杉内投手に手も足も出ませんでした。最終回まで甲子園が沸く場面すらありませんでした。打順を変更しただけでは何の効果もないことが明らかになりましたので、選手の入替えを考えてみるいい機会かもしれません。若手をバンバン起用してゼロ行進であれば、まだファンの許容範囲は広がると考えるのは私だけでしょうか。でも、安藤投手を落とすのはいかがなものでしょうか。落とすべき選手は他にいるように思います。和田監督が何を考えているのか、私には判断基準が理解できません。

明日こそ、
がんばれタイガース!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ゴールデンウィークに聞いた音楽 (その2)

奥田弦「奥田弦」

ゴールデンウィークのヒマ潰しとして手元に用意した2枚目のアルバムは、上の通り、奥田弦の「奥田弦」です。昨年12月のリリースです。今さらながら、昨年2011年は小学生やお子さまが活躍した年でした。流行に疎い私のような中年のオッサンでも知っているのは芦田愛菜と鈴木福なんですが、私の馴染み深いジャズピアノの世界でも同様の動きがあり、レコーディング当時9歳だった奥田弦が出したアルバムが注目されました。昨日取り上げた上原ひろみと矢野顕子のアルバムは軽く流したんですが、今日のこのアルバムについては曲名を明らかにしておきたいと思います。すなわち、下の通りです。

  1. Maple Leaf Rag
  2. Twinkle Twinkle Little Star
  3. Brahms Symphony No.1 c mol op.68
  4. Take the 'A' Train
  5. It's Show Time!
  6. Tiger Rag
  7. 雄大な自然
  8. Caravan
  9. 午後の時間
  10. Danza Ritual del Fuego
  11. 情熱大陸
  12. Hymn to Freedom

この年齢のピアニストですから、注目されるのは2曲目の「キラキラ星変奏曲」なのかもしれませんが、1曲目と6曲目に配したラグタイムの曲も、4曲目と8曲目のエリントンのジャズ曲も、なかなか見事に弾きこなしています。加えて、5曲目、7曲目、9曲目にはオリジナル曲も取り上げられています。もっとも、最後のオスカー・ピーターソンの曲は、後付けながら、マルコム・ドッズの "When every heart joins every heart" で始まる歌詞が分からないと苦しい気もしますが、全般的にメジャーレーベルからCDデビューを飾るに相応しい腕前であると認められます。もちろん、腕前以外にもいろいろと有利な条件は備えているわけで、例えば、山中千尋がメジャーデビューする前の澤野工房から出していたCDなどと比べて、特に水準が高いかと問われれば、やや苦しい答になりそうな気もします。いずれにせよ、17歳でチック・コリアと共演した上原ひろみ、13歳でハンク・ジョーンズの絶賛を受けた松永貴志など、我が国ジャズピアニストの早熟ぶりは驚きの連続でしたが、ここに極まった感があります。
下の動画はポニーキャニオンがアップしている奥田弦が弾く「タイガー・ラグ」です。アルバムでは6曲目に収録されています。

昨日の荒れたお天気とは打って変わって今日はいいお天気ですので、昼前から少し近場に出かけたいと考えています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月 3日 (木)

なすすべなくゼロ行進で連敗街道まっしぐら!

  HE
阪  神000000000 050
中  日03000000x 3110

我が阪神タイガースは、なすすべなく散発5安打、ゼロ行進で連敗街道まっしぐらです。安藤投手も踏ん張り切れませんでした。4番の新井内野手は4回のチャンスで凡退し、代打の城島選手も予想通りの併殺打でした。もはや、ナゴヤドームがどうのこうのというレベルではないと見受けられます。
まだちょうど五割に落ちたところですが、この調子でゼロ行進と連敗が進めば、選手レベルでベテラン選手と若手の大幅な入替えにとどまらず、例えば、最下位まで順位を下げたりすれば、和田監督の休養や交代まで視野に入る可能性が否定できません。少し前の東京ヤクルトの高田監督の例が頭をよぎります。

甲子園では、
がんばれタイガース!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ゴールデンウィークに聞いた音楽 (その1)

上原ひろみ: Get Together - Live in Tokyo

ゴールデンウィーク後半が今日から始まりましたが、東京ではあいにくの悪天候で、今日は室内競技を目指します。ということで、1枚目の音楽CDを取り上げます。上の画像の通り、矢野顕子と上原ひろみのデュエットになる Get Together - Live in Tokyo を聞きました。下のビデオを見れば、上原ひろみのピアノが右側に位置しています。なお、チック・コリアと共演したアルバム Duet でも上原ひろみが右だったように記憶しています。当然ながら、歌っているのは矢野顕子です。
当然というか、私のようなジャズファンの耳にはピアノの差は歴然です。下のビデオでも歌っている時の矢野顕子はあんまりピアノを弾いていないように見受けられます。でも、それでオッケーだったりします。私なんぞの偏った目から見れば、真打の落語家が浪曲をやっているような印象で、矢野顕子の歌がメロディーラインから外れない以上、上原ひろみの即興演奏の才能の無駄遣いだという気もしなくもないんですが、これも経験のひとつで幅広く人脈を形成して、さまざまな音楽を演奏しておくことも、上原ひろみの今後の音楽生活には有益なのかもしれません。
下のビデオはアルバムから「ラーメンたべたい」です。

なお、ゴールデンウィークで聞こうと思っ手元に用意したCDは2枚あり、2枚目もピアノなんですが、これについては日を改めて紹介します。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月 2日 (水)

榎田投手と藤川投手が打たれて連敗脱出ならず!

  HE
阪  神0000100001 2100
中  日0000000101 281

抑えの2枚看板が打たれて2度に渡って同点に追いつかれ、連敗脱出ならずでした。相変わらず、ヒット数で中日を上回り塁上を賑わしながら、サッパリ得点が入りません。2点目のタイムリーを打った4番の新井内野手はさすがですが、10回に追いつかれて負けに等しい引分けだったと思います。クローザーの藤川投手が打たれることもあるんですから、打線の奮起を期待します。

明日こそ、
がんばれタイガース!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

毎月勤労統計に見る賃金はこの先も増加するか?

ゴールデンウィークの谷間にもかかわらず、本日、厚生労働省から3月の毎月勤労統計調査の結果が公表されています。賃金は上昇し、残業時間も増加するなど、もちろん、昨年の震災による落ち込みからの反動も決して無視できないんですが、典型的に景気回復期の統計の姿を示しています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じた記事を引用すると以下の通りです。

3月の所定内給与、3年11カ月ぶり増 震災の反動
厚生労働省が2日発表した3月の毎月勤労統計調査(速報)によると、基本給や家族手当などを含む労働者1人あたりの「所定内給与」は24万4778円となり、前年同月と比べて0.7%増えた。2008年4月以来、昨年3月の東日本大震災による落ち込みの反動で、3年11カ月ぶりに増加に転じた。
残業代などの所定外給与は4.4%増の1万9472円で、6カ月連続増。現金給与総額は1.3%増の27万8333円となり、2カ月連続で増えた。
総労働時間は前年同月比1.5%増の148.7時間となり、2カ月連続増加。残業などの所定外労働時間が10.8時間と3.3%増え、全体を押し上げた。足元の景気動向を示す製造業の所定外労働時間は10.3%増の15.7時間と、10カ月連続で前年同月を上回った。

次に、いつものグラフは以下の通りです。上のパネルは季節調整していない賃金指数の前年同月比上昇率、下は季節調整済みの所定外労働時間指数そのものです。前回の2月確報の発表の時に指数の基準改定があり、2005年基準から2010年基準に改められています。

毎月勤労統計の推移

繰返しになりますが、昨年3月の震災からの反動の要素も決して無視できないものの、景気が順調に回復していることを示していると私は受け止めています。ただし、雇用については、特に賃金については、先行きこのまま単調に増加を続けるとは考えていません。理由は単純には2点あり、第1に民間企業では為替レートや生産動向とも関連して企業収益の先行きが不透明だからです。すでに、4月20日付けのエントリー「今年の夏季ボーナスはやや減少するか?」でも取り上げたように、夏季賞与は減る可能性が高いと考えるべきですし、月額給与については業績との連動はボーナスほど高くないものの、業績がよくないとすれば賃金上昇も鈍るのは当然です。第2に、制度要因ですべて決まる公務員給与について、国家公務員は4月から約10パーセントの削減が決まっており、地方公務員がどうなるかは不明ながら、確実に公務員給与は減少します。ただし、ついでながら、毎月勤労統計では公務員の給与は調査対象としていないので、あくまで調査上の技術的な要因で公務員給与の引下げは反映されません。この点には注意が必要かもしれません。賃金の向かい先の消費については所得とともにマインドも重要ですが、昨夜取り上げた連合総研「勤労者短観」に見るように、マインドは底堅く推移していると受け止めています。

何度か繰り返しましたが、デフレ脱却の十分条件は賃金上昇だと私は考えています。引き続き、賃金動向についてはフォローしたいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月 1日 (火)

どこまで続く無得点?

  HE
阪  神000000000 070
中  日00000001x 140

3試合連続の無得点で3連敗です。ヒット数で中日を上回りながら、サッパリ得点が入りません。しかも、併殺崩れの間に失点してしまい、4安打ピッチングの久保投手が8回まで完投しながら負け投手です。この先も、打てずに得点できないままで投手陣がどこまで持ちこたえられるか、とっても不安です。采配も冴えません。先発メンバーを交換した後はベンチは動かず、最終回に代打攻勢をかけるまで、ほとんど何もなすすべなく負けている印象があります。

明日こそ、
がんばれタイガース!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

連合総研の「勤労者短観」から消費の先行きを占う

やや旧聞に属する話題かもしれませんが、連合総研から第23回「勤労者短観」の調査結果が先週4月27日の金曜日に発表されています。主要な調査結果は図表のリポートとして公表されています。短観のマインド調査ですから、いわゆるソフトデータなんですが、消費の先行きは所得とマインドが重要な決定要因となりますから、ゴールデンウィークのはざまの今日に簡単に取り上げておきたいと思います。

図表Ⅱ-5 過去1年間、今後1年間の世帯消費増減D.I.

まず、上のグラフはやや見づらいんですが、リポートの p.7 図表Ⅱ-5 過去1年間、今後1年間の世帯消費増減D.I. を引用しています。リポートでは消費の「改善傾向が明確になっている」と分析しています。この前段でも、景気悪化や勤め先の経営状況悪化の見方が弱まっているとの結果が示されており、全体として景気も消費も上向きとの現状分析が示唆されています。

図表Ⅱ-8 今後1年間に所得が増加見込み

堅調な消費を支えるのは所得なんですが、所得の先行きについて属性別にマインドを調査した結果が上のグラフの通りであり、リポートの p.8 図表Ⅱ-8 今後1年間に所得が増加見込みを引用しています。見れば明らかですが、性別では男性、年齢では20・30歳代、正社員で、従業員規模100人以上の比較的大規模な企業において、所得が増加すると考える人が多くなっています。まあ、当たり前の結果かもしれません。

図表Ⅱ-10 世帯で切り詰めた支出内容の割合

しかしながら、8割超の家計が何らかの費目の支出を切り詰めていルトの調査結果も示されており、どういった品目で支出が切り詰められているのかを示したのが上のグラフです。リポートの p.9 図表Ⅱ-10 世帯で切り詰めた支出内容の割合を引用しています。衣料品、外食、遊興交際費などが削減の対象として浮かび上がっています。他方、医療費や子供の教育費などは削減対象となっている割合が低いことが示されています。

ここでお示しした調査結果の他、震災や原発事故の家計への影響や高齢者雇用の影響として、「高齢者がより高い年齢まで働くようになると、若者が就ける仕事が少なくなる」という意見について<そう思う>と回答した割合は52.9%などの結果が示されていますが、今夜のところは割愛します。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年4月 | トップページ | 2012年6月 »