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2012年5月23日 (水)

経済協力開発機構「経済見通し」OECD Economic Outlook No.91 に見る日本経済やいかに?

昨日、経済協力開発機構から「OECD経済見通し」OECD Economic Outlook No.91 が公表されています。ヘッドラインとなる成長率は日本が今年2012年2.0%の後、来年2013年は1.5%に減速すると見込まれています。欧州に焦点を当てた記事ですが、Wall Street Journalのサイトから記事を最初の4パラだけ引用すると以下の通りです。

OECD Slashes Euro-Zone Growth Forecast
The Organization for Economic Cooperation and Development Tuesday slashed its forecasts for growth across the euro zone for this year and next, and warned that the area's debt crisis could pull it into a vicious downward spiral without the right policy action.
The OECD sees euro-zone gross domestic product shrinking by 0.1% this year, down from its previous forecast of growth of 0.2%. It sees growth of 0.9% in 2013, down from its previous outlook of 1.4%. The organization said it expects the jobless rate to rise to 11.1% by the end of next year as a result, from just over 10% now.
The cut is due largely to sharp recessions in Spain and Italy, where the OECD sees GDP shrinking by more than 1.5% in both countries this year. It forecast even sharper contractions of 5.3% in Greece and 3.2% in Portugal this year, but says both will start growing again in the second half of 2013. It has a rosier outlook for the 'core' economies of France and Germany, both of which it expects to grow for the next two years.
The OECD called on the European Central Bank to loosen monetary policy further, and said it might be called upon to take more radical steps in future, by lending its firepower to the euro zone's taxpayer-funded firewalls and by resuming its purchases of government bonds.

OECDから公表されている資料のうち、一応、私の方では「経済見通し」本文250ページ余りを入手可能なんですが、今日のところはプレス資料ハンズアウトからいくつか図表をピックアップして簡単に紹介したいと考えています。まず、ハンズアウト p.2 の総括表を引用すると以下の通りです。クリックすると、プレス資料 p.2 の見通し総括のページだけを抜き出したpdfファイルが別タブで表示されます。細部まで確認はしていませんが、プレス資料 p.2 の見通し総括のページは「経済見通し」本文の p.6 と同一ではないかと思います。

The outlook

日本の今年の経済成長率は+2.0%で据え置かれましたが、ユーロ圏は昨年11月の「刑事ア見通し」から▲0.3%ポイント引き下げられて、今年は▲0.2%のマイナス成長と見込んでいます。逆に、米国は昨年11月段階では2012年+2.0%成長と我が国と同じでしたが、今回は+2.4%と上方改定されています。来年2013年についても、日米は±0.1%の微修正なんですが、ユーロ圏は+1.4%から+0.9%に大きく下方修正されています。

Central bank balance sheets supportive

成長率見通しが下方改定されたユーロ圏や欧州に限定されない世界経済全体に及ぶ議論ですが、リポートでは単位労働コストやオークン係数まで引いて、石油価格はまだ高止まりしているものの、インフレ圧力が小さいことから金融の追加的な緩和を求めるトーンとなっています。上のグラフはハンズアウト p.13 から引用していますが、欧米の中央銀行で足元においてやや金融緩和から引締め気味の動きが見られます。もっとも、我が日銀は欧米の動向にかかわらず、相変わらず鈍くて渋い政策対応しかしていないことは明らかです。

Japan: Financial indicators

日本に関しては、経済見通しというよりも政策対応が重視されている印象で、上の表はリポート第2章の各国編から p.72 Japan: Financial indicators を引用していますが、復興に必要な資金需要もあって一般政府赤字が今年から来年にかけて膨らみ、来年2013年には再びGDP比▲10%を超えると見込んでいます。従って、政策対応としては、リポートの p.70 において、A top priority is to implement the government's proposal to hike the consumption tax rate beginning in 2014,if not before. と明記されているように、2014年からの消費税率の引上げが最優先事項として求められています。

貿易統計の推移

最後に、本日、財務省から4月の貿易統計が発表されています。輸出入とその差額たる貿易収支は上のグラフの通りです。上のパネルは季節調整していない原系列、下は季節調整済みの系列をプロットしています。原系列の統計で見て、輸出は前年同月比7.9%増の5兆5665億円、輸入は8.0%増の6兆868億円、差引き貿易収支は5203億円の赤字となりました。

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